長らく続いた東京開催も最終週。最も勝ち星を挙げた2回東京から一転して3回東京は惜敗の多い開催になってしまったが、騎乗数の多い最終週は挽回となるだろうか。また、ジョッキーとしても「歴史的」と称した南関東2冠のJRAへの開放についても、過去に大井に所属していた立場を踏まえつつ語ってもらった。

東京開催最終日は11鞍の騎乗!勝ち星量産なるか

——今週は土曜が9鞍、日曜が11鞍の騎乗ですね。土曜の騎乗馬から伺っていきたいと思いますが、土曜のグートアウスは久々の騎乗です。

中間に乗っていないので変化はわかりませんが、以前の印象でいえば、成長できそうな余地も感じていただけに変わったところを感じられるといいですが……。

——最終のラコンタールは4戦連続で東京コースに臨みます。

新馬の勝ち方であれば1勝クラスは突破できる存在。ただ、気性面といいますか、その後は精神面の不安定さが出てしまっています。当日になってみないとわからないものの、地力を信じたいですね。

——日曜のダノンアマレットグランベルナデットは追い切りに乗られたと思います。

ダノンアマレットはワンターンの舞台はいいと思います。ただ、一つ一つの動作に鈍さがあって、距離短縮が決して合っているとも言えないところ。それでいてディープインパクト産駒らしい非力な面もあるので、現状は色々噛み合ってほしいものです。グランベルナデットは追い切りで能力は感じました。ただ、精神的な面でいえば気が入ってこないといいな、という印象。スライドした分で影響がないといいのですが。

——トモジャワールドノワールドゥジェは騎乗して勝たれた経験があります。

トモジャワールドの未勝利戦はいい勝ち方ができましたね。ここでも楽しみです。ノワールドゥジェは競馬が上手な馬で、思った以上に相手関係の変化に対応してくれています。

——甲州街道Sガンダルフは初ダートです。

力のある馬で対応できるのでは、と思います。ただ、ダートがイイかと言われたら絶対的にそうは感じませんし、ダメという訳でもなく、適性は未知数な面もあるのが本音です。

——パラダイスSリレーションシップは2走前より相手関係は楽になるはずです。

リレーションシップ

僕が乗せていただいた時はスピード負けしている感。ハンデ戦ですが、リステッドになる分で対応できればと思います。

東京ダービー&羽田盃のJpn1化 元・地方競馬関係者の立場からもコメント

——先週のレースについて伺うと、新馬のノイジーアプローチはどうだったでしょうか。

まだ初戦というコンディションでした。ただ、良いモノはありそうですし、使いつつ素質を出してくれそうです。

——スレイプニルSエブリワンブラックはこの相手関係でもやれると思いましたが。

休み明けの分、動き切れなかったです。素質的には劣らないと思いますし、条件も合っていたと思いますが。

——未勝利戦を圧勝したウィズグレイスはどうでしたか。

どうも体が伸びたままでタメがきかなかったです。状態的には比較がないのでわからない面もあるのですが、決して元気があったようには思えなかったです。

——多摩川Sワンスカイは距離が課題でしょうか。

気は勝っているというイメージですね。一瞬のいい脚は使ってくれましたし、このクラスでもやれると思います。

——ユニコーンS(G3)バトルクライは先週伺ったお話の印象よりは健闘したのではないでしょうか。

一度1600mを使ったことで慣れを感じましたね。直線でもいい感触で走ってくれて、前走からの上積みは感じましたね。

——ミスということでもなく、直線は全くスペースがなかったのではないですか。

なかったですね。ただ、あれだけ追い出しが遅れたからこそ、最後は勢いがあったと思います。前回も手応えほど伸びきれていないですから。もう少し伸びていいなと思っていました。

——その辺りは秘めた適性面の差でしょうか。

現状はこの距離もこなせてはいますが、そう思います。ただ、体もまだまだ固まっていませんし、今後は楽しみですね。

——コングールテソーロは6歳ながら1勝クラスを突破しました。

以前乗せてもらった時よりも状態が良くて、いい時に乗せてもらいましたね。これだけ惜敗続きだったのに強い内容でしたし、改めて馬の体調面は重要だなと感じさせられたものです。

——先週の東京ですが、芝・ダートの馬場状態はどうでしたか。

芝は特に馬場の内側は皆嫌がるので、その分、外に振られるので距離ロスが大きくなりますね。おそらく今週も同じ傾向じゃないでしょうか。ダートは良馬場の割に時計が速かったですね。

——そして、今週は2024年以降から3歳ダートの3冠競走を創設、南関東の羽田盃や東京ダービー、ジャパンダートダービーがJRAと他地区に開放されることが発表されました。元・大井競馬所属だった立場としてもどう感じられましたか。

歴史的な改革だなと思いました。それと、地方競馬側はよく門を開いたなと思ったのも本音です。

JRAとしては3歳ダートの番組が手薄だったことは事実でしょうが、地方競馬、特に南関東にとっては重要な羽田盃と東京ダービーですからね……。今でも知った顔の多い南関東勢の皆のことを思うと、正直にいえば勝てるチャンスが難しくなりますからね。今でこそ交流重賞で活躍する地方馬もいるとはいえ、どちらが勝っているかといえば、JRAですから。

——大きな改革をすると否定的な意見があることは否めないものの、それにしても思い切った変更でしたね。ただ、長期的にみればプラスに出ることもありそうですね。

強い馬づくりということがコンセプトにあるようなので、そこは賛成ではありますけどね。

——ジョッキーとしては羽田盃3勝目、東京ダービー5勝目というチャンスも出てきました。

それは言えますけどね。過去は過去ですし、乗れるかどうかもわかりませんから。ただ、もし機会があれば頑張りたいです。

——次週からは福島開催になりますが、久々に栗東トレセンへも行かれるそうで、その辺りも伺えればと思います。今週もありがとうございました!

ありがとうございました!

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