週刊戸崎圭太

がんばれ圭太!

リーディングへの道をみんなで一緒に駆け上がろう!

競馬ラボ独占コンテンツ「週刊!戸崎圭太」では、JRAのトップジョッキーとして活躍する戸崎圭太騎手の生の声を毎週発信!レース・騎乗馬の話題はもちろん、“ポスト・アンカツ”としての活躍が期待される中、その安藤勝己さんから直々に叱咤激励のコーナーも!?

他にも、定期的に展開するQ&Aコーナーでは、ファンからの質問にもお答えいただきます!ファンと本人の架け橋となるコーナーとして、どこよりも「ケイタ情報」を発信いたします!

地方No.1ジョッキーの名前を欲しいままにし、JRAへ電撃移籍。新たなステージで頂点を目指す戸崎圭太騎手を競馬ラボでは徹底!応援宣言します。目指せリーディング!そして、もっともっと戸崎圭太を応援しましょう!


桜花賞ではハープスターに敗れたものの、ライバルが圧倒的な優勢と見られていた中で、僅差の争いに持ち込んだ戸崎圭太騎手とレッドリヴェール。
これでハープスターとの対戦成績は1勝1敗となり、名勝負数え歌の始まりかと思われたその矢先……。レッドリヴェールの日本ダービー参戦と共に、福永祐一騎手への乗り替わり、というニュースが発表された。
競馬ファン・サークルの間でも「なぜ?」との声が聞こえる中、当人は厳しい乗り替わりをどう受け止めたのか。激闘直後のレース回顧、乗り替わり発表後と、2度のインタビューにわたってレッドリヴェールについて振り返ってもらった。


まさかの乗り替わりとなったレッドリヴェール


-:応援している我々としてもショッキングなニュースでしたが、レッドリヴェール(牝3、栗東・須貝尚厩舎)が乗り替わりになると発表されました。

戸崎圭太騎手:こういう世界でもあるから、いつ乗り替わりになっても、それはあることだと思いますので。

-:その通達はいつ頃あったのですか?

圭太:世間に広まる2~3日前には聞いていたかな。

-:心境としてはいかがですか?

圭太:こういう世界だということは、自分の中で常々割り切っている部分があるんです。残念は残念なものの、ショックはなかったです。

-:中央での実績がないとはいえ、リーディングではトップにいられますし、トップジョッキーの中の一人、という認識はサークル内にもあると思います。

圭太:でも、それは色々な見方があると思います。リーディング上位にいなくても、“この騎手を信頼している”という陣営もあるだろうし、その逆もあるわけで、それは一概には言えないですからね。誰が乗るかはオーナーさんが決めるわけですから。

-:技量、実力がそのまま順位に直結する世界じゃないですからね。

圭太:ですね。プロ野球の個人成績やサッカーの得点ランキングとは違うでしょうから。

-:自ら考えた上で思い当たるフシはありますか。

圭太:やはり(桜花賞で)負けたからでしょうね。また、自分も乗り替わりになって、確かに悔しいですから、まだまだ頑張らなくちゃなあ、と思います。本当に悔しいけれども、スッキリしている部分はありますよ。


「僕が負けたんです。だから、自分が強くならなければいけないし、上手くならなければいけない。結局、『戸崎で』と頼まれる騎手にならなければいけないわけですから。それが勝負の世界です」


-:そういう表情にも見えますね。

圭太:そうですね。そうですか?

-:そうじゃない?

圭太:イヤイヤそうですよ(笑)。

-:では、現状はダービーの手駒はいなさそうですね。

圭太:そうですね。何とか乗りたいとは思うのですが、ハッキリとはわからず、“あやふやな戸崎、宙に浮いている戸崎”ですよ。

-:その一方、オークス(G1)は良い馬が回ってきて。

圭太:そう。サングレアル(牝3、栗東・松田博厩舎)ですね。楽しみです!


-:ファンからは“なぜ戸崎騎手じゃないの”という意見もあると思います。ファンに向かって言えることはありますか?

圭太:これは勝ち負けと別ではありますが、早く言えば、僕が負けたんです。だから、自分が強くならなければいけないし、上手くならなければいけない。結局、「戸崎で」と頼まれる騎手にならなければ、いけないわけですから。それが勝負の世界です。

-:割りきっていえば、そこでしょうね。

圭太:そうです。僕が認められる騎手であれば、乗り替わりにもならないでしょうし。

-:負けたとしても納得させられる騎手であったり、負けても次に取り返してくれるだろう、と思わせる騎手じゃないといけないわけですね。

圭太:そうそう。でも、牝馬もダービーを勝った歴史はありますし、レッドリヴェールには頑張ってほしいと思いますよ。僕も可愛らしい馬で好きなんですよね。我が強い馬で厩務員さんは苦労しているみたいですが……(笑)。


勝てるチャンスも感じた桜花賞

-:桜花賞は残念ながら2着に終わってしまいましたが、その中でも相手(ハープスター)が一本被りで断然ムードの中、大いに見せ場があるレースだったと思います。レースを終えての印象、感触はどうでしたか?

圭太:正直、あの着差だったので、何度も(VTRを)見返して、乗り方次第で逆転があったんじゃないか、とは今でも思っています……。レッド(リヴェール)に関しては、中間に1週前しか乗っていなかったのですが、体重は同じとはいえ、返し馬の時に良くなっている感触がすごくあったので、大したものだというか、改めて走る馬なんだな、と感じてレースに臨みましたけどね。

-:(以前との)違いというのは、どんな部分ですか?

圭太:体重は変わってないんですけれど、力が付いたというか、一歩、一歩の力強さが増しているというのは感じましたね。

-:体重も変わってないですし、見た目だけで言えば、ただでさえ細い馬ですね。

圭太:体が細いですからね。まあ、見た目はよく見えるかどうかというのは分からないですけれど、乗った感じでは確実に感じましたね。1週前の時はそれほどの違いは感じませんでしたし、気合乗りも足りなかったのかもしれないですけれど、全然違いましたね。


-:「良い意味で変わってない」とおっしゃっていましたけど、それが正直、良い意味では聞こえなかったというか、それってどうなのかな、とは、聞いていて思うところがありました。それでも、これまでのパフォーマンスとかを見ていたら、周りの牝馬のパフォーマンスと比べても決して劣るものではないだろう、という気もしていたので、期待はして見ていたのですが。

圭太:期待以上の走りをしてくれたかなという感じはしていますね。

-:ただ、スタートがちょっと今イチで?

圭太:僕の今までの経験ですけど、休み明けというのが、多少そこに出ちゃったのかなというのがありますね。気持ち的にボケッとしていたというか……。その後の走りは全然問題はなかったんですけれど、スタートの一瞬の反応が、久々の分かなという気がしていますね。

-:これまで、いくら間隔を開けて走ってきているとはいえ、やっぱり今回は大一番で少し響く部分だったと?

圭太:そうですね。

打倒ハープスターを意識した競馬

-:レース自体は1頭前に行った馬がいましたけれど、道中の集団のペースとしては、そんなに速くなかったですよね。

圭太:決して速くはないですね。むしろ、思ったよりも遅いな、という感じでしたね。スタートももう少し良ければ、決まっていれば、もう2~3列前で思い切った競馬をしようかと思っていたので、そこは思っていたより位置取りは後ろになりましたね。

-:それは、打倒ハープスターの作戦の一つじゃないですけど、相手よりも前で運ぶと想定はしていたと?

圭太:ハイ。まあ、その分じゃないですけど、最後は良い反応というか、前走以上に良い伸び脚を見せてくれましたね。

-:割と外めに持って行ったのは、どういう意図があったのですか?

圭太:ハープスターも外に来るんでね。併せることも考えて、ですね。あとは能力的にも確実に伸びるというのはわかっていたので、内でゴチャつくよりは外めに出して行こうと思ったんです。でも、あとひと呼吸、我慢をしていれば、もう一頭分の内を通れたのかな、という気もしないでもないんですが……。まあ、それは結果論なんで、何とも言えないですね。

-:(ハープスターが)来た時の感触はどうだったんですか?

圭太:雰囲気というか、気配も足音もなかったので、“アレッ、コレは!”と思ったぐらいだったんです。それでも、最後の最後は並ぶ暇なく、クビ差差されましたけどね。


-:ペースが遅ければ、着差は詰まるものとはいえ、あの着差だったら、そう悲観するような結果じゃないというか、条件次第とかでは逆転があってもおかしくはないのかなという気がしますね。

圭太:乗り方がちょっと違えば逆転があったんじゃないかな、という思いは今でもしているのでね。着差が着差だけに、そういう感じですね。

-:負けはしましたけど、ここまでこれだけの成績ですから立派ですね?

圭太:本当にあの小さな体で、頭が下がりますよ。大した馬ですよね。

-:(須貝)先生は何かおっしゃっていましたか?

圭太:「悔しい」という風に言っていましたね。ただ、「本当に良いレースをしてくれた」と、馬に感謝していましたけれどね。負けはしたんですけれど、本当に良いレースだったんじゃないかと思いますよね。お互いに力を出し切ってあの接戦でしたしね。食らい付いていって、最後の最後はまた一瞬、一伸びしたんでね。ここで盛り上がって、今後も良いライバル関係になりますね。楽しみだと思いますよ。


「レッドの場合は前に行っても後ろからでも、スローでもハイペースでも、どこからの位置でも乗り方次第で競馬が出来るというのは、レッドの方が強みはあるかなと思いますね」


-:レッドリヴェール自身、スローの瞬発力勝負というタイプではありませんか?

圭太:いや、それでも大丈夫です。ハープは今後もきっとああいう乗り方をしてくると思います。レッドの場合は前に行っても後ろからでも、スローでもハイペースでも、どこからの位置でも乗り方次第で競馬が出来るというのは、レッドの方が強みはあるかなと思いますね。

-:馬場もおそらくこちらの方が悪くてもこなせるはずですね。

圭太:そうですね。幅広く走れるというか。

-:重箱の隅をつつくならば、もし、関東圏に持ってきた時の輸送とかは大丈夫なんですかね。ジョッキーからしたら未知数でしょうが?

圭太:でも、想像していた以上に凄さを感じますので、やれるでしょう。

■次回は5月11日(日)に更新予定です。