競馬ラボスタッフY(以下Y):いよいよ、このコーナーも最終回。来週からはPOGではなく野中君の穴馬コーナーが始まるとか。

ライター野中(以下野):タイトル案が浮かばなくて……。「穴馬に正面からタックル!」とかにしようかと思ったらあんなことですしね。

Y:とってつけたようなネタだね(苦笑)。今回は17-18年のPOGの総括と、ダービーの展望。現時点で役立つ次期POGネタをお願いするよ。

野:ディープインパクト産駒は社台グループの馬しか走らないというのが崩れた1年でしたね。ダービーにも出走するダノンプレミアム(牡3、栗東・中内田厩舎)、NHKマイルCを勝利したケイアイノーテック(牡3、栗東・平田厩舎)と、非社台のディープインパクト産駒が複数頭GIを勝つのは過渡期にあるのかなという意識を持ちました。

Y:ディープインパクト産駒も年齢が上がってきているし、馬の値段が上がっているので、同馬の産駒だと緩めてしまうとかあるのだろうか?

野:あとはこの世代の場合、繁殖馬をロードカナロアとかに集めた可能性もありますけどね。ノーザンFとしてみれば、馬を1円でも高く売りたい。ディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒ばかりに偏らせずにという方針があったのかも知れません。非社台のディープインパクト産駒が走り始めたのは慣れとかもあると思うんですよ。ディープ産駒は育成の難しいタイプが少なくないといわれていますが、社台グループ以外にもノウハウが蓄積されてきたのかも知れません。

Y:なるほどね。ディープインパクト産駒が不調とはいっても、ノーザンF系は桜花賞、オークスをアーモンドアイが連勝し二冠。上位に来る馬は何だかんだいってノーザンF系の馬が目立つよね。

野:サンデーRが少し不調なのは気になりますが、今年の3歳世代は当初からシルクRがいいといわれていましたからね。ノーザンF系は馬が多いので、毎年いいとは限らないというのも確かでしょう。つまり、次期シーズンではシルクRは少し割り引きかと。

Y:ダービーもブラストワンピース(牡3、美浦・大竹厩舎)が出てくるよね。

野:桜花賞、オークスに続いてシルクRの馬がダービーを勝つメリットは、ノーザンFサイドにしてみれば大きな意味がありません。ノーザンFは距離の問題は別にして、ルメール騎手を起用するステルヴィオ(牡3、美浦・木村厩舎)にどうにしかして欲しいはず。

Y:距離が気になるよね?

野:普通は厳しいでしょう。となると、前走ルメール騎手が騎乗していたコズミックフォース(牡3、美浦・国枝厩舎)、皐月賞では見せ場がなかったタイムフライヤー(牡3、栗東・松田国厩舎)では厳しい可能性が高いでしょう。次善の策として、他のクラブ馬や個人馬主の馬ということになるんじゃないでしょうか。

Y:何だかんだいって、18頭中10頭がノーザンF関連馬だもんね。

野:育成を手掛けているジェネラーレウーノ(牡3、美浦・矢野英厩舎)を入れれば11頭ですよ。それだけ多くの有力馬を抱えながら、皐月賞では1、2着馬が非社台系、3着がジェネラーレウーノという決着でした。今回は同レースを回避したダノンプレミアムも出走してきます。

Y:わくわくすると同時に何が勝つか全く読めないダービーとなりそうなのは確かだ。

野:あくまでも個人的な裏読みですが、ダービーは「運」の強い馬が勝つっていわれますよね?

Y:皐月賞が速い馬、ダービーは運のいい馬、菊花賞は強い馬という格言は当然、知ってますよ!

野:運がいいという意味ではキタノコマンドール(牡3、栗東・池江寿厩舎)でしょう。

Y:昨年までは皐月賞からダービーの出走権は4着までだったしね。

野:5着まで広がったことで権利を取れました。あのままだったら、トライアルか京都新聞杯を使う必要がありましたからね。また、Mデムーロ騎手も継続騎乗。

Y:確かに。ダービーは乗り替わった馬は勝てないっていうしね。

野:ただ、超新興クラブであるDMMが勝てるほど甘いかどうか。マイネル軍団だってまだ勝っていないダービーですよ。そういう意味では運だけで勝てるほど甘くもないとは思うんですよね。

Y:結論が難しい。

野:ただ、皐月賞の出走権を広げたということは、基本的に王道路線を歩んだ馬に勝ってもらいたいということでしょう。個人的にはジェネラーレウーノに期待しています。分かりやすくいえばモーリス・パターン。

Y:生産は別の牧場だけど、仕上げはノーザンFというパターンだね。

野:実は次期POGシーズンにはその手の馬がボチボチ見られます。角居厩舎のサターン(牡2、栗東・角居厩舎)は三嶋牧場生産のノーザンF育成、ダノンバリアント(牡2、栗東・高野厩舎)も同じパターン。特にノーザンFはダノンさんに、ラストグルーヴの件で貸しもありそうなので(あくまでも想像です)、後者は指名する価値はあるかと。

Y:他にも何頭か教えてよ。

野:サートゥルナーリア(牡2、栗東・角居厩舎)は誰もがいいっていっているキャロットFの看板血統馬。角居厩舎にしては珍しく早い時期のデビューですし、調教時計も速い。ドラフト1位で消える馬でしょう。

Y:珍しく王道なところを。

野:サンデーRの早期組では藤沢和厩舎のグランアレグリア(牝2、美浦・藤沢和厩舎)に話題が集中していますが、同じサンデーRの早期組なら堀厩舎のミディオーサ(牝2、美浦・堀厩舎)かなという気もしますが。堀厩舎は3歳世代が今ひとつ流れに乗れなかったので巻き返してくるかと。ただ、両厩舎とも例年より厩舎成績が上がってこないのは気になりますが。

Y:今回は珍しく王道路線の人に役立ちそうな情報ばかりだ。

野:穴っぽいところではノーザンF生産のヘニーヒューズ産駒であるドンヒューズ(牡2、美浦・鹿戸雄厩舎)を。馬主は小栗旬や綾野剛が所属している事務所の社長さんです。競馬場に来るとノーザンF系の関係者が熱心に挨拶していますよ。

Y:よく見ているね。野中君らしいところもどうぞ。

野:ブラックアテナの16ですかね。千葉サラブレッドセールのスウェプトオーヴァーボード産駒でオメガの原禮子氏が落札。この馬だけの落札なので走る馬ではないでしょうか。

Y:小銭稼ぎの下位指名ならいいかも知れないね。

野:その手のは話が尽きませんよ。ローマンクィーンの16はJRAブリーズアップセールで栗本氏が落とした馬。庭先ではもっと高い馬を購入されていると思いますが、同氏がセールで2000万円を超える馬を購入されるのは非常に珍しい。

Y:最後は野中君らしい馬だね。

野:皆様、長きに渡り当連載をお読み頂きありがとうございました。このコーナーは終わりますが、新コーナーもよろしくお願い致します!!

Y:穴馬にタックルというタイトルではないと思うけどね。