名馬、名手の里・笠松競馬から2005年にJRAへ移籍。美浦を拠点に活躍を続けるいぶし銀ジョッキー。
不惑を迎えた現在、G1の頂きを目指し、奮闘する騎手人生、騎乗哲学を綴ります。
今週の函館は土日メインに騎乗します!
2019/7/5(金) 17:00
先週はメイショウイッポンでの3着が最高着順でした。戦前から、前走以上の上積みを期待していましたが、4コーナーでは一瞬やったかと思ったほど。直線では内に寄られるようなところがあり、ブレーキをかけるシーンも。
そのロスで、勝ち馬にも離されてしまいましたし、2着はあったんじゃないかと思うだけに悔しいですね。ただ、馬自体は北海道が合いますね。引き続きチャンスはあると思います。
今週は土日いずれもメインレースでの騎乗依頼をいただきました。日曜のマリーンSを予定しているメイショウスミトモは近走の成績こそふるいませんが、調教で乗せていただいている感触は決してそう感じないんです。おそらく大沼Sを勝った馬(リアンヴェリテ)がビュンビュン行くでしょうし、展開は向きそう。斤量も55kgに留まったので、キッカケになるレースができればと思います。
土曜、五稜郭ステークスのオブリゲーションは休み明けながらテンションが高いですね。そういう意味では、滞在競馬は合うのでしょう。聞くところ一瞬の脚が持ち味とのこと。ここ最近は様々なコースを試されているようですが、なるべくロスなく運んだ競馬を徹したいです。
土曜4R(3歳未勝利)のシックザールは今回、ダート替わりとブリンカーを着用で変わり身に期待。ただ、一度、ダートに使われた時に乗っていた北村友一君によれば「上滑りするような走りで、進んでいかなかった」とのこと。自分の感触ではダートは合いそうなイメージを持っているだけに、手探りではありますが、ガラっと変わってもという期待はあります。
八雲特別のラストプライドワンの前回はハイペースでしたし、ハミを噛んで力んでいながら、そう大きく崩れなかったですからね。ひと叩きの効果からも期待は大きいです。
日曜3R(3歳未勝利)のスズカスパイカーは以前にも言ったように、未勝利を勝てる能力はあるのですが、前走の敗因が気がかり。肉体的なものより、精神面、闘志が戻っていなかった感じでしたからね。今回は序盤から気合をつけていくくらいでも、と思っています。5R(2歳新馬)のヴァリアントジョイは新種牡馬ウインバリアシオンの産駒らしいですね。まだ使いつつといった雰囲気ですが、徐々に良くなっていってほしいです。
先週のその他のレースでは、ファストアプローチは前が速くなりましたし、3コーナーからも来られ、苦しい展開でした…。メイケイダイハードも行くところがなく、申し訳ない競馬。レース前にも書いたとおり、このクラスだからといって、ここまで見劣る馬ではないですからね。なお、先週の芝は多少柔らかさがありました。
このところ美浦ではウッドコースを閉鎖しているようですが、影響がありそうですね。やはりウッドは脚元への負担が軽いし、尚且つ負荷をかけられるわけですから。調整は大変じゃないかと想像します。
プロフィール
柴山 雄一 - Yuichi Shibayama
1978年2月19日生まれ、大阪府出身。
1998年に笠松競馬でデビュー。2004年にJRA騎手免許試験を受験したが、それまでに地方競馬からJRA移籍を果たした安藤勝己元騎手らとは異なり、筆記試験の一次試験から挑戦。猛勉強の甲斐もあり、一発合格。4人目の移籍騎手となった。
JRA移籍初年度は80勝をマークする大活躍をみせるも、一時は成績が落ち込み、2009年には年間14勝に留まった。しかし、近年は巻き返しの狼煙をみせ、2015年は72勝。6年ぶりの重賞制覇を成し遂げた返り咲きジョッキー。