名馬、名手の里・笠松競馬から2005年にJRAへ移籍。美浦を拠点に活躍を続けるいぶし銀ジョッキー。
不惑を迎えた現在、G1の頂きを目指し、奮闘する騎手人生、騎乗哲学を綴ります。
六甲ステークスのアバルラータ オープンでもやれる馬だと思います
2021/3/26(金)
まず土曜5Rのブレークアップは関東馬だけに中間の気配などはわかりませんが、前走も中京で好走してくれました。どちらかと言えば、馬場が荒れている方がよさそうな印象はあります。
ただ、先週の中京も3~4コーナーは非常に荒れており、直線は内も外も荒れていて、内が残りやすい特殊な馬場ですね。その前回は強い相手に健闘してくれましたよね。少しレース間隔が空いた分の影響さえなければ、引き続き期待できそうです。
日曜2Rのレイワプリンセスは前回が勝ちにいく競馬をした分、嫌気をさしてしまった印象。今回は馬のリズムを良くいきたいですね。距離自体、短くなることはプラスだと思いますし、あとは枠が外の方がいいですね。
3Rのネクサスハートはダート替わりが良さそうです。全兄のエブリワンブラックには調教で乗せていただいたこともありますが、あの馬は晩成傾向の感があって、こちらも同じようなところがありますね。本当に良くなるのはもう少し先かもしれませんが、ブリンカー効果にも期待です。
5Rのラインマンは北海道での印象なら未勝利はやれていいもの。あとは距離が未知数なのと、当時からどれだけ成長しているでしょうか。
六甲ステークスのアバルラータはオープンに上がってからがひと息。しかし、2走前に乗せていただいた時に「オープンでもやれるな」という手応えがありました。良い切れ味があるだけに、日曜の天気予報は気がかりですが、マイルの距離に戻って改めて期待したいところです。
先週も特に日曜は雨・風が酷かったですね。中京で乗せていただいたアイワナビリーヴは返し馬で良い感触があっただけに、全くと言っていいほど馬場が合わなかったのは残念でした。
その先週、土曜の阪神ではユタカさん(武豊騎手)がゲートの中で骨折。その10R当時、同じレースには僕も乗っていましたが、気づかなかったものの、最終が終わったら松葉杖をついていられたので、後になってケガをされたと耳にしました。
競馬ではゲートの中でのアクシデントはつき物ですね。暴れる馬になってしまうと、あの狭い空間ですから逃げようがありません。今回は骨折ということで明るみになりましたが、僕も病院にはいっていないけど、ゲートでケガをしたり、痛みが続くようなケースは多々。ジョッキーなら誰でもありそうなものです。
昔には薬指と中指の間を裂傷したりして、縫ったこともあったな……。とはいえ、レース中のことを思うとブーツを硬くしたりとはできないだけに、レースに挑むにあたり、気を付けなくてはいけないポイントではあります。
プロフィール
柴山 雄一 - Yuichi Shibayama
1978年2月19日生まれ、大阪府出身。
1998年に笠松競馬でデビュー。2004年にJRA騎手免許試験を受験したが、それまでに地方競馬からJRA移籍を果たした安藤勝己元騎手らとは異なり、筆記試験の一次試験から挑戦。猛勉強の甲斐もあり、一発合格。4人目の移籍騎手となった。
JRA移籍初年度は80勝をマークする大活躍をみせるも、一時は成績が落ち込み、2009年には年間14勝に留まった。しかし、近年は巻き返しの狼煙をみせ、2015年は72勝。6年ぶりの重賞制覇を成し遂げた返り咲きジョッキー。