初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『ここが正念場』
2020/11/19(木)
待ちに待った大物が休養をへて競馬場へと戻ってきました。その名もキッド、ダノンザキッドです。東京スポーツ杯2歳ステークス(G3)に出走予定です。とまあ僕がどうこう言わずとも充分話題になっているので詳細は省きますが、とにかく新馬の勝ちっぷりがすごかった。同じレースの2着馬がその後レコード勝ちの圧勝でさらに評価が高まりましたが、今年の新馬戦すべての中でも一、二を争う強い勝ちっぷりだったといって良いでしょう。
そんな強い勝ち方をすればその次も、さらには年末の大きいところ、さらには来年のクラシックもと期待は広がっていきます。この一戦は先々を見据えても大事なレースとなることでしょう。是非強い勝ち方を希望します。
そしてもう一頭、我が愛馬アウィルアウェイ。スプリンターズSの3着を経て距離延長しマイルチャンピオンシップ(G1)へと駒を進めます。スプリンターズSの覇者グランアレグリア、そして毎日王冠を完勝しここへ駒を進めてきたサリオス。去年の覇者でありアウィルアウェイの兄でもあるインディチャンプと強豪ぞろいのレースとなります。
こここそが成長力のあるジャスタウェイの血が開花するのにふさわしい舞台かと思われます。ここまで産駒にG1勝ちがないという現状を鑑みればここは正念場といってよいでしょう。ここで結果を出すことができれば彼女にとっても来年への展望も大きく開けていくことでしょう。是非、アウィルアウェイにはここで結果を残してほしい。
コロナウィルスの影響でいろいろなことが変わってしまいました。今年に入って人生の数少ない楽しみだった酒の席も大幅に減ってしまいました。いつまで続くかわからない自粛生活の中、嫌なこともあればよいこともありました。
今年こそは北海道へ行き自身の所有馬に会いにいければと思っていましたが、今現在の状況ではそれも難しいでしょう。現役の愛馬達が相次いで故障し、一口の馬たちもケガに泣いたり苦戦していたりと結果がでない状況です。馬関係がなかなかうまくいっていないのが現状ですが、なんとかここらへんで大きな喜びをゲットしたいと願っています。
世の中的には今年のクライマックスは来週のジャパンカップかもしれませんが、僕個人として言わせてもらえばそれにまさるとも劣らない週末となりそうです。せっかくなんで日曜、月曜と久しぶりに馬券でも勝負したいと思っていたりいなかったり、すべては君たちにかかっています。
頼むぞ!アウィルアウェイ、頼むぞ!ダノンザキッド!
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。