初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『ジェニファー次走』
2017/11/1(水)
皆さんこんにちはライター大和屋です。先日の我が愛馬達の惨敗っぷりに筆をとる気もおきないくらいのショックを受けた僕でしたが、ようやく気持ちも落ち着いてきたのでコラムの更新をしようと思います。
先日の土日の競馬、日本列島に台風が直撃し雨雨雨の一週間だったといっていいほどの週末でした。土曜日は雨はかろうじて雨は降ってはいませんでしたが、厚い雲が空を覆っておりました。どちらもなかなかの手応えを感じていたのですが、結果から言うとどちらも惨敗。
イイナヅケ(牝4、美浦・尾形和厩舎)は距離が長かったのではないかとのこと。1800mの連対経験もあるので鵜呑みにするわけにはいきませんが、笠松での近走が短いところばかりだったので短いほうがよくなっているのかもしれません。
一方マダムジェニファー(牝2、栗東・須貝尚厩舎)のほうは馬場が堪えたのではないかとのこと。スタートも上手にこなし良い位置をとったかのように見えましたが……。どちらもスタート良く飛び出すと、無理なく好位をとれたように見えました。しかし向こう正面、そして3、4コーナーにいたるころにはいつの間にか後方に下がってしまうという同じレースを見ているかの展開に、肩を落として家路に向かったことは言うまでもありません。
とはいえどちらもレース後、馬に異常なしとのこと。イイナヅケの次走は11月の下旬、距離を短縮して府中の1400mに出られるようだったらそこを目標に、だめなら中京を使う予定でいるそうです。一度外厩に出して調整し、万全の体制を整え次走に向かいます。
尾形調教師曰く、津村騎手はイイナヅケに対して素質はある、とコメントしてくれているし、普段の調教タイムを見ていても、もっとやれるはずだと思ってくれているそうです。距離を短くして結果がついてきてくれることを願っております。
そしてマダムジェニファー、ああいう天気でしたので仕方ないとは思いつつ、レース直前までは一番人気だった馬、せめて優先出走権を確保してほしかったと思って落ち込んでいた矢先、須貝調教師から連絡がありました。
今週末の牝馬限定の未勝利戦、出走頭数がフルゲートに満たないとのことで出走しようかと思うとのこと。敗因は馬場だったと断言している中、良馬場ならもっとやれるとのことです。鞍上は戸崎騎手になるとのこと。期待していいのではないでしょうか?僕も期待しています。
というわけでどちらも次走に期待ということですね。そんな傷心の新潟遠征でしたが、食べ物は今までで一番美味しいと思えましたので、ここに報告したいと思います。
まずは蕎麦屋に入ったのですが、そこで食べたブリがエッジがきいていてとても美味でした。ほかにものっぺに栃尾の油揚げ、さらには蕎麦屋に来たからには新潟名物へぎそばもいただきました。へぎそばというのは海藻を蕎麦にねりこんでいるそうです。丁寧に、そして盛大に盛られた蕎麦を皆で食べます。おいしかったです。
そして今回の旅のハイライトともいうべきメニュー、麻婆麺がこちらです。
新潟名物といえばこんなものも見つけました。ルマンドアイスです。モナカアイスの中にルマンドをぶち込んだという代物、なぜ新潟名物なのかまったく理解できないでいましたが、新潟の工場でルマンドを作っているそうです。アイスマニア協会の会員の僕としては、桃太郎に続いて見逃せないアイスが登場したと言わなければなりません。
土曜、日曜と結果的に残念会となった食事ですが、今回僕が感じたことで何よりすごいと思ったのは、新潟の銘酒がどこのお店にいってもかなりお安く頂けること。
緑川、景虎、久保田、などなど、こちらで飲むと結構な値段がするであろうお酒達が、リーズナブルな値段でいただけることに改めて驚いてしまいました。下手すると東京の半額ですよ奥さん!いやあほんと、日本酒っておいしいですね。負けた勢いもあってか、かなり飲みすぎちゃいました。
というわけで結果はともないませんでしたが、新潟旅行を楽しんでまいりました。次走はどちらも東京ということなので、ついでに旅行というわけにはいきませんが、次走こそは結果を出してくれることを期待しております。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。