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騎手コラム

過去10年攻略データ

3歳クラシックレース第1弾となる桜花賞。コース改修がなされた2007年以前は、トリッキーなおむすび型コースで外枠が不利なフルゲート18頭、加えて『魔の桜花賞ペース』と呼ばれる激しい先行争いで器用さが求められるレースだったが、コース改修後は枠の有利不利が少なくなり、馬の能力がストレートに反映されるレースが多くなった。
今年の焦点は無敗のルージュバック、キャットコイン、重賞2勝のココロノアイといった近年希に見るハイレベルの関東馬に対して、迎え撃つクイーンズリング、レッツゴードンキら地元関西馬がどういった走りを見せるのか。データの決断は関東馬?関西馬?

やはりチューリップ賞が重要も、意外なステップが…

過去10年、20頭の連対馬のうち、チューリップ賞から参戦した馬が6勝、2着3回、3着4回。出走馬多いこともあるが、本番と同じ条件で行われるチューリップ賞が重要なステップレースであることは間違いない。
同じ桜花賞トライアルでもフィリーズレビューとアネモネSは不振。前者は2頭の勝ち馬を輩出しているが、多くは1F延長の壁に泣いている。後者は出走馬のレベルが低く、08年の3着馬ソーマジックが最高。頭数は少ないが、1週後に組まれている重賞のフラワーC組の方が連対率、複勝率は高い。
消耗度合いが少ないのが幸いしているのか、レース間隔が開いているのもマイナスとはならず、エルフィンS、クイーンCからの直行組も成績は悪くない。これは意外な盲点といえよう。

       
前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
チューリップ賞 (6-3-4-28) 14.6% 22.0% 31.7%
フィリーズR (2-0-2-51) 3.6% 3.6% 7.3%
フラワーC (1-2-1-9) 7.7% 23.1% 30.8%
エルフィンS (1-1-0-2) 25.0% 50.0% 50.0%
クイーンC(0-3-2-14) 15.8% 26.3%
阪神JF (0-1-0-2) 33.3% 33.3%
アネモネS (0-0-1-23) 4.2%

間隔別成績 前走着順別成績 キャリア別成績
間隔 着別度数 前走着順 着別度数 キャリア 着別度数
中1週 0-0-1-1 1着 5-8-4-36 2戦 0-1-0-2
中2週 1-2-0-22 2着 2-0-3-34 3戦 1-2-0-10
中3週 2-0-3-71 3着 2-0-1-20 4戦 6-3-2-24
中4~8週 7-7-6-47 4着 1-0-0-7 5戦 2-1-3-34
中9~24週 0-1-0-7 5着 0-0-1-10 6戦 1-2-4-38
半年以上 0-0-0-1 6~9着 0-2-1-19 7戦~ 0-1-1-41
    10着~ 0-0-0-23    

過去10年注目データ

★勝ち馬に関しては前走が全て4着以内。大敗から巻き返して桜の女王となった馬は過去10年にはいない。特筆すべきは2着馬のうち、実に8頭が前走1着馬。連軸を選ぶには打って付けのデータが出ている。
また、過去10年、前走10着以下から巻き返してきた馬もいない。どのレースにも言えることではあるが、近走の勢いは重要だ。

★連対馬で最も多いキャリアは08年の2着馬エフティマイア。キャリア7戦の06年3着馬コイウタを除くと馬券圏内に入った馬は6戦以下。
勝ち馬は3~6戦のキャリアで収まっており、5戦目に桜花賞を迎える馬の成績が最もいい。

★乗り替わりで勝ったのは過去10年で2頭。これだけを見ると乗り替わりは不利に思えるが、2~3着は互角。複勝率は乗り替わりの方が高くなっている。
乗り替わりで連対しているジョッキーは外国人ジョッキー、地方所属ジョッキー、地方出身ジョッキーで、生え抜きのJRAジョッキーへの乗り替わりはマイナス。

★過去10年、ハナを切ってそのまま逃げ切った馬はゼロ。逃げ馬にはかなり厳しいデータが出ている。
好位から進めた馬は3勝。今の時点でその後を占うのは難しいが、勝った3頭はラインクラフト、ダイワスカーレット、アパパネで、桜花賞後、更にG1勝ちを積み上げている。先行馬を狙うなら完成度が高いと思われる馬、もしくは相当な奥がありそうな馬を選びたい。
新コースに替わって内外の有利、不利が少なくなり、直線が長くなったことで後方からジックリとレースを進める馬が近年は優勢。昨年のハープスターは最後方からの差し切り。それは極端としても、直線だけで10頭以上をぶっこ抜くというシーンも珍しくなくなってきた。

★枠番別過去10年では面白い傾向が出ていて、1~3枠の連対はゼロ。07年3着のカタマチボタンが唯一の馬券対象となっている。また、6枠も2着1回、3着3回があるが、勝ち馬はいない。
馬番別では⑨と大外⑱が2勝ずつ。①~⑥と⑪⑬が連対ゼロ。かつては圧倒的に不利だった大外⑱番は2勝、2着2回と近10年のラッキーナンバーとなっている。

★この時期の牝馬としては標準的な440~459キロの馬が4勝、2着3回、3着4回と数では目立つところ。ただ出走頭数も多いため、アベレージでは抜けた数字ではない。
急坂があってパワーも必要なのか480~499キロのちょっと大きめの馬が3勝。一方で440キロ以下の小柄な馬も度々上位に来ている。
過去10年、出走頭数が少ないが、500キロを超える馬、400キロを切る馬の馬券圏内突入はない。
前走比はプラスは8キロまで、10キロを超えるマイナス体重は13年の勝ち馬アユサンのような上位入線馬もいるが、基本的には割引が必要となる。
ちなみに前走の増減を見ると、10キロ以上減らした馬が本番で好走したのは一昨年2着のレッドリヴェールのみ。このパターンにあてはまる馬は過去10年11頭いた。前走マイナス20キロだったクイーンズリングにとっては気になるデータだ。

★瞬発力勝負では右に出る者がいないディープインパクト産駒が初年度産駒から4連覇。一昨年は出走馬2頭でワンツー。昨年は圧倒的1番人気に支持されていたとはいえ、唯一の出走馬だったハープスターが1着と驚異的な適性の高さを示している。5連覇となれば、現在タイとなっているパーソロン産駒のオークス4連覇、サンデーサイレンス産駒の有馬記念4連覇を抜いてトップとなる。
無敗でここに挑むルージュバックとクイーンズリングの父マンハッタンカフェ産駒は勝鞍こそないが、3頭が出走して2、3着が1度ずつと、こちらも上々の成績。レッツゴードンキの父キングカメハメハは3年ぶりの産駒出走で、2010年には4頭が出走して1、3、4着と3頭が掲示板に載る活躍を見せている。

★2012年以降、阪神の芝1600mで最も多くの勝鞍を挙げているのは浜中騎手の20勝。2着も22回あって、連対率37.2%はかなりのハイアベレージ。次いで川田騎手が17勝、福永騎手が10勝と2ケタ勝利は以上の3名。今年JRAの免許を取得したM.デムーロ騎手は20回の騎乗機会で4勝、戸崎騎手も18回の騎乗機会で4勝と高い勝率を誇っている。

★過去、無敗で桜花賞を制した馬は6頭。今年はルージュバック、キャットコイン、クイーンズリングの3頭がいずれも3戦全勝で本番へ。史上7頭目となる無敗での桜の女王を目指す。

過去10年のデータ

コースデータ

プラスαデータ

数字的にはまだまだ関西優勢

関西馬 (7-8-5-85)
関東馬 (3-2-5-63)

『栗東留学』という言葉も生まれたように、栗東に長期滞在した関東馬の活躍もあるのだが、数字的にはまだまだ関西馬が優勢。連対率では大きな差が出ている。
騎手別では過去10年で安藤勝己元騎手が4勝。他に複数回勝ったジョッキーはおらず、2度連対したのは2着2回の四位騎手1人。福永騎手が1勝、3着3回、岩田騎手が1勝、3着2着と複数回の上位入線を果たしている。

1~2番人気の信頼度は高い

1番人気と2番人気はほぼ同じ数字。基本的にはこの2頭を中心に馬券を組むのがベター。3~4番人気は信頼度が落ちる。
6番人気以下で3着に入った9頭のうち、08年2着のエフティマイア、13年3着プリンセスジャックを除く7頭は前走3着以内。穴は不当な人気落ちとなっている前走好走馬か。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 (3-4-0-3) 30.0% 70.0% 70.0%
2番人気 (3-3-0-4) 30.0% 60.0% 60.0%
3番人気 (1-1-1-7) 10.0% 20.0% 30.0%
4番人気 (0-1-1-8) 10.0% 20.0%
5番人気 (0-0-4-6) 40.0%
6~9番人気 (2-0-1-37) 5.0% 5.0% 7.5%
10番人気以下 (1-1-3-84) 1.1% 2.2% 5.6%

データの決断

近年希に見るハイレベルといわれる今年の桜花賞。トライアル戦線は関東馬がリードし、とりわけルージュバックは牡馬相手にきさらぎ賞を快勝。その瞬発力は『超大物』との評価もある。データ面も申し分なく、これが中心でいいのだろうが、1頭非常に気になるのが、アンドリエッテ。父はこのレース4連覇中のディープインパクト。この馬もデビューから父譲りの瞬発力を見せており、チューリップ賞2着からの逆転もあると見るのだが……。
他の有力候補として無敗で重賞を勝っているクイーンズリング、キャットコイン、強力な決め手を持つココロノアイ、穴は前走負け過ぎの感も、素材は確かなディープインパクト産駒のクルミナルを挙げたい。