新規会員登録

SNS&Event

PR

騎手コラム

こんばんは。狩野(かの)雄太です。先週のチャンピオンズCは「うまうまPOINT1」で挙げた【先行、内枠、上がり上位】で決着しました。レースの特徴から「内から差せる馬」を加えて予想を組み立てましたが、結果はコース傾向どおり。何事も基本は大事ですね。

今週のメニューは阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)が行われる阪神芝1600mです。ちなみに来週の朝日杯フューチュリティSも同コースなので、ポイントを2週に分けてお送りしたいと思います。

阪神競馬場

上がり1~2位 & 人気薄の逃げ馬

スタートしてから直線が続き、外回りでコーナー半径も大きいので、スローペースになりやすいコースです。最後の直線は474mと長く、最後に上り坂があります。いかにも傾向がハッキリしそうな形状ですね。では、2016年以降に行われた85レースの上がり3F順位別の成績を見てください。

◆レース上がり3F順位別成績
1位 [33-28-14-28] 32.0% 59.2% 72.8%
2位 [22-14-11-44] 24.2% 39.6% 51.6%
3位 [ 6-12-20-63] 5.9% 17.8% 37.6%
(左から着度数、勝率、連対率、複勝率)

やっぱり上がり1位が断然です。順位が下がるにつれて成績も落ちていきます。今開催の2歳未勝利戦では勝ち馬の上がりが33.8秒と速く、レース上がり上位の3頭で決着しました。前走での上がりも、以下のように1~3位を出していた馬が安定した成績を残しています。

◆前走上がり3F順位別成績
1位 [10-15-14-90] 7.8% 19.4% 30.2%
2位 [10- 6- 8-70] 10.6% 17.0% 25.5%
3位 [18- 9-10-59] 18.8% 28.1% 38.5%
(左から着度数、勝率、連対率、複勝率)

もちろん速い上がりを使える馬を最優先に狙っていきたいところですが、今回は早めに"スパイス"を入れます。「スローペースの上がり勝負」というイメージがついているからこそ、人気薄の逃げ馬が激走します。単勝回収値741、複勝回収値212という数字が出ており、常に警戒しておいたほうがいいでしょう。

今週、阪神芝1600mで行われるのは阪神ジュベナイルFを含めて3鞍。土曜12R・3歳上1000万下で近走メンバー上位の上がりを出しているのは②ショウボート、⑤エンヴァール、⑦デリスモア土曜11R・リゲルSは重賞でもおかしくないような好メンバーが揃いましたね。メンバー上位の上がりを出す可能性が高いのは⑧サトノアーサーと⑬ブラックムーン。控える競馬で凡走している⑥ボンセルヴィーソは、逃げればしぶとさを発揮するでしょう。

2走前に1600m以上で連対

ここからは阪神ジュベナイルFの穴馬を見つけていきます。2012年以降で馬券に絡んだ15頭のうち、5番人気以下だったのは7頭。この馬たちが好走した材料を探すと、ある共通点が出てきましたよ!以下の4頭は、2走前に1600m以上のレースでメンバー上位の上がりを出して連対していました。

●2012年1着 ローブティサージュ(5人気)
新馬(函館1800)1着⇒ファンタジーS(京都1400)2着

●2013年3着 フォーエバーモア(8人気)
新馬(新潟1600)1着⇒サフラン賞(東京1400)1着

●2014年1着 ショウナンアデラ(5人気)
未勝利(東京1600)1着⇒からまつ賞(東京1400)1着

●2015年2着 ウインファビラス(10人気)
新潟2歳S(新潟1600)2着⇒アルテミスS(東京1600)5着

阪神ジュベナイルFは"前走1400mを使った馬は不利"という説が流れていますから、人気がないんですよね。ちなみに前走1400mで馬券に絡んだのは6頭もいます。そのうち4頭が前走4コーナー3番手以内の逃げ・先行馬。今年「1600m以上⇒1400m」のローテーションで人気を落としそうなのは⑰コーディエライト。2走前の新潟2歳Sは逃げてメンバー4位の上がり33.1秒で2着でした。スピードは最上位ですし、前走よりマークが薄くなったところで粘り込みがありますよ。最終結論は9日(土)に公開します。お楽しみに!

☆今週のうま馬リスト☆

  • ◆土曜11R・リゲルS
    ⑥ボンセルヴィーソ、⑬ブラックムーン

  • ◆土曜12R・3歳上1000万下
    ②ショウボート、⑦デリスモア

  • ◆日曜11R・阪神ジュベナイルF
    ⑰コーディエライト

※「うま馬リスト」では、ポイントに合致していても1、2番人気が確実な馬は除外しています。


狩野の阪神ジュベナイルF結論

◎ ⑱ロックディスタウン
○ ⑰コーディエライト
▲ ⑪ラッキーライラック
☆ ②ラテュロス
△ ⑦リリーノーブル
△ ④マウレア
△ ⑧トーセンブレス
△ ⑫ソシアルクラブ

近年の上位馬は、翌年のクラシックや古馬になってからも重賞で活躍する馬ばかりですよね。その理由は、直線の長いコース形態と前半3Fのペースにあります。2歳戦なので1200mや1400mを先行して押し切ってきたスピードタイプが多く出走してくるので、前半3Fの通過は34秒台がほとんど。マイル戦としてはどの馬も経験していない流れでタフなレースになるので底力が問われ、1800m以上で連対実績のある馬が有利になります。

ロックディスタウンは1800mで2連勝。新馬戦は直線の長い新潟、前走は小回りで洋芝の札幌と、まったく違う特徴のコースで牡馬相手に勝ちきった点は大きいです。レースぶりを見る限り、外回りでさらにパフォーマンスを上げるでしょう。

最後の"隠し味"を投入します。先ほども書いたように前半が流れることが多いため、レース上がりは34秒台中盤~後半。前走で好位~中団あたりから上がりの速い馬に切れ味で負けているようなタイプが来ています。逆に言えば、スローペースで上がり33秒台前半~中盤の脚を使っていた後方待機組は危険ということです。

ラテュロスは前走アルテミスSで、勝った▲ラッキーライラックと並んだ3、4番手を進みながらエンジンの掛かりが遅く3着。ラストの切れ味比べになりにくい今回のほうが舞台適性は高いですよ。