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騎手コラム

過去10年・トレンドジャッジ

まだ中京では3回だけ、血統傾向皆無の難解なレース。他のデータを探ると、この3回、すべて前年の3,4着馬が勝利を飾るという珍現象が続いている。偶然とも言い切れないのは、ダート中距離の頂上決戦ともなると、かなりパワーとスタミナを要求されるので、経験値が必要となるのかもしれない。

ローテーション的には、阪神時代からずっと、前走JBCクラシック組が最低1頭は馬券圏に入っており、過去10年で例外は1回だけ。このレース以外のステップの偏りはない。

阪神時代から通算しても、年齢面ではなぜか4歳が不振。3歳はヒモまでとなっている。

中京では前年善戦馬が巻き返し勝利
前走JBCクラシック組が安定して馬券圏内に
4歳馬不振、3歳馬はヒモまで

過去10年・連対馬血統

年月日 馬場状態 馬名 種牡馬 母父馬
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
稍重 1
2
1
2
1
2
1
2

今年のポイントは?

前年の覇者サウンドトゥルーが万全の臨戦過程で臨んでくる。去年よりスケールアップは明らかで、連覇なるか。

前走1200mからとなる異例のステップとなったコパノリッキーの扱い。

上がり馬テイエムジンソクの勢いはここでも通用するか。

なお当日は水曜時点で良馬場の見込み。

有力馬・血統MMチャート

アウォーディー 8点

(牡7、栗東・松永幹厩舎)


去年のこのレースでは9点を与えた。父ジャングルポケットが今や完全にパワーに特化しており、また半弟ラニも含めて今やダート馬の母として確立したヘヴンリーロマンスがサドラーズウェルズのパワーだけを伝えている状況から、加齢とともに軽さが全く消えてきている。そのためか勝ち切れなさが目立ってきた。3着以内の可能性は高そうだが、勝ち切れるかは微妙。

ケイティブレイブ 7点

(牡4、栗東・目野厩舎)


逃げてはいるが本質的にはスピード馬ではない。ハナにこだわらず、また砂を被っても問題ないので、1800mへの短縮でハナを切れなくても大きなマイナスにはならないだろうが、2000mほど信頼はできないことは織り込むべきだろう。この馬のダート資質は、ビーマイナカヤマを出した牝系に依る部分が大きいのだが、サクラローレル×ビーマイゲストという超スタミナ配合の母からスタミナを相当強く受けているのだろう。中央のG1ともなると、ダートでもある程度スピードは必要で、その点で不安は残る。

コパノリッキー 7点

(牡7、栗東・村山厩舎)


母はコパノチャーリーなどを出していて、一本調子の走りをする馬が多い一族だ。2000mでも大きいところを勝ってはいるが、昨秋以降、1800m以上で3走し、5着が最高となっているのは気になる。高齢になり、短距離指向が強まっている恐れもあり、過信できない。

サウンドトゥルー 9点

(セ7、美浦・高木登厩舎)


去年は挑戦者の立場から、今年は迎え撃つ王者に替わった。近走崩れたのはマイルのフェブラリーSのみ。みやこSで人気薄で2着激走のルールソヴァールは全弟で、勢いのある牝系でもある。大きな弱点はないが、勝ち切るためにはできれば内目の枠が欲しい。外枠だとやや折り合いを欠くシーンもある。

テイエムジンソク 7点

(牡5、栗東・木原厩舎)


クロフネ産駒のJRAダート重賞勝ち馬として史上2頭目。ただ、不安点はいくつかあって、5月以降休みなく使われ続けていること、さらに初の左回りとなること。一般の重賞ならともかく、この頂上決戦で初の経験となるのはやはり割引だ。牝系は遠縁にハーツクライやミッキーアイル、アエロリットらがいる一流のもので、ポテンシャルはとても高い。この血が強く出ていれば、先の不安点を杞憂に終わらせるだけのポテンシャルを持つが……。

ロンドンタウン 6点

(牡4、栗東・牧田厩舎)


正直なところ、前走の韓国戦はノーカウントでいいだろう。初の環境でもへこたれないメンタルを評価するくらい。改めて戦績を見ると、小回り向きの印象は強い。また母方はやや距離指向が短めで、この相手まで上がると1800mも不安だ。

伏兵馬・血統MMチャート

アポロケンタッキー 7点

(牡5、栗東・山内厩舎)


父ラングフールが、ニアークティックの3×3というかなりの近親交配だからか、気性面の危うさを抱えているが、ツボにはまればまとめて負かせるだけの力がある。母はミスプロ、ボールドルーラー、デピュティミニスターとダートの大父系がすべて入っていて、スケールが大きい。去年は外枠で出遅れ、なし崩しに脚を使わされて終わったがそれでも5着。スピードに乗るまでに時間がかかるので外枠ベターだが、壁も作りたいので大外よりは6,7枠あたりが欲しいところ。

カフジテイク 7点

(牡5、栗東・湯窪厩舎)


直線一本に賭けるしかない競馬。1800mなら距離不安もあるのでなおさらだ。去年も差のない4着だし、展開がハマればアタマに届く可能性もある。仕掛けどころが難しいので、ルメールがどこでエンジンを入れるかも興味深いところだが、やはり展開待ちではG1では重い印は打ちづらい。

ゴールドドリーム 5点

(牡4、栗東・平田厩舎)


戦績を見ると、東京のマイルしか走らないという決めつけも無理筋ではないような感じがする。距離も母の母方が短距離指向で、1800mも疑問だ。

ノンコノユメ 7点

(セ5、美浦・加藤征厩舎)


ハーツクライの近親で、テイエムジンソクとは同族になる。去勢してかつての破壊力が減少した印象はぬぐえなかったが、前走は9ヶ月ぶりながら久々にこの馬らしい切れを見せてくれた。手術から時間がたち、ようやくホルモンバランスが落ち着いてきたのだろう。真に去勢効果があったかどうかは今回で分かるはずで、ある意味ここが試金石。コース適性自体は、3歳時に2着しているから不問だ。

ミツバ 6点

(牡5、栗東・加用厩舎)


ハナにはこだわらないが、近走はやはり前に行った方が結果がいいようだ。カネヒキリ産駒は今のところ父のような器用さに欠け、一本調子の走りをするタイプが多いのだがこの馬もそうだ。近親にスターリングローズがいる良血で、スケール自体はあるのだが、中央のG1ともなるとややパワー不足か。

メイショウスミトモ 8点

(牡6、栗東・南井厩舎)


兄にロングプライド、近親にウイングアローがいるというダートの良血だ。ゴールドアリュール産駒がダートで大成するには母方の下支えが必要なのだが、このバックアップは実に力強い。母父アジュディケーティング、さらにミスターシービーやネヴァービートなども3代以内に見える古い血統。厳しい流れになれば穴目で面白い1頭。

モルトベーネ 6点

(牡5、栗東・松永昌厩舎)


ここ2走は崩れているが、シリウスSは5ヶ月ぶり、みやこSは内枠で窮屈なレースをしいられてのもので、敗因ははっきりしている。先行して持続力が長い脚を使える馬で、混戦向き。東海S2着からコース適性ははっきりしており、人気がなければ押さえておくのがいいだろう。

チャンピオンズC

軸馬としては、やはりサウンドトゥルーが最も信頼できそうだ。ただし勝ち切れるかというと微妙な点も。アウォーディーも良いのだがアタマなしのイメージか。穴として押さえたいのは去年も穴指名したアポロケンタッキー、そしてメイショウスミトモ、モルトベーネあたり。
※上記はあくまでも水曜時点の見解。枠順はもちろん直前の馬場傾向なども踏まえた最終結論は、レース前夜に【血統トレジャーハンティング】にて公開します。