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騎手コラム

過去10年・トレンドジャッジ

3歳馬はこの10年で31頭が出走し、3着が1回あるだけだ。特に2011年以降は壁が厚くなっており、桜花賞馬、NHKマイルC馬、3歳にして安田記念を制したリアルインパクトなどGⅠ馬計6頭がチャレンジしたが、ことごとくはね返されている。
また7歳以上は20頭出走し、カンパニーの1勝以外はすべて着外。基本的には4,5歳馬が中心になるレースだ。

現在の主要ステップは富士S組。近8年で6頭を馬券圏に送り込んでいる。ただし、もちろん例外はあるが、基本的には富士S3着以内馬をマークすればいい。またスワンS組は近10年で1勝・2着5回、3着1回と安定しているが勝ち切れなさが目立つ。

安田記念出走馬の場合は、安田記念での着順がむしろ悪い馬の方が好走し易い。安田記念で6着以下だった馬が巻き返して連対した例が6回ある。

血統傾向としては、目下5年連続でディープインパクト産駒が最低1頭は3着以内に入っている。また父が非サンデー系の馬が3着以内に入ったのは、12年以降ではグランプリボスとモーリスだけだ。基本的にサンデー系を軸に取るべきレース。

3歳馬に壁。4,5歳馬が中心
富士Sの3着以内を要マーク
安田記念6着以下から巻き返し注意
サンデー系を軸に取るべき

過去10年・連対馬血統

年月日 馬場状態 馬名 種牡馬 母父馬
1
2
1
2
1
2
1
2
稍重 1
2
稍重 1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2

今年のポイントは?

不振極まりない3歳から、今年は有力馬が多数出走してきた。かなり強力なデータだけに、今年はジンクスを破れるかどうか。
また今年は非サンデー系の有力馬が圧倒的に多い。このように過去の好走傾向に逆らう有力馬が多く、「ある程度」は例外を飲みこまないといけない年かもしれない。

今週からCコース。内目の馬場が硬くなっていたという先週までの馬場とは傾向が変わるかどうか。先週は走りやすい内を通った馬が優勢だったが、その部分が隠されるために、今度は馬場のどこが伸びるか、土曜の芝からチェックしておきたい。例年の傾向では、大外を回すと善戦止まりの気もするが……。

有力馬・血統MMチャート

エアスピネル 7点

(牡4、栗東・笹田厩舎)


基本的にマイラーではないという考えは一貫して変わっていない。ただ能力の高さでこなしているとみている。マイルではかなりのスローペースか道悪といった、速力を求められないケースでの好走がほとんどだ。今年はマルターズアポジーの逃げ方1つで締まった展開が予測され、意外ともたつく恐れは捨てきれない。血統面では非サンデー系ながら、母の父がサンデーだし、また京都外回りのマイルで走るキングカメハメハだけにあまり割り引かない。

イスラボニータ 8点

(牡6、美浦・栗田博厩舎)


すでにこのレースで3着、2着と結果を残しているので、適性は言うまでもない。Cコース替わりで内目が有利となりやすいので、レースの巧いこの馬に利が出るのだろう。レースを絞っているので、消耗が少ないのも大きい、今年も高評価が必要だろう。フジキセキ産駒もファイングレイン、サダムパテックと相性が良い。

サングレーザー 6点

(牡3、栗東・浅見厩舎)


前走は強さを見せたが、デムーロ弟のコース取りの決断と、底力を問われる馬場だったことも味方した。1600mで勝ち鞍がまだないのはやはりマイナスとなる。ディープインパクト産駒ではあるが、ヒモに入れるかどうかのレベルだろう。3歳でもあり、狙うなら来年か。

サトノアラジン 6点

(牡6、栗東・池江寿厩舎)


一昨年4着、去年5着。不利を受けた年もあるが、京都の芝では外回りでも間に合わない傾向が強い。さらに、適性が逆に近い安田記念を勝ってしまったこともマイナスに出そうだ。なお前走の大敗は大雨で片付きノーカウント。途中から流していたのでダメージもほとんどないだろう。外枠を引いた時に押さえに加えたい。

ペルシアンナイト 6点

(牡3、栗東・池江寿厩舎)


デムーロ兄騎乗と、このところの3歳馬の活躍も後押しして人気になりそうだが、ここまで高いパフォーマンスの裏付けがほとんどない。ハービンジャー産駒はあまりマイルのGⅠでは買いたくない。3歳でこの10年、唯一馬券になった(3着)ゴールスキーを叔父に持つという点だけがポイントで、買うにしても3着までか。

レッドファルクス 7点

(牡6、美浦・尾関厩舎)


安田記念でも差してきて3着。脚をタメにタメて、直線勝負に賭けたことが奏功したが、能力の高さを改めて裏付けた。マイルCSの方が、スプリント能力の高い馬が走りやすい舞台設定なので、安田記念以上が望める可能性がある。ご存じのように近親にスティンガーらがいる北米の異系牝系で、また母父にサンデーサイレンスを持つ分、非サンデーの欠点が緩和される。

伏兵馬・血統MMチャート

ガリバルディ 8点

(牡6、栗東・藤原英厩舎)


去年は大外枠17番に泣いた。差し馬の外枠では6着でも最高着順。半兄マルカシェンクは、京都金杯を完勝、関屋記念も制した純性マイラー血統で、母方には北米色が濃く、持続力勝負に強い。ディープインパクト産駒の好走傾向が後押しすれば、通じるレベルにある。内枠が欲しい。3枠以内なら8点、外枠なら1点引く。

グランシルク 6点

(牡5、美浦・戸田厩舎)


前走は個人的にも期待を懸けたが、道悪よりも、休みなく使われてきた反動が出たということだろう。これまでにない弾け方を見せた京成杯AHのあとに、体力を要する馬場になったことも大きい。まとまって休んでいないだけに、今回も厳しいとみた。

クルーガー 7点

(牡5、栗東・高野厩舎)


骨折で1年休み、復帰戦のマイラーズC大敗からまた半年空いた前走、富士Sは、順調さを欠き続けただけにほとんど無視していたのだが、3着に来たあたりが能力の高さだ。ドイツ牝系の底力で、サンデーが全く入っていないながらも適性の高さは認めざるを得ない。速い時計にも対応できるが、ハイペースで底力を問われる方がベター。

マルターズアポジー 8点

(牡5、美浦・堀井厩舎)


今時のJRA馬には珍しく、サンデーを全く入れずに、かつロベルトクロスとノーザンダンサークロスを持たせてスケールアップを図り、ストームキャット、ミスプロ、ボールドルーラーと北米主要血脈を全て持たせたという、血統表映えする馬だ。この馬の場合は細かいことがどうこうではなく、逃げてもつかもたないかだけ。引きつけずに飛ばした方がいい。粘れるだけの体力は十分にある。

レーヌミノル 5点

(牝3、栗東・本田厩舎)


オークス、ローズS、秋華賞と惨敗を続けて、このあとはマイル以下の路線に専念することになるのだろう。今回については、3回中距離戦を続けてきたために、テンのペースにもたつく恐れが大。来年の方が期待はできるのではないだろうか。

マイルCS

例年の傾向に目をつぶるなら、血統面での父サンデー系の部分だろう。今年は非サンデー系でも重視すべき年だ。危険な人気馬も実に多い。反面、軸馬も本当に選びにくい。複軸という意味ならイスラボニータ、レッドファルクス、勝つか消えるかという意味ならマルターズアポジーとなる。ぜひ入れておくべき穴馬は過去の傾向にハマりながらも人気のないガリバルディ、クルーガー。3着でも配当を上げてくれそうだ。
※上記はあくまでも水曜時点の見解。枠順はもちろん直前の馬場傾向なども踏まえた最終結論は、レース前夜に【血統トレジャーハンティング】にて公開します。

レース前日20時頃の公開をお楽しみに!