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騎手コラム

過去10年・トレンドジャッジ

2010年の1位入線・2位降着のブエナビスタを実質的な勝者と仮定すると、09年以降の8年間で牝馬が5勝。13年はワンツーしている。割り引く必要は全くない。
また日本の3歳馬は、4年前までは牡牝関係なく好走が目立っていた。ただ近3年は日本の3歳馬は7頭出走し、5着が1回あるだけ。

ステップ的に優勢なのは秋の天皇賞組。2011年以降の6年間で4勝、2着2回。ただし、天皇賞勝ち馬は2着2回、3着4回、9着1回となっており、勝ちがない。
逆に天皇賞4着以下の馬の勝利が4回あり、負け組の巻き返しの方が期待できる。
とはいうものの、去年は京都大賞典組がワンツーしており、ステップにあまり神経質になる必要はないのかもしれない。

なお6歳以上の連対はこの10年では、10年前のポップロック(6歳)だけとなる。3着なら7歳馬が2頭加わるが、基本的に3~5歳馬が優勢だ。

外国馬は過去10年でコンデュイットの4着が最高、掲示板も2回だけ。とても軸にはできない。

牝馬は互角、3歳馬は近年劣勢
天皇賞(秋)組の4着以下から巻き返し
基本的に3~5歳馬が優勢
外国馬は軸にはできない

過去10年・連対馬血統

年月日 馬場状態 馬名 種牡馬 母父馬
1
2
1
2
1
2
1
2
1
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1
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1
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2
1
2

今年のポイントは?

天候は曇りがちだが、なんとか良馬場で行える見込み。なお、東京芝は馬場の真ん中あたりからの差しに利が出てきた。

勝ちきれない天皇賞勝ち馬キタサンブラックが、ジンクスに挑む。出遅れても強い競馬ができた前走から、規格外と考えるべきかもしれないが果たして?

古馬最強のキタサンブラックと、3歳牡馬最強レイデオロ、女王のソウルスターリングが激突する。キタサン引退前に世代交代はあるのか?

外国馬は4頭参戦。ビッグタイトルホルダーこそいないが、粒は近年になく揃っている。果たしてウィジャボード以来11年ぶりの馬券圏内はあるか?

有力馬・血統MMチャート

キタサンブラック 9点

(牡5、栗東・清水久厩舎)


去年の勝ち馬、それも圧勝した勝ち馬に何もいうことはない。年齢面でも問題なし。唯一気になるのはやはり天皇賞勝ちの反動だ。普通の年でも勝ちはない秋天勝ち馬、極悪馬場での勝利とあって、なおさら心配は残る。歴史的名馬でジンクスを破る可能性はもちろん大きいが、あくまでここではデータ中心の見解となるので、その意味では絶対視できないということ。これを理由にマイナス1点だ。

サトノクラウン 7点

(牡5、美浦・堀厩舎)


底力に富んだ血統配合で、そのためか上がりが速い決着は苦手としている。できればペースは流れてほしい。冷静に戦績を眺めると、いつ走るかわからないところはあるが、直線が長く上りが速い決着で崩れやすいことだけは確かだ。デムーロ兄騎乗で過剰人気になるのも否めず、評価を落とした。

レイデオロ 8点

(牡3、美浦・藤沢和厩舎)


スローからの直線勝負になった場合の切れは証明済み。小回りの方が苦戦する傾向にあり、その意味で東京はベストコースだろう。ディープインパクト、ブラックタイドの近親という牝系も大きな後押し。キングマンボ系は意外と走れておらず、近10年で1勝(繰り上げのローズキングダム)、3着2回だけで実質勝っていないも同然というのは気になるが……。

シュヴァルグラン 7点

(牡5、栗東・友道厩舎)


道悪を見込んでいた去年は重視したが、スタミナと底力が武器なだけに、スローからの高速上がりになりそうな今年はどうも不安が残る。さらに、この2つが武器ゆえに勝ち身の遅さも強くなってきた。ハイペースの底力決着なら勝ちも見えるが、果たしてそんな流れになるかどうか。スイッチを入れるのが難しいだけに、テン乗りになるのも割引だ。ただし消耗度は少なく、ローテはバッチリだ。

伏兵馬・血統MMチャート

ソウルスターリング 9点

(牝3、美浦・藤沢和厩舎)


天皇賞で改めてこの馬の強さを思い知らされた。極悪馬場で積極的に立ち回り、直線では大外へ出されながら、歴戦の古馬が脱落していくなか、最後までバテなかった。もし良馬場ならアッと言わせるシーンもあったのではないか。血統は父がマイルから2000mで世界最強を2年張ったフランケル、母は北米女王で仏オークスも勝ったスタセリタ、世界のどこへ出してもトップを張れるもので、時計勝負にもスローにも対応できる強みがある。前走は天皇賞負け組のスイートスポットの着順でもあり、53キロなら高評価だ。不安は極悪馬場を踏ん張った反動だけ。

マカヒキ 7点

(牡4、栗東・友道厩舎)


凱旋門賞大敗から帰国後、もどかしい競馬が続くが、前走は極悪馬場で出色の伸びを見せ、毎日王冠までとは違う手ごたえを感じさせた。ダービー以来の東京2400、スローからの上がり勝負なら復活があっても驚けない。去年の3歳3強のうち1頭は引退、1頭はリタイア中という寂しい状況の中、孤軍奮闘を期待したい。

レインボーライン 6点

(牡4、栗東・浅見厩舎)


3歳で挑戦した去年は、道悪も見込んで高評価したが(雨の降りだしが遅れて小雨の良馬場だった)、今年はシュヴァルグランと同じ理由で少し厳しいのではないか。ただこの馬についてはいつも書くことだが、持続力がとても長く、脚が上がるシーンを見たことがない。3着あたりに入ることは常に想定したい。

サウンズオブアース 5点

(牡6、栗東・藤岡健厩舎)


去年の2着には驚かされた。ただ、その後はパッとしないレースが続く。年齢的にもそろそろ厳しくなってきたか。言わずと知れたシルバーコレクター、完調でも勝ちが見込みづらいだけに……。

イキートス 6点

(牡5、独・H.グリューシェル厩舎)


去年は地味ながら、上がり3F2位タイのタイムで、3着シュヴァルグランから0秒1差7着まで追い込んできた。父はサドラーズウェルズ直系で、ドイツ馬ではあるが、英国や仏国の要素もかなり入っている。ただ、そうはいっても日本の普通の良馬場になると切れが足らない。余裕があったら押さえる程度か。

ギニョール 7点

(牡5、独・J.カルヴァロ厩舎)


外国馬から推すならこの馬。現状ドイツ最強馬で、イキートスよりは明らかに強い。父はこのところ日本にも入ってきているケープクロス産駒で、産駒には欧州最強だったシーザスターズ、さらに目下JC最後の外国馬での3着以内となったウィジャボードがいる。前に行ける脚質もよく、勝ちはともかく、あわよくば3着のシーンは想定すべきだ。

ジャパンC

デキさえまともならキタサンブラックだと思うが、絶対視はしないというスタンスを取りたい。オッズも含めて最も軸として魅力があるのはソウルスターリング。牝馬であることがマイナスにならないレース、53キロ。オークスでの内容はジェンティルドンナ級であり、ならば勝ちを想定するのは無理筋ではない。
相手は手広く取りたいが、ドイツ最強馬ギニョールは何らかのかたちで馬券に組んでおきたい。
※上記はあくまでも水曜時点の見解。枠順はもちろん直前の馬場傾向なども踏まえた最終結論は、レース前夜に【血統トレジャーハンティング】にて公開します。

レース前日20時頃の公開をお楽しみに!