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騎手コラム

解析コースデータ

レースイメージ

コース総合見解
ダービー、オークス、ジャパンカップと、日本を代表する大レースが行われる舞台。2003年のリニューアルによって、スタート地点が坂の上りから平坦へ移動。そのため、以前よりも多少テンが速くなった。スタート後は、ゴール板を一度通過、コースを一周する。

“スローペースからの瞬発力勝負”というイメージが強い長距離戦だが、クラス、レースによっては緩みのない淡々としたラップで流れることも。平均を取ってみると、2000mよりも上がりがかかっており、瞬発力だけではなく、スタミナも併せ持っていることが好走の条件と言える。

ここからは過去10年の数字を参考に。

★過去10年の前後半5Fずつのラップ平均は「60.6-58.7秒」と2秒近くの後傾型ラップをマーク。今年は日本馬の中に確固たる逃げ馬が不在。海外馬イトウが逃げの手に出るとの話もあるが、ひとまずスローペース想定で良いのでは。

★逃げ馬は過去10年でなんと3着以内すらない状況。一方で極端な追い込みも利きづらく、勝ち馬は4~10番手以内の馬という共通点がある。スローも相まって好位~中団から脚を伸ばせる馬を。上がり1~3位の馬の成績をまとめると(7-7-7-12)と複勝率63.6%。

★今週は天候が怪しく、水曜夜~木曜午前はかなりの雨に見舞われている状況。週末には回復途上での競馬が予想されるが、東京競馬場はとにかく「内から乾く」。すなわち極端な内有利になる可能性を孕んでいる。2週前の日曜東京午後を思い出せ。乾ききれば内外互角。

★完全に余談だが、今年の凱旋門賞デーのロンシャンは相当な高速馬場で行われており、日本と計測方法の違いこそあれ、芝1400mのGI・フォレ賞で1分17秒05というおよそ信じられないような時計が出ている。スローからの前残り決着の中で5着と健闘したイラプトはひょっとすると、日本の馬場への適性がある可能性も?

コースデータPOINT

今年はスローペース濃厚
好位~中団から速い上がりを使える馬を
重馬場からの回復度合いには特に注意

       
前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
天皇賞(秋) (5-6-7-45) 7.9% 17.5% 28.6%
凱旋門賞 (1-2-1-10) 7.1% 21.4% 28.6%
菊花賞 (1-1-0-10) 8.3% 16.7% 16.7%
秋華賞 (1-0-1-0) 50.0% 50.0% 100%
AR共和国杯(1-0-0-11) 8.3% 8.3% 8.3%
英チャンピオンS (1-0-0-0) 100% 100% 100%
エリザベス女王杯 (0-1-0-5) 16.7% 16.7%
BC F&Mターフ (0-0-1-1) 50.0%

分析ステップレース

ステップレース part.01

8/23(日) 札幌記念(G2)
勝ち馬:ディサイファ
勝ちタイム:1:59.0(良)
※ランクはS.A.B.Cの4段階になります。

コーナーの趣旨を飛ばして申し訳ないが、ヒットザターゲットの存在をピックアップしたいが故の札幌記念振り返り。4F目から常に「11.9~12.1」の間のラップを刻み続けた持続戦。これを4角12番手、直線ではやや強引に外に出して捌いてきたが惜しくも届かずの2着となった。

基本的な好走パターンはスローペースから、コーナーでペースが上がったところを内々でロスなく立ち回り、直線でズドンの形。それだけに内枠を引くことが最低条件であり、かつスローペースになった方が良い。そういう意味では確固たる逃げ馬不在の今年は若干チャンスあり。加えて平均ペースを後方から回り、直線だけで突っ込んできた前走からも、ここにきての成長を感じさせられる一頭ではある。

ただしこの馬が好走するのは軒並み「内枠」を引いた時。13番枠はどう考えてもマイナス。


ステップレース part.02

10/18(日) 秋華賞(G1)
勝ち馬:ミッキークイーン
勝ちタイム:1:56.9(良)
※ランクはS.A.B.Cの4段階になります。

ミッキークイーンをピックアップするためだけのレース。大外枠の不利を克服するために道中から積極的に出しに行ったレースで、高速馬場とはいえ1分56秒9の決着も優秀。本来であればタメる競馬から瞬発力勝負に秀でているタイプ。53キロの斤量は言うまでもなく強調材料。

そして、あえてケチを付けるならば目一杯走った後の秋3走目。見た目の馬体重の数字的にはオークスからあまり増加がないので、長距離輸送を経て馬体を減らしてくるようだとややマイナス。


ステップレース part.03

11/1(日) 天皇賞(秋)
勝ち馬:ラブリーデイ
勝ちタイム:1:58.4(良)
※ランクはS.A.B.Cの4段階になります。

宝塚記念Vのラブリーデイがここもスローペースを好位追走で押し切ったレース。時計的には強調点は薄いが、それでも今年のJCに向けて最も指針となるステップではあろう

そして、ラブリーデイは今回も逃げ馬の後ろ~好位くらいで競馬することが濃厚。すなわち、“この馬の仕掛け処ひとつでレースの展開が左右される”ということでもある。

基本的にラブリーデイの好走パターンは「ラスト4Fからペースが上がる(=ハロン11秒台を刻む)展開」。逆に言えば、今回もこの条件に合う馬を逆転候補として探すのも手。

この馬自身の能力については今更語るところナシ。雨の影響が残るようだと疑ってかかっても良い反面、内だけ乾いて内伸びになるようだと逆に大チャンスとなる。

他に特にピックアップしたいのは3頭。ショウナンパンドラは不利な外枠から、直線でも外に出すタイミングを一度逃してしまった上での上がり最速4着。ラブリーデイがラスト2F目で11.1秒を叩き出すような展開ながらよく追い詰めている。少なくとも、宝塚記念時よりはラブリーデイとの差は詰まったと言えるか。距離が伸びるのはマイナスにはならない。

続いて12着のラストインパクトは東京芝2000m特有のゴチャつく2コーナーで内ラチに接触した時点で度外視。昨年暮れの有馬記念でも内でドン詰まりながら0秒2差7着なら、これくらいのメンバーなら対応してきても不思議はない。鞍上については門外漢のコーナーだが、ムーア騎乗というのは期待材料にはなる。

もう一頭はアドマイヤデウス。こちらは8枠18番と大外枠。ロスは仕方ないとはいえ、スタート時から半分レースを諦めてたのではないかと訝ってしまいそうな最後方追走から、終わってみれば上がり最速で勝ち馬とは0秒8差。本来は中団やや前ぐらいで進められる馬だし、日経賞の内容などは悪くない。休み明けの秋天を叩いての上昇度にも期待をかけてみたいところ。


ステップレース総括

枠順発表を経てラブリーデイが最内1番枠。少々言葉は汚いが、好位から進めたいこの馬としては「勝ってください」と言わんばかりの絶好枠。外々から押し込まれて中途半端なポジション取りにでもならない限り大崩れは望みづらいところ。

そして、痛恨の17番枠に期待馬が入ってしまった。これで3戦連続8枠ピンク帽。こうなりゃココではなく有馬記念で狙うべきじゃないかという気もあるが、前走時から「次は変わってくる」と見ていたアドマイヤデウスに託したい。骨折明け、半年以上のブランクをはねのけた日経新春杯からポテンシャルは高く評価されていた存在。日経賞は完勝。レース中に熱中症を起こした春天、そして上記で解説した秋天を度外視すればまだ底は見えていない。

仮にココがダメでも有馬記念で一発が期待できる存在。今回は先物買いといく。同じく枠が微妙だが小牧太騎手&ヒットザターゲット、そして海外馬の中ではイラプトを主張の一頭とする。