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騎手コラム

過去10年・トレンドジャッジ

近年は、故障や回避などで桜花賞馬、オークス馬が駒を進めてこない年も出ている。それでなくとも、桜花賞、オークス時点で重賞勝ちのなかった馬が好走することの多いレースになってきている。
2013年以降顕著で、スマートレイアー、リラコサージュ、ショウナンパンドラ、タガノエトワール、マキシマムドパリ、ヴィブロス、パールコード、カイザーバルらが該当している。

ローズS組と紫苑S組には差がないと考えるべき。

とにかく、桜花賞やオークスの舞台と真逆のコース形状で行われるという点は、基本ながら認識するべきである。春の実績にはとらわれないことが大事。

血統傾向はサンデー系で母方欧州型の重厚なパワータイプという配合が優勢。

重賞勝ちのなかった馬の好走も多い
ローズS組と紫苑S組には差がない
春の実績にはとらわれないことが大事
父サンデー系、母方欧州型パワータイプ

過去10年・連対馬血統

年月日 馬場状態 馬名 種牡馬 母父馬
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
稍重 1
2
1
2
1
2
1
2
1
2

今年のポイントは?

オークス1,3着馬が不在。また桜花賞馬も距離不安を露呈している。ただ、路線的にイレギュラーだったアエロリットやファンディーナが既成勢力の上位を張って人気になるという、これまた異例の構図になっている。オークス以降の台頭勢力と真っ向からぶつかる形だ。

ローズS人気馬がひと叩きでどこまで良化するのかがカギ。アエロリットについては同型脚質のカワキタエンカの存在をどうとるか。また上がり馬には乗り替わりが目立つ。

天候不順必至。木曜夜から日曜までずっと雨が降ったりやんだりの予報となっている。道悪適性が問われる可能性も出てきた。

有力馬・血統MMチャート

アエロリット 7点

(牝3、美浦・菊沢厩舎)


近親にミッキーアイル、遠縁にハーツクライがいる良血。またクロフネ産駒の大物には牝馬が多いこともあり、大崩れもしにくいタイプが多い。ただ今回は、何が何でも逃げるというカワキタエンカとの兼ね合いがポイント。控えても競馬ができるタイプではあるが、その場合は揉まれると弱いので外枠が欲しい。もし中枠から内枠を引いて何かに被せられると怖いところもある。道悪は血統からは可もなく不可もなく、割り引きはいらない。

ディアドラ 8点

(牝3、栗東・橋田厩舎)


桜花賞もオークスも上がり最速。とくにオークス出走をかけて矢車賞を余分に使わざるを得ず、しかも勝たないといけないという状況をクリアしながら、オークスで上がり最速を出して上位に迫り、この世代屈指の強さを誇示した。ただ、紫苑Sで走り過ぎたきらいもある。使って良化するタイプでもないので、あのデキをどこまで維持するかがポイント。従兄にはロジユニヴァースがいる重厚な牝系、母父は在来のスペシャルウィークで、想像以上にタフで、しかも器用だ。とはいえG1で2着ばかりのハービンジャー産駒。乗り替わりも含めて、本命は打ちづらい点も。道悪は問題なし。

ファンディーナ 8点

(牝3、栗東・高野厩舎)


皐月賞は勝ちに行っての敗戦で、また連続遠征となるローテーションを考えると、牡馬相手にかなり褒められる内容だった。ローズSは休み明けで余裕残しが明らか、まずまずの試走だったはず。ディープインパクトに、母の父が欧州パワー型ピヴォタルで、近年の好走傾向には沿っている。レースも巧く、死角は少ない。ただ、中山の印象が強いが、本質的には小回り向きではない。道悪は巧者の可能性。

ラビットラン 6点

(牝3、栗東・角居厩舎)


タピット産駒が芝で重賞を勝ったことが話題となったが、プルピット~タピットは確かにダート向きとは言え、3歳までの、特に牝馬については芝はこなせる例は珍しくない。ただ、芝でのパフォーマンスが高いので、間隔を空けないと力を出せないタイプ。また小回りも疑問だ。中3週、京都内回りは大きな課題。あとは外枠がほしい。道悪は意外とマイナス。

リスグラシュー 9点

(牝3、栗東・矢作厩舎)


桜花賞前から一線級にいて、かつ崩れていない。消長の激しい若い牝馬において、これだけでも大変な能力だ。詰めが甘く勝ち切れないのは弱点だが、瞬発力に欠けるタイプなので、意外と初の小回りでこれまでの甘さを払拭する可能性がある。ハーツクライ産駒の秋華賞はヌーヴォレコルトの2着があるだけだが、サンデー系に欧州配合というパターンに最も合致しているのはこれ。シーバード×サドラーズウェルズ×ミルリーフ×リファールと、これでもかと欧州の至宝が重ねられた母が素晴らしい。軸という意味なら信頼度は高い。道悪は歓迎だろう。

伏兵馬・血統MMチャート

カリビアンゴールド 9点

(牝3、美浦・小島太厩舎)


牝馬の場合はトライアルホースが多いステイゴールド産駒だが、この馬の紫苑Sもなかなかの内容だった。ディアドラの末脚ばかりに目が行くが、立ち回りと先行力は人夏越して成長。こちらも母方は欧州色が濃く、母はアイルランドで活躍した。伏兵の中で最も魅力ある1頭。道悪はかなりプラス。

カワキタエンカ 7点

(牝3、栗東・浜田厩舎)


この馬の能力は桜花賞前から見えており、チューリップ賞での取りこぼしから無理をしてもう1戦挟んで桜花賞に行き、そこで逃げて粘るというかなりの無理を強いられた。それでいて見せ場を作っており、新潟を叩いた前走ローズSは先行勢が潰れていく中異次元の粘りを見せた。クロフネ×フォーティナイナー×マルゼンスキーという、持続力とパワーに長けた配合を持つ母がその源泉だろう。ただ、反動に加え、ローズSの鞍上だった横山騎手が、よりにもよって同脚質のアエロリットに乗るのが痛い。手の内を知られすぎているわけで、ピッタリとマークされた場合の辛さもある。道悪は少しマイナス。

ポールヴァンドル 6点

(牝3、美浦・上原厩舎)


ダイワメジャー産駒は母方で距離の守備範囲が広がるが、この馬は母の父がファスリエフ。母の母はフランスのステイヤー血統だが、短距離ダートが本筋のファスリエフがどこまで影響するか。馬体が芦毛なので、母×母の血が出ている可能性はあるが、輸送を挟んでの2000mは不安。道悪は可もなく不可もなく。個人的には押さえレベルの1頭。

ミリッサ 6点

(牝3、栗東・石坂厩舎)


ご存じシンハライト、リラヴァティの半妹。こちらは父がダイワメジャーに替わって、距離の心配が少し残る。近親ディーパワンサを見ても、本質的に母方はマイルがベストだろう。姉たちは父の影響が強かったとみており、この馬には距離不安が拭えない。京都はこなしているが、この一族だとむしろ負荷の掛かるコースの方がいいのではないか。道悪は可もなく不可もなく。

モズカッチャン 7点

(牝3、栗東・鮫島厩舎)


オークスの時もこの馬の能力を評価した。ただ、今回の舞台では不安が残る。ハービンジャー産駒については、G1で詰めが甘いこと、さらに母方のダート色が濃い。ゴールドティアラの近親という牝系にキングカメハメハ、やや軽さに欠ける。道悪はややマイナス。

リカビトス 5点

(牝3、美浦・奥村武厩舎)


連勝中の上がり馬だが、冷静にみればここは試金石。これまでにない速い流れが必至で、かつダート色が濃い母方の血統からも、不安が先に立つ。今後は出世するだろうが、今回に関しては疑問視。道悪はややマイナス。

レーヌミノル 5点

(牝3、栗東・本田厩舎)


平坦小回りの2000mならこなせるとみる向きもあるかもしれないが、流れが速くなりそうな今回は上がりが掛かって、直線はスタミナ、パワーが問われそう。残念ながらこの馬の配合ではなかなか厳しいことになりそうだ。道悪は悪くない。

秋華賞

馬券の軸としては、やはりリスグラシューが最も頼れそう。ただアタマまで狙うのなら、ファンディーナの巻き返し、そして穴のカリビアンゴールドが面白い。アエロリットは枠次第。外目ならアッサリもある。ディアドラは水曜時点ではアタマの馬券を買うかどうか悩ましいところだが、当然勝てるだけの能力は持っている。