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騎手コラム

土曜・京都11R【平安ステークス】

エノラブエナ

●土曜・京都11R【平安ステークス】エノラブエナ

上賀茂Sで準オープンを突破したばかりでも、3連勝と勢いに乗るエノラブエナを主役に抜擢したい。
宮本博調教師は、すっかり軌道に乗った要因をこう話す。
「もともと能力は一級品。ただし、かつては気難しく、終いで甘くなりがちでした。だんだん大人になり、ようやくレースを組み立てられるようになったところ。上級クラスの速い流れのほうが集中できますしね」

昨シーズンはリーディング争いで4位に食い込んだシンボリクリスエスの産駒。サクセスブロッケン(フェブラリーSなどG1級を3勝)をはじめ、ダート巧者も多い。母マルカサワヤカ(その父サンデーサイレンス)は芝の短距離で5勝をマーク。その全弟にデュランダル(スプリンターズS、マイルCS2回)がいる。セレクトセール(1歳)にて1700万円で落札された。
「例年、なかなか狙った馬に手が届かないなか、いろいろ作戦を考えて参加。これだとひらめきましたよ。上場番号が2番。最初や後半は高額に競り上がりやすい。思惑どおり、二声目であっさりハンマーが下りました。もちろん、馬体もすばらしかった。雄大で丈夫そう。豊富なパワーを見込んでいました」

社台ファームで乗り込まれ、2歳6月に栗東へ。ゲート試験をパスすると、いったん放牧を挟んで10月の帰厩に備える。入念にタイムをマークしていたものの、中京のダート1800mで迎えたデビュー戦は8着。翌週の阪神も6着に敗れた。
「調教で動けていても、いかにも緩いシルエット。しばらくはゲートの遅さに泣かされました。使われながら順調に絞れてきましたが、砂を被って嫌がったり、物見をしたりする若さも残っていましたよ」

年明けの京都では好位に取り付き、堂々の押し切り。シャドーロールやチークピーシーズを装着した効果も表れる。昇級後は7月までコンスタントに7戦を消化し、2着が3回。すべて4着以内に成績をまとめた。
「夏場のリフレッシュを境に、だいぶ中身が伴ってきましたね。成長に合せ、負荷を強化。坂路で追い切るパターンは変えていませんが、ダートコースで調教量を調節しています。スタッフも、この馬向きの仕上げを手の内に入れました」

10月に復帰してからも、2着、2着、3着と歯がゆい走りが続いたとはいえ、安定して先行力を発揮した。暮れの中京で待望の2勝目。3か月間の休養を経て、またひと皮むける。1000万条件(3月の阪神、ダート1800m)を1戦で卒業した。
「後方の位置取りとなりながら、上賀茂Sではイメージを一新する伸び脚。収穫がありました。当日は東京競馬場にいたのですが、小牧太騎手が『もう強さは本物。口取りの写真を撮っておきますから、安心して任せてください』って。その言葉に違わず、余裕綽々といった騎乗でした」

スタイルのみならず、同馬のスケールは破格。初となる重賞に臨んでも、「エノラブエナ」(スペイン語でおめでとう)と祝福されて不思議はない。

土曜・京都11R【平安ステークス】
②エノラブエナ
⑪クリノスターオー
⑬アジアエクスプレス
③ナムラビクター
①インカンテーション
④アスカノロマン
⑮ドコフクカゼ
自信度A

日曜・東京11R【オークス】

アンドリエッテ

●日曜・東京11R【オークス】アンドリエッテ

前例のないスローペースとなり、実力を反映した決着にならなかった桜花賞。6着に敗れたとはいえ、メンバー中で最速となる33秒2の末脚を駆使したのがアンドリエッテだった。断然人気だったルージュバックをマークしたのが裏目に出たもの。きらりと光る才能は垣間見せている。
牧田和弥調教師は、こう反撃を誓う。
「気持ちを切り替え、きちんと態勢を整え直しました。イメージどおりにメニューをこなせ、満足いく仕上り。以前より道中で無駄な力を使わなくなり、終いの破壊力を増していますからね。距離が延びても折り合えますし、展開ひとつでチャンスがある」

父ディープインパクト譲りの鋭い決め手が魅力。母アナバシュドチャーム(その父シルヴァーデピュティ)はアメリカで3勝をマークした。同馬の半兄にアールシネマスタア(3勝)ら。祖母アンブライドルドホープがダート10ハロンの米G3・レイディーズHの勝ち馬だ。

「当歳で出会ったときは全身が冬毛に覆われ、ぬいぐるみみたい。かわいかったですよ。だんだん柔らかさやバネが前面に出てきて、さすがにディープ産駒だと思わせました。ノーザンファーム空港で順調に乗り込まれ、昨年10月に栗東へ。将来につながるよう、控えめな追い切りでデビューさせましたが、常に反応は期待を上回るものでしたね。素直で大人しく、学習能力も優秀です」

12月の阪神、芝1400m(3着)でデビュー。使われた上積みは大きく、続く芝1600mを鮮やかに差し切った。クイーンCも大外を回りながら、コンマ1秒差の4着まで脚を伸ばす。
「初の長距離輸送で12キロもの体重減。びっくりしましたが、落ち着きは保っていましたし、心配したほど堪えてはいなかった。イメージ以上に芯がしっかりしています。翌週の火曜に計ったら、レース時より14キロ増の440キロまで戻っていて、回復力に感心させられました」

チューリップ賞は、切れが削がれる重馬場。勝負どころで寄られ、ラチに接触するシーンもあったが、直線では旺盛な闘争心を爆発させる。後方からぐんぐん伸び、2着を確保した。
「牝にしては飼い葉を食べてくれ、調整しやすいのが心強い。厳しい戦いが続いてもダメージなどうかがえないうえ、一戦ごとの進歩も明らかです。あれこれ気を遣う必要がありませんので、これほどの素材が手元にいても、不思議と平常心でいられますよ。東京への遠征も2回目。難なくクリアしてくれると信じています」

ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの母名がアンドリエッテ。偉人の精神性に多大な影響を与えたという。誠実に努力するターフの才女も、輝かしい成功を手にするに違いない。

日曜・東京11R【オークス】
⑬アンドリエッテ
⑭ルージュバック
⑥クイーンズリング
①レッツゴードンキ
⑩ミッキークイーン
⑰クルミナル
④ココロノアイ
自信度A

日曜・東京12R【丹沢ステークス】

ミッキースマホ

●日曜・東京12R【丹沢ステークス】ミッキースマホ

上賀茂Sは8着と期待を裏切ったミッキースマホだが、勝負どころで窮屈になり、行き場をなくしたのが敗因である。
「もともと将来性を見込んでいた馬。ようやく常識にかかり、調教でも動けるようになってきたところです。まだまだ奥がある」
と、大久保龍志調教師も性能に信頼を寄せる。

父は6歳になって本格化し、安田記念を制したアサクサデンエン。すでに種牡馬を引退しているが、半弟にヴィクトワールピサ(ドバイワールドCなどG1を3勝)がいる良血である。
母サトルスマイル(その父バブルガムフェロー、1勝)も大久保師のもとで走った。その兄妹に長距離G1を3勝したマンハッタンカフェ、オールカマーを制したエアスマップ、マンハッタンフィズ(アプリコットフィズやクレスコグランドの母)らがいる。セレクトセール(1歳)での購買価格は1800万円だった。

3歳2月に京都(芝1800mを12着)で1走した後、函館のダート1700mに照準を定めて初勝利。昇級後も同条件で5着、2着、2着と堅実に歩む。未完成な状況でも、好位を上手に運べるセンスを示していた。
「なかなかしっかりせず、出走が遅れましたし、秋にはどっと疲れが出て休ませる必要もありました。当時は体の緩さが目立ち、明らかに晩成タイプだと思わせましたね」

4か月間のブランクを経て、12月の阪神(ダート1800m)で2勝目。1000万クラスでも4着、3着、2着と崩れなかった。きっかけをつかんだのが昨夏の函館。降級初戦を2馬身半差で楽勝すると、渡島特別でも力強い差し切りを演じた。
観月橋S(3着)以降も、東北S(2着)、北総S(5着)と安定して成績をまとめ、4か月ぶりとなった梅田Sはクビ差の2着。現級では実績上位のうえ、一段とパワーアップされている。
「折り合いの心配もなく、渋太く脚を使える個性。小回り巧者のイメージが強いかもしれませんが、距離やコースにも融通が利きますよ」

東京の2100mは初となるが、むしろプラスに働くはず。豪華なファミリーに砂戦線での栄光も加えるべく、ミッキースマホは前進を続ける。

日曜・東京12R【丹沢ステークス】
⑫ミッキースマホ
⑥アドマイヤランディ
⑬マルケサス
⑪キャニオンバレー
④トーセンハルカゼ
⑯ベルウッドテラス
⑧ドラゴンピース
自信度AA