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騎手コラム

過去10年・トレンドジャッジ

今の菊花賞はスタミナが一番ということはなく、秋の京都芝が高速化したこともあって、長いところばかり使って実績を挙げてきた馬では厳しい。もちろん、2400mは楽にこなすくらいのスタミナは必要だが、それに加えて、スピードの持続力が必要。ただ今年は後述するように馬場が特殊になりそうだ。スピードの比重がどこまで下がるかがカギ。

血統面では、今はブライアンズタイムを中心としたロベルト系がこの10年の主流。
父に持つのは07年3着馬、09年3着馬、12年2着馬、13年1着馬エピファネイア、14年3着馬。母の父では08年2着馬、09年1着馬、10年3着馬。ここ2年は途切れてはいるが、一昨年も去年も掲示板には載っている。

ステップレースで見ると、セントライト記念勝ち馬が馬券になったのは一昨年のキタサンブラックの1例のみ。
対して神戸新聞杯は圧倒的に優勢で、2010年以降は、神戸新聞杯連対馬が必ず1頭は連対し続けているが……。

2400mは楽にこなすスタミナとスピードの持続力が必要
ロベルト系がこの10年の主流
セントライト記念組が不振、神戸新聞杯組が圧倒的に優勢

過去10年・連対馬血統

年月日 馬場状態 馬名 種牡馬 母父馬
1
2
1
2
1
2
不良 1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2
1
2

今年のポイントは?

今年は圧倒的優勢の神戸新聞杯勝ち馬、つまりダービー勝ち馬が出走してこない。ステップレースの傾向については例外であり、神戸新聞杯にこだわらない方がいい。

先週後半から雨が降り続いて馬場は軟らかくなっているところへ、今週も木曜以降雨となる予報。台風の接近で秋雨前線が活発化し、とくに日曜の関西はまとまって降りそうで、道悪の公算が大きくなってきた。例年以上にスタミナが問われるかもしれない。
なお不良の菊花賞は2013年以来で、前に行った組が上位を独占した。

有力馬・血統MMチャート

アルアイン 6点

(牡3、栗東・池江寿厩舎)


非常に安定しており、世代ではトップクラスにあるのは言うまでもないが、母方のスタミナの無さはやはり菊花賞では気にかかる。加えて道悪はスタミナを問われる分マイナス。血統面からはアタマなしと判断せざるを得ない。

キセキ 7点

(牡3、栗東・角居厩舎)


神戸新聞杯では後方から唯一掲示板を確保。これまでも直線急坂のコースでは切れが鈍るところがあったので、それを思えば成長を示したと言える。直線平坦の京都に替わるのはプラス。また道悪も血統からは問題なしだが、母がグレータ―ロンドンの全姉で、祖母がロンドンブリッジという血統からは、道悪の場合は距離に少し不安は残る。

サトノアーサー 6点

(牡3、栗東・池江寿厩舎)


神戸新聞杯は折り合いと位置取りに進境を見せたが、出していくと切れがかなり鈍ることもハッキリしてしまった。母がニュージーランド馬で、パワーよりは軽さで勝負するタイプの血統でもあり、かつ短距離寄り。道悪もややマイナス。血統からは高い評価はできない。良馬場の2000mから2400がベストではないか。

サトノクロニクル 8点

(牡3、栗東・池江寿厩舎)


半兄サトノラーゼンは菊花賞5着。ただ父がディープインパクトからハーツクライに替わって、よりスタミナは強化されたとみる。先週も京都、東京の道悪でハーツクライ産駒が活躍していたことを思うと、道悪は歓迎だ。加えて母の父インティカブは、エリザベス女王杯連覇のスノーフェアリーの父でもおなじみで、京都適性はとても高い種牡馬と推測できる。中山のセントライト記念よりパフォーマンスを上げてくるはずで、上位評価すべき1頭だ。

ミッキースワロー 9点

(牡3、美浦・菊沢厩舎)


父トーセンホマレボシはトーセンジョーダンの近親で、クラフティワイフの牝系だが、ミッキースワローは母の父がジャングルポケット。つまりトーセンの父であり、血統組成はかなりトーセンジョーダンに似ていることになる。加えて母はグレイソヴリン系のクロスを持つ。菊花賞向きの血統組成を持っていて、かつ道悪も巧いはずだ。馬券妙味は別にして、かなり高い評価ができる適性を持つ。

伏兵馬・血統MMチャート

クリンチャー 6点

(牡3、栗東・宮本厩舎)


父ディープスカイは種牡馬としてはダート向きの産駒を多く出している。タップダンスシチーの近親という血統で、パワーとスタミナに富んだダービー馬だった。クリンチャーの母の父はブライアンズタイムで、血統傾向で述べたロベルト系。唯一のネックは、ダンチヒのクロスを持つこと。3000mはひと息長いかもしれない。あとはセントライト記念でかなり増えていた馬体がどこまで絞れるか。

クリノヤマトノオー 6点

(牡3、栗東・高橋忠厩舎)


ジャングルポケット産駒は道悪適性が高く、単調なスタミナ勝負には向いているが、さすがにG1となると今の時代では厳しいか。B級ステイヤー、つまり万葉SとかステイヤーズSあたりが向いているような、そういう種類のスタミナだ。余裕があれば3着争いにマークするくらいか。

ダンビュライト 8点

(牡3、栗東・音無厩舎)


神戸新聞杯は案外な成績だったが、叩いて変わる傾向のある血統でもある。半兄にラブラドライト、近親に菊花賞3着のリアファル、女王杯勝ち馬のマリアライトらがいる一族で、コース適性も道悪適性もとても高い。武豊騎乗でもあり、軽視は禁物だ。

トリコロールブルー 8点

(牡3、栗東・友道厩舎)


兄はダノンジェラートやワールドインパクトで勝負弱い牝系であるが、父がステイゴールドに替わったことで、スタミナとパワーは兄たちより遥かに上だ。また配合から道悪は大歓迎とみる。ダンビュライト同様、瞬発力に乏しいので、これまでは力を出せない舞台が多かった。長距離、道悪での穴の期待が高まる。これまでのように前で立ち回ってもらいたい。

ベストアプローチ 7点

(牡3、栗東・藤原英厩舎)


父は凱旋門賞でおなじみとなったガリレオ産駒。母方は単調なスタミナとスピードの持続力に富む血統で、母の父の配合はセイウンスカイにも少し似ている。スピードがないので、この馬が最も道悪の恩恵を受ける可能性がある。バンデに似た点もあり、押さえには必須。ただ追い込みに回るとキツイ。

マイネルヴンシュ 6点

(牡3、美浦・水野厩舎)


正直な話、能力は全く足らないと思うが、重不良馬場になったら押さえは必要かもしれない。ステイゴールドに、母の父がコマンダーインチーフ、かつマキャヴェリアンも入って、パワーはかなり増強されている。単調なレースが得意で、できれば前に行きたい。

菊花賞

もし、良馬場、稍重程度で行えるなら、キセキ、ミッキースワロー、サトノクロニクル、ヒモにアルアインあたりで順当に決まる公算が大きいとみるのだが、道悪になればスピードや切れに欠けるパワー・スタミナタイプの台頭はどうしても考慮すべきだ。
その場合はトリコロールブルー、ダンビュライトが有力になってくる。有力どころの中で道悪で最も割り引きとなるのはアルアインだろう。
※枠順はもちろん直前の馬場傾向なども踏まえた最終結論はレース前夜に【血統トレジャーハンティング】にて公開します。