研究員ヤマノの重賞回顧

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4/7日(土)、中山競馬場で行われたニュージーランドT(3歳、G2・芝1600m)は、好位からレースを進めた後藤浩輝
騎手騎乗の11番人気 トーホウレーサー (牡3、栗東・川村禎彦厩舎)が、最後の直線で抜け出して優勝した。
レースはトーホウレーサーが一旦はハナに立つも、道中3番手に下げて替わりにサウスティーダが引っぱる流れに。
勝負は最後の直線。抜け出すタイミングを計っていたトーホウレーサーが、一気に先頭に踊り出た。そのまま後続
馬の追撃を1.1/4馬身凌ぎ切って、見事栄冠に輝いた。

2着には16番人気マイネルフォーグが、3着には8番人気ワールドハンターがそれぞれ入線して、大波乱の決着と
なった。なお1番人気のスズカコーズウェイは伸びきれず4着に敗退した。

勝ったトーホウレーサーは前走の毎日杯で0.4秒差の5着と健闘していたが、芝での勝利は今回が初めて。同時に
重賞勝利も初めてだった。若駒のうちは、脚質や馬場適性など様々なファクターが定まらず、大波乱の結末を迎え
ることが往々にしてあるが、それにしても2着にシンガリ人気の馬が突っ込んでこようとは誰が予測できようか?


同4/7日(土)、阪神競馬場で行われた阪神牝馬S(4歳上牝、G2・芝1400m)は、中団からレースを進めた5番人気
ジョリーダンス (牝6、美浦・堀宣行厩舎)が、最後の直線で先頭に抜け出して優勝した。
レースはサウスティーダがハナに立つも、途中でアサヒライジングが競りかける淀みない流れとなった。1番人気
ディアデラノビアはいつもより前々の競馬で、好位3番手でレースを進めた。 最終コーナーを回ってまず先に抜け出
したアサヒライジングをディアデラノビアが良い手応えで交わしにかかるが、人気馬が仕掛けるタイミングを待ってい
たかのように5番人気ジョリーダンスがコース真ん中から強襲。並ぶ間もなく抜き去るとそのままゴール前を駆け抜
け快勝。

2着にはさらに後方から末脚を伸ばした3番人気アグネスラズベリが入線。 6歳馬によるワンツーフィニッシュとなっ
た。3着は1番人気ディアデラノビアが確保した。

勝ったジョリーダンスは6歳馬ながら、前走で1600万下の韓国馬事会杯に優勝するなど、最近メキメキ頭角を現して
きた上がり馬だった。馬齢こそ6歳だが、2歳時は遅いデビューで暮れに僅か1戦だけ、その後も休養が重なり、歳
のわりにはまだ馬体がフレッシュだった。高齢馬でもこの手のタイプには時々大駆けがあることを、常に心に留めて
おきたいものだ。


4/8日(日)、阪神競馬場で行われた桜花賞(3歳牝、G1・芝1600m)は、好位からレースを進めた安藤勝己騎手騎乗
の3番人気ダイワスカーレット (牝3、栗東・松田国英厩舎)が、最後の直線の叩き合いを制し、牝馬3冠第1弾を
手中にした。

レースはアマノチェリーランが他馬をけん制しながらも、果敢にハナに立った。 2番人気のアストンマーチャンはかかり
ながら2番手につけた。最終コーナーを回って勝負は大詰めを迎えた。ダイワスカーレットは、先に抜け出したアストン
マーチャンを大外から抜群のタイミングで捉えると先頭に踊り出た。それに連れて中団に控えていたウオッカも満を持
して追い出しにかかるも、先頭のダイワスカーレットとの脚色は衰えず、2頭の差は縮まらない。結局ほぼ同じ脚色の
まま、1.1/2差でゴール。 3着には好位でレースを運んでいたカタマチボタンが入着した。

毎年阪神で激戦が繰り広げられている伝統の一戦桜花賞だが、昨年コースがリニューアルされ、その意味でも今年
は例年以上に注目が集まっていた。昨年までは外枠が圧倒的に不利だった旧コースだが、今回の結果を見る限り、
新コースはどうやら有利不利の少ない、力がモノをいうコースのようだ。もちろん馬の能力が高かったのが一番の
勝因だろうが、18番枠の馬が優勝したことには大きな意味があるといえよう。今後はこのトラックバイアスもレース
予想の大きな参考になるにちがいない。