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勢いはこの馬場でも止まらず!コパノリチャードが圧勝!!
2014/4/1(火)

14年3月30日(日)2回中京6日目11R 第44回 高松宮記念(G1)(芝1200m)
コパノリチャード
(牡4、栗東・宮厩舎)
父:ダイワメジャー
母:ヒガシリンクス
母父:トニービン
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土曜の夜半からしっかりと降った雨。たっぷりと水を含んだ馬場は、朝の始まる前から不良の発表。レースの少し前には雨も上がったが、芝は相当に悪いコンディション。内ピッタリを逃げ切るレースもあるが、大概の馬は外を廻るレースが続いた。
行くはずのハクサンムーンの行き脚がつかず、同厩舎のエーシントップが先手を取る展開。ガラ空きのインコースを、コパノリチャードが3番手で続く。外を通るライバル達を後目に、内ピッタリ廻った4角。廻りきると今度は馬場の4分処へと出してきて、追い出しにかかる。最後は3馬身差の楽勝となった。
終い追い上げてきたストレイトガールのさらに外、真っ白な馬体のスノードラゴンが一気に伸びて2着。ストレイトガールは、エーシントップをゴール寸前で交して3着だった。勝ち時計の1.12.2が物語る今年の高松宮記念であった…。
同じ距離の9Rで、外々を廻ったスピークソフトリーが1.12.6で勝った。今年も競馬開催日に雨が降るケースが多いが、スピードが要求されるはずの高松宮記念で、これ程の馬場になるとは。こんな馬場を経験している馬は、記憶では函館でのレディオブオペラ。しかしそのレディオブオペラでさえも、外を廻る方を選択していた。いかにこの馬場がタフさを要求されるかを物語る。
最後に馬場入りしたハクサンムーンがいつもどおりにクルクルと廻ってから、納得したのか返し馬に移った。いろんな癖があるものだ。
そのハクサンムーンがゲートが開いた瞬間に最後方にいるのに驚く。PVで観ると、何やらゲートを出てから狭くなったのか、何かがあった様子だ。ダッシュを利かせてレディオブオペラが先頭、と思った瞬間に、さらにその外からエーシントップが出て行き、内を観ながらそのまま先頭となっていく。内でマジンプロスパーとコパノリチャードも出て来る。
1Fを少し過ぎたあたりで、外から内へと入ってきたエーシントップ。ラチ沿いの逃げをする腹づもりだ。レディオブオペラは真っ直ぐに外目を走る。後ろをスマートオリオン、さらにその後ろにストレイトガールで、内にリアルインパクトが続く。内を通る馬はエーシントップにマジンプロスパー、コパノリチャードの3頭のみ。それ以外の馬は、3頭分ぐらい開けた外目を通る。
4角でエーシシントップの3馬身ぐらい後ろ、マジンプロスパーを抜いて2番手に上がったコパノリチャード。廻りきったあたりで、斜めに進路を外へと出してくる。レディオブオペラに並ぶ位置となる。ここでまだ残り400もある長い直線。前を行くエーシントップとは4馬身ぐらいの差がある。後ろではストレイトガールも追い出した。
残り100を切っても、エーシントップとの差はまだ3馬身。このままエーシントップが逃げ切るのかと思った残り50。ついにコパノリチャードが抜いて先頭となった。その差を広げていく。完全に勝利を確信できる脚色だ。外目でストレイトガールが脚を伸ばして来ているが、その後方のスノードラゴンの伸びが目立つ。そしてついに2番手に上がってゴール。エーシントップは最後のさいごにストレイトガールにも差されたが、レースを造ったいい競馬内容であった。
先頭のコパノリチャード、余裕のM.デムーロJ。ゴールに入るか入らないかの時に何と両手を広げて、まるで飛行機が着陸した様なパフォーマンスをした。当然に罰金10万円が課せられていた。ここらが日本人では出来ない事であろう。JRAの騎手試験に影響しなければいいのだが…。
この不良馬場でのスプリント戦、前半3Fが34.5で上がり3Fが37.7ながら、最後の1Fが13.2もかかっている様に、最後は伸びているのではなく止っているかの様な数字である。出が悪かったハクサンムーンが5着。まともに出ていたら、また違う結果が出たのだろうと思える濃い競馬内容であった。レディオブオペラは馬体の数字は戻っていた。こんな馬場がいいかと思っていたが、火曜朝に白井助手は《函館の時と問題にならないぐらいの馬場。超・不良でしょう》と馬場の凄さを言う。
内枠を引いて、なおかつインコースを選択したM.デムーロJの騎乗ぶり。荒れた坂路での調教が生きた。
それにしてもスノードラゴンの好走。この2戦、馬場にも助けられてはいるが、今、充実しているのも確か。しっかりとした末脚を持っている馬でもある。この好走は決してフロックではない事を代弁しておきたい。
それにしてもコパさんの強運ぶりである。いや~恐れ入りました。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。

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