【菊花賞】デキの良さが光る池江泰寿厩舎の3頭

22日、菊花賞(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。3頭出しで挑む池江泰寿厩舎のトゥザワールドトーセンスターダムサトノアラジンはいずれも古馬オープン馬の胸を借り、いずれも堂々と先着。ワンアンドオンリーの2冠阻止へ究極仕上げを施してきた。

セントライト記念2着から本番へ挑むトゥザワールドはCWコースで川田将雅騎手が騎乗。ラブリーデイの内を2馬身ほど追走し、直線一杯に追われると6F83.8-67.8-52.4-38.4-11.7秒のラップを刻んで0秒5先着。
共同会見では「自信を持って臨めますね?」との問いに、池江泰寿調教師も「そうですね」と力強い口調で答え、3000mの距離に対しても「うまく流れに乗って、自分らしい競馬ができればいいかなと。(3000mでも力を出せる)そのように調教してきたつもりです」と本番に向けて確かな手応えを口にしていた。

神戸新聞杯では3番人気(7着)に支持されていたトーセンスターダムは、デビューから一貫して手綱を取る武豊騎手を背にトーセンジョーダンとCWコースで併せ馬を敢行。終い一杯に追われ、6F82.3-66.5-52.3-38.5-12.0秒をマーク。G1ホース相手に堂々と先着を果たした。

こちらは動きについて問われると「素晴らしかったですね」とひと言。武豊騎手の「ホントに動きが良かった」とのコメントに重ねて「実に素晴らしかったです」と「素晴らしい」を連発していた。
消化不良に終わった神戸新聞杯については「ちょっと前が壁になった。バラけていれば入着以上は十分あっただろうし、さすがに力はあるなと思いました」と意に介さず、距離についても併せ馬のパートナーを務めた母の弟トーセンジョーダンが春の天皇賞で2着に来ており、「折り合いが付くので、こなしてくれると思います。ズバッと差し切るようなイメージで考えています」と一発逆転を匂わせている。

そして夏に条件戦を連勝。神戸新聞杯4着から菊の舞台に立つサトノアラジンは、秋華賞ジョッキーの浜中俊騎手が手綱を取ってCWコースへ。トーセンレーヴをパートナーに6F83.6-68.1-53.7-38.6-11.4秒を馬なりでマーク。「普段からいい動きをするので、いつも通り」とこちらもデキには太鼓判を押す。前走は勝負所から終始絡まられる厳しい展開。「力を出し切れなくて、度外視できる」と振り返り、「距離的に良くはないと思うが挑戦してみます。能力の高さ、見た目の素晴らしさ、(将来的には)トップクラスになると思いますから」と潜在能力の高さで初めてのG1に挑む構えだ。

3頭いずれもデキは申し分なし。3年前にオルフェーヴルで勝ち、昨年もサトノノブレスで2着。鞍上も全員菊花賞ジョッキーで菊の舞台を知り尽くすだけに、当日どんな秘策で臨んでくるのか大いに注目となる。

【トーセンスターダム・武豊騎手のコメント】
「先週も良かったけれど、今週はさらに良かった。状態に関したら文句なしだね。ただ、動きはよくても、なかなか競馬でそれを出せなくって……。まあ、京都コースに替わるのはプラス材料。当日まで色々と考えていきますよ」

【サトノアラジン・浜中俊騎手のコメント】
「調教は乗りやすいし、いつも動いてくれますからね。良い感じでこられていると思います。 坂の下りが2回あるコース設定。まだ緩いところがあるので、そこがポイントになりますね。うまく前に壁をつくって運びたい」