「やんちゃ娘」ココロノアイ 名手も手を焼いた重賞初V

●11月1日(土) 4回東京8日目11R 第3回アルテミスS(GⅢ)(芝1600m)

検量室前に引き上げてきた横山典弘騎手は、すかさず「ハンパねえな」とこぼした。ココロノアイ(牝2、美浦・尾関厩舎)のことだ。

ゲートでは大きく立ち遅れ、最後方のからの競馬になると思いきや、そこからが制御不能となったように猛然と掛かって先頭集団に取り付くと、結果的に3番手からの競馬に。それでも、直線を向くとジワジワと脚を伸ばし、ゴール前で先頭へ。最後はレッツゴードンキの強襲にも遭うも、粘りをみせて重賞制覇を飾った。道中のロスを考えれば余力がなくなるもの。そこは性能の良さとも言えるところだが、横山典弘騎手はこう振り返った。

「ずいぶん引っ掛かりましたね。返し馬で口向きが頑固な馬だと感じたので、ゲートを出なかったことはラッキーだったのですが、コントロール不能になりました。馬の後ろで我慢をさせて、最後はよく凌いでくれましたが……、やんちゃ娘という感じですね」

続けて、幾多の癖馬をいなしてきた流石の名手も手を焼いた様子を隠さず、「次には課題が残る」とキッパリ。タイトルを手にした喜びよりも、不安をにじませた。今後は当然ながら12月14日(日)の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)が視野に入ってくるが、尾関知人調教師も「馬の状態を見極めつつ決めたい」と慎重な姿勢をみせた。

オルフェーヴル、ゴールドシップらのような、ステイゴールド産駒ならではの激しさを感じさせる勝ち方。持ち味が活きるか否かは、今後の陣営次第だろう。如何にせよ、個性溢れるヒロイン候補の誕生が、クラシック路線を盛り上げてくれそうだ。

ココロノアイ

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