【東海S】“優等生”ナムラビクターが56秒4「相変わらず元気」

21日、東海ステークス(G2)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。ナムラビクター(牡6、栗東・福島信厩舎)は助手が騎乗して、馬も少なくなり始めた9時50分台に坂路へ登場。もともと調教拒否をするなど、気難しい面をみせることで知られるが、この日は我を見せることなく、4F56.4-40.2-26.0-13.2秒をマーク。鞍上も馬の気持ちを尊重するように、ステッキを入れることなく、馬なりでのフィニッシュ。決して時計は目立たないものだが、ナムラビクターとしては合格点ともいえる調教メニューを消化した。

「けさの動き?この馬なりだね。ケイコでそんなに目立って動く馬じゃないから。相変わらず元気もいいし、順調にきてるよ」と胸を張るのは福島信晴調教師。この中間は気性を考慮してか、坂路で丹念な乗り込みを消化。レース翌週にも乗り出したように、前走の激走の疲れは感じさせない。

3歳時から頭角を現すも、未だ重賞タイトルは一つのみ。故障による長期戦線離脱もあったとはいえ、展開に注文がつく面が出世を阻んでいたが、前走はスローペースとはいえ、軽い中京の馬場、モマれる競馬にも対応してみせた。
「前走後は交流競走を含めて色々とプランを考えて、ここへ(東海S)。前走が今回と同じコースで2着。内枠で前に壁を作りながら運べたし、ああいった競馬ができたことも収穫。どんな相手、展開でも力は発揮してくれるから」と師は成長をアピールする。

昨シーズンはそのポテンシャルよりも、個性的な一面だけが取り沙汰される向きがあったが、チャンピオンズCでも2着と大舞台でも戦えることを証明してみせた。個性派がダート界の主役へ。一皮むけるためにもタイトルを重ねて、その存在を改めてみせつけたい。