【天皇賞(秋)】ヒカリ坂口則師 逃げ宣言も「2000と58キロが課題」

11月1日(日)に行われる天皇賞・秋(G1)の最終追い切りが、栗東トレセンにて行われた。
追い切り後、エイシンヒカリ(牡4、栗東・坂口則厩舎)を管理する坂口正則調教師の一問一答は以下の通り。

●状態は「申し分なし」

-:前走の毎日王冠からお伺いしていきたいのですが、4カ月の休み明け、左回り、そして相手も強化された中、見事な逃げ切りとなりました。

坂口正則調教師:スタートも良かったですしね、うまいこと自分のリズムで走れましたので、何とか終いまで辛抱してくれましたね。

-:安心して見られたという感じですか?

坂:いやあ、安心はしていません。逃げ馬はなかなかゴールまで安心できませんからね。

-:これで左回りも克服したといっていいでしょうか?

坂:最近はモタれるクセもなくなりましたので、競馬でも大丈夫だと思います。

坂口正則調教師

G1挑戦にも落ち着いた様子で愛馬の近況を語る坂口則師


-:レース後のエイシンヒカリの様子というのはいかがでしょうか?

坂:目一杯走る馬ですしね。感謝しています。中間も問題なく順調に来ていますよ。

-:4歳で遅咲きといいますか、デビューも3歳の春ということでしたが、またひと夏越しての成長具合というのはありますか?

坂:弱いところがあった馬ですが、使うたびに良くなっていますよ。

-:では、もう前走よりもいい状態ということで。

坂:状態は平行線ですが、今日の動きを見ても申し分ないですし、大丈夫だと思います。

●距離、斤量を克服できるか

-:追い切りの方に話を移していきたいのですが、今日は武豊騎手騎乗で、CWで追い切られました。4F51秒1-12秒0という時計で、武豊騎手も調子の良さを感じ取っていらっしゃる様子でしたが、改めて指示、手応えの方を教えて下さい。

坂:指示は前走のように6Fから直線サッと流す指示をしたのですが、テンの入りが少し遅かったですから、全般的に時計は掛かっているのですけどね。でも、いいフォームで走っていますし、動きに関しては申し分ないと思いますよ。

-:今度は1ハロン延びて2000m。東京の2000mでも勝ち星がありますが、この舞台設定はいかがですか?

坂:2000mと58キロですし、その点がこれからの課題ではないですか。

-:試練になるところがたくさんあると。

坂:そうですね。2000の58キロは初めてですし、それは心配ですね。

坂口正則調教師

-:本質的には1800mがいいというコメントも伺ったことがあるのですが、そのあたりはどうでしょう?

坂:現時点ではそのあたりがいいのでしょうね。逃げ馬ですし、なかなか2000のG1となると、逃げるのはどうでしょうかね(笑)。

-:特に天皇賞(秋)という舞台で、2コーナーにカーブもあります。やはり枠順がどうなるかというのは気になるところですね。

坂:枠順は仕方ないですね。理想は真ん中ぐらいが当たってくれるといいと思うのですが。

●戦法は一択 逃げるしかない

-:現時点ではいつもの自分のペースで逃げるという戦法を思い描いていらっしゃるのでしょうか?

坂:それしかないと思うのですよ。どうしても行く馬がいて、番手で競馬が出来るようならいいのでしょうが、それもなさそうですし、もう行くしかないと思いますね。

-:このエイシンヒカリに関しては、自分自身との戦いかなと思うのですが、改めてメンバーを見て、グランプリホースも出て来ます。そのあたりはどう目に映っていらっしゃいますか?

坂:今度はメンバーも強いですしね。見せ場は作ってくれると思うのですが、あと1ハロンがどうですかね。

-:それでも1つずつ階段を上がるようにして、やっと辿り着いたG1の舞台。坂口先生にとりましても感慨深いものがあるのではないですか?

坂:そうですね。段階を踏んでG3、G2と勝って、G1に登り詰めてきましたので、そこでいい競馬ができれば本物なのですけれども(笑)。

坂口正則調教師

-:そのあたりは不安でもあり、楽しみでもあると。

坂:そうですね。

-:完成度として、今の段階でジャッジはしづらいと思うのですが、どれくらいと見ていらっしゃいますか?

坂:まだ腰の甘いところがあるのですが、もっと実が入ればまだ良くなってくると思いますよ。

-:本当にエイシンヒカリはファンの多い馬です。たくさんの方が初G1を注目しています。最後に抱負をお願いします。

坂:どっちにしても行くのでしょうから、直線で見どころを見せてほしいですね(笑)。