【天皇賞(秋)】更に上昇! 牡馬撃破で自信掴んだショウナンパンドラ

11月1日(日)に行われる天皇賞・秋(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。
追い切り後、ショウナンパンドラ(牝4、栗東・高野厩舎)を管理する高野友和調教師の一問一答は以下の通り。

●牡馬を撃破し自信を掴む

-:ショウナンパンドラについて高野友和調教師にお話を伺って参ります。おはようございます。

高野友和調教師:おはようございます。よろしくお願いします。

-:まずは前走から振り返って頂きたいのですが、ヌーヴォレコルト、それに牡馬相手に圧巻の末脚でしたね。

高:そうですね。能力的にあれくらいやって欲しいなと思っていたのですが、それを引き出せず、ようやく目に見える形として、あの馬が走ってくれました。若い時に同じ中山コースのフラワーCでは全然走れなかったので、そのコースでいいパフォーマンスする事が出来たのは嬉しかったですし、自信になりますよね。

-:何かその、力強さというか、パワフルさを感じましたが。

高:そうですね。馬が大人になってきて完成してきている証拠じゃないかなと思います。

ショウナンパンドラ

笑みを浮かべながら手応えを語る高野友和調教師


-:その前は宝塚記念で牡馬相手に3着という結果でした。この辺りから天皇賞秋というのは意識されていたのでしょうか。

高:本当は去年G1勝って、来年の展望をぼんやり考えた時に、秋は古馬の王道を行けたらいいなと考えていました。春が思った程、結果が出なかったのですが、宝塚記念3着というのは、この秋のローテーションを組む上では大きな結果だったと思います。

-:あの結果で牡馬相手でも通用するというのを実感されたという事でしょうか?

高:通用すると思っていたのですが、そう思えたのは宝塚の3着ですよね。

-:そして、一夏越しての成長というのは改めていかがですか?

高:この夏は牧場さんとも相談して、いい形で調整出来まして、栗東にも極めていい状態で返して頂いて、スムーズに調整できました。オールカマー使うにあたっては、おそらく走れるだろうな、というくらいのいい状況で送り出せましたから、本当にいい夏の過ごした方出来たのではないかなと思います。

-:そして、今回の舞台が東京となります。3走前にヴィクトリアマイルで走っていますが、2000mというのはどのようにお考えですか?

高:そうですね、東京の2000mというのは枠順の有利不利があるのは確かなコースなのですが、確かにその前半の一部分さえクリアする事が出来れば、広いコースで実力が発揮されるコースですからね。あとは小細工なしで実力勝負になるいい舞台設定なので、能力の高い馬にとっては存分に走れると思います。パンドラ号も広いコースにマッチするのではないかなと思います。

●前走後も至って順調に攻めを消化

-:現時点では理想にしかなりませんが、こういう枠に入ってこういうレースをしてくれないかなというイメージはあるのでしょうか。

高:常識的な事ですが、大外とか外すぎる枠は嫌ですが、それ以外なら、という感じで考えていますね。

-:持ち味の末を生かしてという感じなのでしょうか。

高:決めつけはしてないですが、もちろん終いもキレるのですが、長く脚を使えるので、あとは、レースは生き物なので、どういうレースになるかもゲートを出て、この馬のゲートの出とか、ダッシュの仕方、展開、出たジョッキーの瞬時の判断になるかなと思います。

-:それでは調教について、移っていきますが、池添騎手は先週乗られて、前走以上の感触だったとのコメントを出されていたようですが、指示、内容はどういったものだったのでしょうか。

高:一週間前からジョッキーを乗せるというのはオールカマーからの流れなのですが、前哨戦をいい形で使えて、その後、状態がアップしていたのを感じていました。オールカマーの時は負荷をかけたのですが、今回はそこまでかける必要がない状況でしたので、池添くんに乗ってもらって、前回程の時計はいらない、という事と、ペースメーキングはウチでやりますので、ということで、残り1Fよりちょっと手前からはきっちりと追って欲しい、という指示で一週前やってもらいました。動きも言うことないですし、ジョッキーから伝わってくる感触がすごくいい報告が来ましたから、僕らが持っている感触と遜色ないなという感じでした。

-:そして、最終追い切りですが、坂路で助手の方が乗られての単走。54.1-25.2-12.7秒という時計でしたが、伝え聞いた池添騎手も絶好調らしいと笑みも溢れていました。

高:そうですね。前哨戦を使ってから状態アップして、一週前ジョッキー乗せて、無理なくですが、きっちり追う事が出来ましたし、正直、今日は指示というよりはやり過ぎなければそれでよい状況になっていましたので、それにのっとった指示を助手にも出して、いい感触でリズム良く上がって来られたと思います。いい追い切りが出来たのではないかなと思います。

-:天皇賞という事で、強力なメンバーが揃っています。宝塚記念で戦ったメンバーもいれば、初めて戦うメンバーもいますが、その辺りいかがですか?

高:そうですね。もちろん最高峰のレースですから、メンバーもすごく強力なのはわかっての参戦なので、相手うんぬんというより、パンドラ号が11月1日当日すごくいい状態でゲートの中に入れる事だけを意識してやっているのですが、ここまでは順調に来られていると思います。相手というよりは自分の状態をアップさせていくといったところでしょうか。

-:本当にショウナンパンドラは女王ではなく、女傑になるような牡馬相手の走りを楽しみにしているファンがたくさんいます。最後に抱負をお願いします。

高:女傑とかそういうことは強く意識していないですが、単純に能力が高いと信じているパンドラ号が最高峰のレースで、他の強い馬達と一緒に走らせて純粋にどれが一番強いのか。というレースだと思います。そういうレースに自信を持って挑めるというのは幸せな事だと思いますし、ここまでは素晴らしく調整する事が出来たので、いい走りを出来ると思いますので、応援して頂ける方には期待に応えられるのではないかなと思っています。