【JBCクラシック】2度目の骨折を乗り越えリッキー 堂々の連覇!

●11月3日(祝・火) 大井競馬場10R 第15回JBCクラシック(Jpn1)(ダ2000m)

地方競馬の祭典、JBCデーのトリを飾ったのは第一人者・武豊騎手コパノリッキー(牡5、栗東・村山厩舎)。影をも踏ませぬ逃走Vで、この日一番の歓声をかっさらった。

熾烈な先行争いの末、オーバーペースに敗れた前哨戦の日本テレビ盃とは一転、今回は大外15番枠からスンナリとハナを奪い切ることに成功。3コーナーからは常に早め、早めの仕掛けで後続を振り切りにかかり、直線入り口では懸命に前を追うホッコータルマエとの手応えの差は歴然。終始セーフティリードを保つ内容で王者復権を印象づけた。

「馬の状態がすごく良かったですし、今回はペースだけ間違いないようにと思っていました。直線を向いて押し切れると思いましたよ。この大一番はどうしても勝ちたい気持ちが強かった」とは今年からタッグを組む武豊騎手の声も普段以上に弾む。今回がJBCクラシック開催15年目にして驚異の7勝目となるが、また格別の勝利となったようだ。

一昨年の3歳春には右前トウ骨の骨折で夏以降を棒に振るも、翌年フェブラリーSでは最低人気の低評価を覆す優勝劇。その後はダート界の一線級として活躍を続けてきたが、連覇を遂げた今年のフェブラリーS中に、今後は左脚のトウ骨遠位端骨折を発症。復帰2戦目となった今回、管理する村山明調教師は「まだ良くなる余地があると思っていましたし、今日は正直、自信はなかったです」とレース前の心情を振り返り「普段はレース中に声を出さないタイプなのですが、今日は力が入りました。直線の400mはすごく長く感じましたね」と安堵の表情を浮かべた。

これでG1級レースは5勝目。G1(Jpn1含む)9勝のホッコータルマエにタイトルの数でこそ劣るものの、直接対決は3勝2敗と再び一歩リード。「特に大井では大きく負けていたので、悔しい思いもしてきましたから。もっと良いコパノリッキーを造っていって、皆さんに応援していただければと思っています」と指揮官も更なる飛躍を誓う。

次なる目標は当然、中央に舞台を移してチャンピオンズCの制覇。昨年は出遅れに泣き1番人気を裏切る12着惨敗に終わっており、リベンジがかかる一戦。「今日は骨折を乗り越えて良い走りを見せてくれた。まだまだ活躍してくれる馬だと思っていますし、一緒に頑張っていきたいですね」と武豊騎手。レディスC、スプリントの2戦は新風吹き荒れる結果となったが、牡馬路線の主役はまだまだ譲れない。

コパノリッキー

プレゼンターを務めた斎藤工さん(左)と剛力彩芽さん(右)と共に撮影に応じる武豊騎手