【ジャパンC】リアルスティール「国内のタイトルを獲らせてやりたい」

リアルスティール

23日、ジャパンC(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、天皇賞(秋)2着のリアルスティール(牡4、栗東・矢作厩舎)は、助手を背に坂路で終い重視の単走追い。ゆったりとした入りから終い気合を付けると鋭い伸び脚で4F54.1-38.6-24.6-11.9秒をマークした。

3月のドバイで悲願のG1初制覇。今回はその時と同じR.ムーア騎手とのコンビで国内G1初制覇を狙う。距離はベストとはいえないものの、菊花賞で2着があり、あっさりと克服してもおかしくない地力を持っているだけに、その手綱捌きは大いに注目となる。


追い切り後、安藤貴英調教助手の一問一答は以下の通り。

●陣営も力を再認識した 天皇賞(秋)

-:秋初戦、天皇賞でしたが、スローの流れの中で2着という結果。安藤さんはどういう印象をお持ちですか?

安藤貴英調教助手:帰厩してから、夏の暑さを気にしている部分がありまして、前哨戦である毎日王冠を回避して、ぶっつけであのメンバーだったので……。正直、厳しいのかと思っていましたが、この馬の底力を確認することができたと思いました。

-:あの位置から届くとは驚かされましたね。

安:その前走の安田記念が不甲斐ない走りでしたので、あの位置から伸びないのかな、という不安はあったのですが、あそこから差してきてくれました。ましてや、あのメンバーで差してきてくれたのは能力の高さの証明かと思います。

-:向こう正面で壁も作れずに走っていましたね。

安:そこは懸念材料ではあったのですが、ジョッキーも上手くなだめて乗ってくれました。イメージとしてはドバイの時のような競馬だったのでしょうか。馬がよく我慢してくれましたし、あそこで我慢できたことは今後に繋がる内容だったのかと思います。

-:秋初戦の内容は安藤さんから評価いただきますといかがでしょう?

安:手探りな状態で、この馬の状態が戻ってきているのか、不安ではあったのですが、こちらの不安を払拭するような走りをしてくれましたし、2着という結果で満足してはいけないのでしょうが、ホッとしたというか、安心しました。

-:そのレースから中3週ということで、この中間の調整を教えてください。

安:あれだけ競馬で走りましたので、最初の一週間くらいは多少の硬さがみられたのですが、その後はあの馬本来の動きに戻ってきました。中間はやり過ぎないように調整してきましたし、一週前追い切り、今日の追い切りと順調に調整を進められてきたと思います。

●調整の誤算も むしろ上向き

-:まず、一週前はどういった点に主眼を置いてこられましたか?

安:先生からは「いつものように負荷を掛けていこう」ということだったので、一杯に追いました。昨日、調教のミスから坂路で57秒という時計が出てしまったので、先生と相談しまして、今日の追い切りは53~54秒くらいで終いを伸ばすプランだったのですが、今日の動きをみても、満点だったのかと思います。

-:じゃあ、最終調整は上手くできたということでよろしいですか?

安:そうですね。逆に火曜日に時計が出たことで、馬のガスが抜けたといいますか、我慢がきいて、リラックスしていました。最後の1ハロンもしっかり弾けていたので、良かったと思います。

リアルスティール

-:さあ、今回はムーア騎手とのコンビですね。

安:ドバイの時も結果を残してくれていますし、安心して乗ってもらえると思います。こちらが注文をつけることもなく、馬のことをよくわかってくれているので、頼もしく思います。

-:残すは日本のG1のみとなってきましたね。

安:国内のタイトルを獲らせてやりたいとは、厩舎全員が思っていることなので。すごく強いメンバーが揃ってはいると思いますが、国内初タイトルを穫れるよう頑張っていきたいと思います。

-:最後にレースへ向けての抱負のほどをお願いします。

安:正直、ベストは2000mかと思います。競馬場を一周する競馬になり、折り合いという不安はあるのですが、調教では馬の後ろにつけたりと折り合いをつけさせる調教をこなしてきました。尚且つ、一度使って、馬の状態は確実に上向いていますので、この状態で競馬にいってどれだけ走ってくれるのか、非常に楽しみにしています。