【安田記念】巻き返しを期すインディチャンプ「一度使われいいガス抜きができている」

29日、安田記念(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走マイラーズC4着のインディチャンプ(牡4、栗東・音無厩舎)は坂路で最終調整。4F51.6-37.1-24.2-12.4をマークした。追い切り後に行われた共同会見での福永祐一騎手のコメントは以下のとおり。

【福永祐一騎手のコメント】
「(前走を振り返って)戦前からスローペースが予測されていましたので、東京新聞杯でちょっとスタートを上手く出すことができなかったので、スタートはある程度決めて、可能であれば前目で競馬したいなとは思っていました。

(最後の脚はどうだったか)いや、伸びていましたよ。本当に極端なスローペースでしたし、全馬が余力ある状態で4角を回っていましたし。ただインディチャンプに関しては、いいスタートは切って楽にポジションは取れたんですけど、その後極端なスローペースの中でスムーズな折り合いというのはすぐにはつけることはできなかったので、3角ぐらいまではムキになってかかるというよりは、随分、怒っている感じでしたね。納得はすぐにはしてくれなかったので、3角過ぎで馬ようやく納得してくれてからはリズム良くは走っていましたけど、そこの前半スムーズに行けなかった分、最後に伸び負けたかなというのはあります。

(勝った東京新聞杯と比べて状態はどうだったか)すごく馬はフレッシュで、やる気に満ちている感じではありました。調教の段階から随分、躍動感が増していい動きをしていましたし、もう一段レベルが上がったかなと思っていた中での一戦だったんですけど、一週前、当該週と2週追い切りで跨ったんですけど、あまり目一杯やらなかったですね、今思えば。返し馬で馬はやる気に満ちていたんですけど、正直、少し太め感は感じました。それはやっぱり自分の追い切りが少し足りなかったなとは思いましたね。

(1週前追い切りについて)1週前なので強めの負荷をかけておいてくれとの指示だったので、先行馬を追いかける形で行ったんですけど、担当の厩務員さんからは追い切りに乗る前に『ちょっとガスが抜けて良い感じになっているぞ』という声はかけられました。まさしくそのとおり、坂路を下ろした一本目からの雰囲気が非常にリラックスしていて、いい精神状態、いい動きでしたね。

(前哨戦と比べ、いい追い切りができたか)そうですね、一度使われたことで本当にいいガス抜きができているのかなという動きをしていました。

(今日の追い切りは確認したか)見ていません、どうでしたか?(51.6~12.4で一週前とあまり変わらない感じだが、時計を聞いた印象は?)まあ、音無流だなと思います。前回、自分が加減し過ぎて太かったので何も言えないです(笑)。

インディチャンプ

栗東坂路で安田記念の調整を行ったインディチャンプ

(速い時計への対応)持ち時計がある馬ですし、高速決着になっても問題ありません。

(初めて乗った一年前から比べての成長)当時から高いポテンシャルは感じていましたし、最初に乗せてもらった時も負けはしたんですけど、重賞は勝つ馬だなとは思いました。その通り、東京新聞杯で重賞を勝ってくれて、その時に『ああ、G1でもいい勝負ができる馬だな』とは思いました。ただ、東京新聞杯を勝った時は安田記念の時にこんなに強くなるとは思っていませんでした。

(強力メンバー相手で良さを引き出すために思い描いているレース)一番の持ち味というか武器は一瞬の切れ味だと思いますので、長く脚を使うタイプではありませんが、一瞬の反応、瞬間的な動きというのは非常に非凡なものを持っていると思います。

前回スローペースを見込んである程度の位置で競馬をしましたけれど、やはりあの馬の資質に合っていないというか、あのイラつきっぷりを見ていると、あまり得意なスタイルではないのかなというのは思いましたし、あくまでもスタート次第ではありますけど、いいスタートを切って、道中リラックスさせていい脚を使わせる競馬が、あの馬には合っているのかなと思います。楽に取れるポジションが前目であればあるにこしたことはないんですけど、意識的に前目に付けるとあまり良くないのかなと、正直、思っています。

福永騎手

(展開に注文が付きそうな雰囲気か)注文が付くと言うか、前目の競馬でもやろうと思えばできるんですけど、それだとなかなか持ち味を発揮できないんじゃないかなと思います。どの馬にも言えることですけど、今の高速馬場に対応するにはある程度前目のポジションでというのはジョッキーみんな分かっていますが、それができる馬できない馬、やったほうがいい馬やってはいけない馬、それぞれいろいろとあると思いますし。

そういった中で、もちろん最後方から直線一気で決まるような馬場ではないのは、結果を見てもそういう馬はあまりいないので。その中であの馬の持ち味を殺さず活かしつつ、今の馬場に対応できるような騎乗ができればと思っています。

(ファンに向けてのメッセージ)G1でも十分にいい勝負ができる馬だと思います。今回に関しては非常に強力な相手が揃いましたけど、この馬も持てるポテンシャルはそれほどヒケは取らないと思っています。コンディションは非常に良いですし、東京コースも重賞を勝っている舞台ですし、負けていない舞台です。僕自身は強力な馬たちを相手にどういった走りを見せてくれるのか、非常に楽しみにしています。前回ダノンプレミアムには完敗の形になりましたけど、コンディションは当時と比べると上がっていますし、馬の精神状態も非常に落ち着いてくれているので、その差は詰められるんじゃないかと期待しています」