【天皇賞(秋)】サートゥルナーリアは『好走する3歳馬の法則』に当てはまる?

サートゥルナーリア

天皇賞(秋)に斤量56キロで出走できる3歳牡馬。4歳以上牡馬の58キロより2キロ軽く、数字の上では有利に見える。長距離の菊花賞には目もくれず中距離のこのレースに照準を定めてきた3歳馬でも、ここ10年の成績は(0.2.1.11)勝率0%、複勝率21.4%と、成績は芳しくない。

その理由として、
・対戦経験の少ない古馬との序盤から厳しいペースが刻まれること
・まだ成長が古馬の一線級に追い付いていないこと
などが挙げられるだろう。

近10年、天皇賞(秋)で3着以内に入った3歳馬は以下の3頭。
2010年 2着 ペルーサ
2012年 2着 フェノーメノ
2014年 3着 イスラボニータ

イスラボニータは皐月賞馬で、フェノーメノはダービー2着。ペルーサにしても青葉賞(G2)を2分24秒3のレコードで圧勝していた。3歳春までのG1で連対するか、それに準ずるほどの力がなければ天皇賞(秋)では通用しないといえる。

今年出走予定の3歳馬は、サートゥルナーリア(牡3、栗東・角居厩舎)とランフォザローゼス(牡3、美浦・藤沢和厩舎)。皐月賞馬サートゥルナーリアは現3歳ではトップクラスの実力を持つだけに、初の古馬対決でもマークは外せない。

サートゥルナーリア

【C.スミヨン騎手のコメント】
「(跨った印象)表現が難しいですが、この様な馬に乗れる事を光栄に思います。特にこちらから言うことはない。自分から走っていた様に思いますし、ほぼ完璧な状態。とても扱いやすい馬でした。落ち着いていて、堂々としています。

(追い出しての反応は)これからJCや有馬記念といった大きなレースが続くこともあり、強く追うのもよくない事なので、今日は様子を見ただけだったのですが、(追い切りの)最後の直線では、彼自身が早くレースをしたいという闘争心があってこちらからは特に伝える事はなかった。もう少し速く走る事もできたが、レースで全力を出してもらいたいので抑え目にしました。

(仕上がりについて)以前、乗ったことがないので(判断するのは)難しいですが、今まで乗った馬の中でも特別にいい馬でした。なので先ほども言ったようにこちら促すことなく彼自身が心地よいと感じるスピードで走らせた。レース当日が楽しみです。

(兄のエピファネイアと比較して)兄のエピファネイアは力の強い馬で、落ち着かせるのが難しい馬ではありました。サートゥルナーリアの方がプロフェッショナルで自分に自信を持っています。兄とは違った性格の馬で、落ち着きがありどんなポジションからでも競馬ができる馬だと思います。

(この馬のレースを見たことは)去年のレースから見ています。日本ダービーでは勝てなかったですが、それ以外のレースでは勝っていたのでなぜ負けたのかわからないです。しかし、日本の馬の中でもとてもいい馬で、これから、まだまだ伸びしろがあると信じているので、JCの距離などももんだいないと思います。

(古馬との対決について)若いというのはアドバンテージだと思います。どんなスポーツでも経験は必要ですが、若い馬の方がこちらがそれほど追わなくても走ろうとしてくれます。私は(乗り馬が重なった際は)若い方の馬を選ぶようにしています。

(アーモンドアイについて)アーモンドアイだけではなくどの馬にもチャンスはあると思います。ただ(アーモンドアイは)ドバイでも結果を出していますし、世界の中でもいい馬です。なぜ休養を取ったのかはわからないですが、日本の馬はしっかりトレーニングをされていますし、厩舎でも素晴らしいケアをされていると思うので良い状態ではあると思います。ファンの皆様もレースを楽しみにしていると思いますし、そういったレースを"ショー"として見せるには同じレベルの馬が揃わないといけないと思う。サッカーやボクシングの様に同じレベルの馬がたくさんいる方がファンの皆様は喜んでくれると思います。

(東京2000mのポイント)スタートしてすぐコーナーがあるユニークなコース。なので1~8番くらいの馬が有利になると思います。もし、8番以降の枠になると、内を取るためにポジションをさげなければならないですし(最初の)コーナーである程度前にいる馬が有利だと思います。

(内枠か外枠かでは勝率がだいぶ変わってくるか)18番でも私には関係ないです。前回の天皇賞秋も(ブエナビスタ)で勝っている様に、18番でも勝てる自信があります。

(勝つための条件)とくに言う事はない。顔に出ていると思いますが自信はたっぷりあります(笑) サートゥルナーリアも同じような顔をしていました。自分が強いと思って自信があるからこそできる表情。傲慢だと思わないでください。

(ファンにメッセージを)こうして日本に帰ってくることができましたし、この2,3年,Twitter等を見ていると私に帰ってきて欲しいというコメントがたくさんありました。前は少し若かったのでミスも多かったとは思いますが、(ブエナビスタで)JCを負けたことにしこりが残っていたのでそれを克服するのに時間が必要でした。

16歳の時から、世界の大きなレースで勝ちたいというのが私の夢でしたし、その夢が叶おうとしています。大きなレースは複数勝ってきましたが、日本にもいくつものビックレースがあります。そういったレースに騎乗する機会をくださった、JRAの皆様、ノーザンファームの吉田さん、エージェントの木村さんに感謝したいと思います。海外でも日本の馬に乗ってレースをしたいと考えています」

サートゥルナーリア

【小滝崇調教助手のコメント】
「(前走について)体調自体はいい状態で送り出せたと思っていましたので、後はダービーでゲートを失敗しましたのでそこだけ心配していました。目立ったロスもなくスタートできましたし、いいポジションも取れましたので、あとは当たり前に競馬が流れてくれればいい競馬はしてくれると思っていました。もともと折り合いについては不安視していなかったので、あれくらいのペースでも全然大丈夫だと思っていました。

(あっという間に他馬を突き放しました)あれだけ脚が貯まればあれくらいの終いの脚は使ってくれると思っていましたので、単純にかけっこすればあれ位は走ってくれると思っていました。

(夏を越しての変化は)精神的に大人になったなというのが一番。あとは体が一回り大きくなって、攻め込んでもそこまでへこたれない体力がついてきたのかなと思います。

(最終追いでスミヨン騎手にはどんなオーダーを)ここ最近併せ馬をしていなかったので、リードホースを3頭置いて、それを見ながらいってくれたらいいよという事で。無理に抑えるわけでもなく、もともとは10馬身くらいの追走の予定だったんですが、結局1Fないくらいの間が空いてしまいましたけど、最後は追いかけているわけではないですが、距離がだいぶ詰まったところでゴールしました。騎手もいい感触を持ってくれたみたいです。サートゥルナーリアらしい良い追い切りを見せてくれたと思います。

(東京でのテンションへの懸念は)場所が変わると幼い面を見せて、ピーピー鳴いたりするんですが、最近はそういう面も少なくなってきているので、そこは成長していると信じて東京競馬場でゆったりしてもらいたいです。

(テンション面への対策は)ゲート裏には担当厩務員の方についていってもらいますし、もし当日入れ込みが激しいようであればいろいろ道具もつけてみようかなと思います。

(東京2000mの印象)2400でも1800でも問題ない馬だと思いますが、いざ走らせてみて一番能力を出せるのが2000~2200くらいだと思っていましたので、能力を出してくれたらなと思います。

(アーモンドアイと一騎打ちムードですが)はい。ありがたい話です。そういった強い馬たちにぶつかっていって、それでも一番強いというのを見せてくれたらと思います。

(意気込みを)秋初戦で、サートゥルナーリアらしいレースを見せてくれて一安心している所ですが、またここで最高の舞台で最高のメンバーと競馬ができるので、もう一つ強い所を見せたいと思っていますので応援よろしくお願いします」