【天皇賞・秋】アーモンドアイに不吉な予感?最近10年勝率0%の『鬼門』に挑む

アーモンドアイ

天皇賞・秋が行われる東京芝2000mといえば、スタートしてから2コーナーまでの距離が近いため激しいポジション争いが展開される。そして最後に待ち受ける長い直線、上り坂。古馬最高峰の戦いにふさわしく、スピードだけではなくスタミナも試されるのだ。

6度目のG1制覇を狙うアーモンドアイには絶好の舞台に見えるが、今回はローテーションに"不安"がある。安田記念以来の久々という点ではない。『前走マイル以下の距離を使っていた馬の不振』だ。

最近10年で以下の7頭が出走し、リアルスティール以外は全て4着以下に沈んでいる。
10年 スーパーホーネット 11着
10年 ショウワモダン 17着
12年 サダムパテック 8着
13年 フラガラッハ 9着
16年 リアルスティール 2着
18年 スワーヴリチャード 10着
18年 ブラックムーン 12着

前走マイル以下の距離を使っていた馬の成績は(0.1.0.6)。ショウワモダンやスーパーホーネットのように安田記念で好走していたような馬が含まれているのに、勝率は0%だ。出走頭数は違えど、今回と同じ2000m以上を使ってきた馬の成績(6.6.5.89)との差は一目瞭然。末脚の持続力勝負になりやすい天皇賞・秋では、前走マイル以下の距離を使ってきた馬には厳しい結果が出ている。

昨年は安田記念3着から参戦したスワーヴリチャードが、スタート直後にアクシデントがあったとはいえ1番人気で10着に敗れた。今年の出走予定馬で、前走マイル以下の距離を使っていたのはアーモンドアイ(牝4、美浦・国枝厩舎)、ダノンプレミアム(牡4、栗東・中内田厩舎)の2頭。アーモンドアイにとっては、条件が大幅に変わることがウィークポイントになる可能性はある。

美浦

【国枝栄調教師のコメント】
「1週前追い切りの動きも良かったですし、最終追い切りも先週やっている分素軽かったと感じました。前の馬を捕まえにいって終いがどういう感じが見ましたが、アーモンドアイの動きができていました。休み明けの分割引きは必要かもしれませんが、良い感じで調整できていると思います。これまで休み明けでも結果を出していますし、今回も同じようにきていると思います。

前走はスタートで不利もあって、アーモンドアイの走りができなかったことが残念でした。今回は期待に応えて、良い競馬ができればと思っています。東京2000では、スタートしてから外めのポジションになるといろいろな不利もありますし、できれば内枠を引いてスタートを決めたいですね。ゲート練習は先週もやりましたし、これからレースまでの間にもやる予定です。いろいろな形の競馬ができる馬ですし、スタート次第でクリストフに任せます。

これだけの馬ですし、ジョッキーに馬の状態を把握してもらうために2週続けて追い切りに乗ってもらいました。追い切り後に話しましたが、ニコニコして幸せそうな顔をしていましたよ。

相手も豪華でG1馬がたくさんいるので気になりますし、これまで対戦していないサートゥルナーリアにも注目しないといけないかと思っています。強いメンバー相手に良い結果を残してもらいたいです。注目を浴びることは光栄だと思いますし年度代表馬を狙える立場にある馬だと思うので、期待に応えてもらいたいです」

【ルメール騎手のコメント】
「1週前追い切り後は少し息が乱れましたが、最終追い切り後は全然疲れていませんでした。アーモンドアイは仕事をよく分かっていて、追い切りでもズブくはありませんがゆっくり仕事をしてリラックスしている感じだったので、最後に肩ムチを入れて少しプレッシャーをかけました。ちょうど良い動きでしたし、休み明けでもすごく良い競馬ができると思います。

去年のジャパンカップのときのようなトップコンディションとまではいきませんが、秋華賞のときと同じくらいの状態だと思います。前走はスタート以外はすごく良い競馬ができましたし、ラスト3ハロンくらいでは良い脚を使ってくれました。結果は残念ですし、スタートでポジションを下げていなければ勝てていたと思います。去年はたくさんG1を勝って今年もドバイでG1を勝ちましたし、たくさん馬はいますがほとんど負かしていますからね。

3歳馬だけ初対戦で、サートゥルナーリアも速い脚を使えて軽い走りで加速するレベルの高い馬なので対戦が楽しみですが、アーモンドアイが1番強いと思います。アーモンドアイは、ゲートでたまにすごく良いスタートを切ったり出遅れたり、ゲートを出てみないと分からないところがありますが、乗りやすくてどの位置からでも競馬ができるので心配はしていません。

天皇賞を勝つには、他の相手をリスペクトして、トップコンディションで臨んで良い競馬をすることが必要になります。本当に天皇賞は楽しみな競馬ですし、皆さんアーモンドアイを応援してください」