【エリザベス女王杯】息長く走るフロンテアクイーンは「とても乗りやすくて真面目な女の子」

美浦

3頭併せで追い切られたフロンテアクイーン(右)

6日、エリザベス女王杯(G1)の追い切りが美浦トレセンで行われた。

●前走、府中牝馬S2着のフロンテアクイーン(牝6、美浦・国枝厩舎)は、津村明秀騎手を背に南ウッドチップコースで追われ、5F67.0-52.5-38.7-12.8秒をマークした。

【国枝栄調教師のコメント】
「3走前、2走前の内容がもうひとつだったので前走もどこまでやれるかと思っていましたが、スムーズなレースができて終いも前の馬を捕える感じで伸びてくれましたし、負けはしたものの良い競馬ができたのではないかと思います。

随分と落ち着きが出てきて、その分走れないところがあるかと思っていましたが、前走を見ると落ち着きが良い方に出ているかと思います。

これまで常に良い競馬ができていてこの年齢でも走る気持ちが衰えていませんし、メイショウサムソン産駒は息長く走れるのかなと思います。この中間も気になるところはありませんし、良い感じできていると思います。

最終追い切りは前に2頭置いて終いだけ反応を見る形でやりましたが、動きは良かったと思います。元々調教駆けする方ではありませんが、先週、今週と良い感じで動けていました。

去年のエリザベス女王杯では前が詰まるところがありましたが、終いはしっかり伸びてきましたし今年も上手く運んでくれればやれるのではないかと思っています。ペースにも寄りますが、中団辺りにつけて終いは間を割ってきてほしいと思っています」

【津村明秀騎手のコメント】
「前走は初騎乗で、1回調教で乗せてもらって競馬に臨みましたが、とても乗りやすくて真面目な女の子という印象でした。積極的な競馬をしようと思っていて、好位につけて有力馬を見ながら運べたので良かったです。競馬が上手な馬で安定して走れている良い馬だと思っていましたし、その印象通り乗り難しいところがない良い馬でした。

今回の最終追い切りは、折り合い重視で乗るようにしました。前走の追い切りのときは5ハロン過ぎから力んでしまって上手くいかないところがありましたが、今回はガスが抜けて良い意味でこちらに対して従順になっていて前回のときよりも上手くいったと思います。この年齢でもまだ馬が良くなっていますし、成長していると思います。

2200はそれほど走ったことのある条件ではないので何とも言えませんが、去年のレースを見ると前が詰まっても終いに伸びているので心配ないかと思います。

器用で競馬が上手な馬なので、大雑把な競馬をせずに馬群のなかを上手く縫いながら乗りたいです。G1で相手が強くても頑張ってくれる馬ですし、僕も頑張って乗りたいです」

美浦

最終追い切りはソフトにこなしたゴージャスランチ(右)

●前走、日本海S1着のゴージャスランチ(牝4、美浦・鹿戸雄厩舎)は、三浦皇成騎手を背に(レースでは幸英明騎手が騎乗予定)南ウッドチップコースで追われ、5F70.3-55.0-40.3-13.4秒をマークした。

【鹿戸雄一調教師のコメント】
「前走は頭数も少なかったですし自分のペースでノンビリ走れたので、最後まで頑張ってくれましたね。逃げる形になったのは蛯名騎手が考えて乗ってくれたんだろうと思いますし、だいぶこの馬自身も力を付けてきていました。

元々脚元の不安がありましたがその辺りが落ち着いてきた分稽古をしっかりできるようになってきましたし、馬体も良くなっていろいろ上手く噛みあってきて力を出せるようになったと思います。

レース後は山元トレセンへ放牧に出して十分ケアしてもらって、約1ヶ月前くらいに帰厩してその後も順調にきています。オーナーサイドから、出られるようならエリザベスへ行こうと話していて、前走から十分期間があって休ませることもできましたし良い状態に戻すことができました。

追い切りはいくらでも走れるタイプなので、最終追い切りはやり過ぎないように気を付けました。三浦騎手に乗ってもらってやる気にだけさせる感じでやりましたが、良い状態で送り出せると思います。

距離は特に問題ないと思いますし、若い頃からいろいろな場所へ輸送していて京都にも行ったことがあるのでその点も問題ありません。今回は幸騎手に乗ってもらうことになりましたが、たくさんG1を勝っていてこのレースも勝っているジョッキーですし、しっかり乗ってくれると思うので心配はしていません。

これまでは道中に力むところがありましたが、落ち着いて走れればこの馬の力を出せると思います。今回はG1で相手もすごい馬が揃っていて簡単にはいかないと思いますが、馬の体調は良いのでそれを生かして差を詰められればと思っています」

美浦

●前走、丹頂S1着のポンデザール(牝4、美浦・堀厩舎)は、助手を背に南ウッドチップコースで追われ、6F83.9-67.9-54.1-40.4-13.3秒をマークした。

【上原助手のコメント】
「去年の今頃よりも馬体重がだいたい30キロくらい増えていて、その成長に伴って競馬の質も上がってきています。元々素質がある馬ですし、ようやく能力を発揮できるようになってきたという印象を受けています。

今はだいぶコンディションが上がっていますが元々体質が強いタイプではありませんし、よく馬の状態を見極めて次に向かう、というステップを確実に踏んできているという感じです。この4連勝も1走ずつ内容が良くなってきていますし、次ももう一段階上のパフォーマンスを見せてくれるのではないかと思って楽しみにしています。

前走はどれくらいの競馬ができるのか僕らも半信半疑でしたが、僕たちの期待を良い意味で裏切るようなパフォーマンスをしてくれて驚きました。レース後はすぐにエリザベス女王杯を目標にということで決まって、スケジュールを組んできました。

札幌から1度放牧に出して1ヶ月前に帰厩して、それからは逆算して調教を十分に積んできていますし順調にきています。元々カイ食いが旺盛な方ではありませんでしたが、ようやくしっかり食べるようになってきましたしそれに伴ってこちらの要求通りの調教をこなせるようになってきました。肩回りや後ろ脚の方など付くべきところに筋肉が付いて、ひと回り大きくなったような印象です。

最終追い切りは輸送を考慮して終いの反応の確認程度に止めましたが、6ハロンからしっかり時計を出していますし先週までで十分乗り込んできているので、負荷は十分かかったと思います。

あとは輸送をクリアすることに専念していきたいと思っています。長時間輸送の後はカイ食いが落ちる傾向にあるので、輸送は一応木曜日を予定して早めに京都競馬場へ移動して、状態次第では金曜、土曜は京都競馬場で少し調教を積んで状態を整えていくというプランを立てています。

距離は問題ないと思いますし、特にコース形態や展開に注文が付くタイプではないと思っています。ジョッキーは当初ムーア騎手を予定していましたが、急遽今週末もオーストラリアで乗ることになったので、藤岡康太騎手で向かうことになりました。

当日の馬の状態や枠順によって調教師とジョッキーが相談して作戦を立てると思います。斤量が増えることに関しては少し不安な面はありますが、こればかりは走ってみないと分からないので、何とか対応してほしいという気持ちです。

G1で相手が強くなりますし、どれくらいやれるのかというのは半分楽しみ半分心配、というような感じですが、本当に今は成長力が著しくて馬体も走りの質もどんどん進化しているので、ここでどれくらいやれるのか楽しみにしています。まだ未知の能力を秘めている可能性もあると思っていますし、ファンの皆さんもこの馬の成長力に期待していただいて一緒に応援していただけたら、と思っています」