【高松宮記念】圧勝したのに……ダノンスマッシュ前走から調整法を変えて大丈夫?

ダノンスマッシュと岩本龍治調教助手

ダノンスマッシュと岩本龍治調教助手


【ダノンスマッシュ陣営独占インタビュー・後編】

-:5歳牡馬のスプリンターにとって、中2週というのはきついローテーションになりますか。

岩:馬にもよるんじゃないですかね。テンションの高い馬だと、回復するのが大変だと思います。ダノンスマッシュは落ち着き払っている子なのでオーシャンS後もすごく回復が早く元気が良かったぐらいです。だから中2週だろうが全然気にしていないですよ。

-:これまでのダノンスマッシュは、レース前は坂路で追い切られたことが多い馬です。今回はCWコースで追い切って、これまでとは違う調教パターンで向かうわけですね。

岩:大舞台に向けて、色々課題をクリアさせていかないといけないというのがあったと思うんですよね。この馬にはできることだと思っているから、坂路ではなく馬場での追い切りを選択したんだと思います。

-:これまでの臨戦過程を変えて、結果がどう出るか?厩舎サイドがより走るという方向に持って行こうとする思いの表れなんですね。

岩:良い方に出ると思うんですけどね。そういう所は、本当に素直で良い子なのでね。走りは真面目ですしね。

-:精神面の話なんですけど、3歳の時までは「男馬としてはちょっと繊細な所がある」という話をされていたと思うんですけど、5歳になって、レースを使って変わってきましたか。

岩:3歳の時は競馬場で僕にちょっかいばっかり掛けていたんですよ。体力的にも余裕がなくて、パドックでの動作も反抗する所が多かったんです。今は本当にカナロアに似てきたのか、ドッシリと楽に歩いていますよね。年を重ねて良い意味で余裕が出てきましたね。

-:去年のスプリンターズSよりも成長していると。

岩:本当に大人になってきたなという。顔からしてそうなんですけど、子供っぽいじゃないですか。この馬なりには内面的にちょっとシッカリしてきましたよ。

ダノンスマッシュ

-:香港スプリントでは親子制覇を期待していたファンも多かったと思いますが。

岩:出遅れた時点でね。具合は良かったんですけど、あれが尾を引いてしまいましたね。出遅れたにしても、ちゃんと伸びてきて、あそこまで来ているから無駄ではなかったと思うんですけどね。

-:レース後にデットーリ騎手とは話しましたか。

岩:馬を迎えに行ったら話はなく、付けていたゴーグルを僕にくれました。僕が普段着けているゴーグルはフランキーのものです。あれは宝物です。

-:良い思い出ですね。

岩:本当はダノンスマッシュが勝ってデットーリジャンプを見たかったんですけどね。

-:今回は試行錯誤をして、向かう高松宮記念ですね。いつも通りではなく、この馬で大きい所を獲りたいという厩舎サイドの策が練られたG1挑戦になる訳ですね。

岩:それが良い方に向けば、本当にありがたいことですけどね。

-:岩本さんから見て、中京1200の難しさはどう感じますか。

岩:中京競馬場は中山と違って内が伸びるので、本当に枠番次第で人気のない馬も来れる舞台だと思います。本当に枠次第でこんなにも変わるのかと思い知らされるコースなんですよ。ただただ、良い枠を引けたら結果が出ると思うんですよね。

-:しかも、例年とは違って、今週は中京での開催はないということで、1週傾向が見られないで、いきなりG1週が来てしまうということですからね。最後に、ダノンスマッシュがG1馬になると期待しているファンにメッセージをお願いできますか。

岩:去年は人気を背負ったにもかかわらず、結果通りにはいかなかったんですけど、今年は大人になったダノンスマッシュを見て下さい。頑張りますので。

-:ちなみに、パドックはダノンスマッシュとダイアトニックのどちらを曳かれるのですか。

岩:もしかしたら、パドックまでダイアトニックを引っ張って、ゲート裏ではスマッシュを引こうかなと現時点では思っています。

-:ありがとうございます。

(終わり)