●まだまだ底知らずのダンツキャッスル ユニコーンSへ

予想は別の記事に記しまして、こちらは先週から今週にかけて阪神競馬場やトレセンで見聞きしたものについて。

まず、ユニコーンS(G3)に出走するダンツキャッスル(牡3、栗東・谷厩舎)です。

当欄を良く読んでもらっている人なら、「谷潔厩舎・ダンツの冠名」といったら、ダンツゴウユウをよく取り上げていることで知っていただけるかもしれません。その通りです(笑)。その僚馬ということで密かに注目していたのが、同じ厩舎・オーナーのダンツキャッスル。贔屓目抜きに前走の500万下戦(京都ダート1800m)は非常に味のある内容だったんですよね。

ダンツキャッスル

ダンツキャッスル

レースは最内枠からのスタート。砂を被りたくないからでしょう。ゲートを出ると、鞍上の幸英明騎手は意を決したようにスタートを主張します。2番人気ということもあり、周りも決してみすみすとは行かせてくれませんでしたが、終始、マークに遭いながらの形で、5F通過は61.9秒と厳しい流れ。3角過ぎでも他馬が早めのスパートを掛けてきます。しかし、そこからが独壇場。上がり最速の末脚で他馬を突き放すと、終わってみれば、5馬身差の完勝でした。

「僕が担当してからは4戦くらいだけど、幸騎手から『モタれるところがあるから、リング(ハミ)に替えてほしい』と言われて、その効果もあって未勝利戦を圧勝してくれました。前回(あずさ賞)は芝だったし、ダートの方が向いていると思いましたからね。最後もまだ余裕がありそうな勝ちっぷりでしたね」

振り返ってくれたのは担当の木埜山賢厩務員。この馬を手がける前から素質は感じていたそうですが、それは他の厩舎スタッフも同じ。追い切りをつける元ジョッキーの安藤光彰調教助手やダンツゴウユウを担当する安藤正平調教助手もこの馬の能力は評価していました。

ダンツキャッスル

担当の木埜山(きのやま)厩務員

その素質が開花したきっかけは4走前からダートを試したことに他ならないでしょう。初ダートの未勝利戦こそ「1枠1番で、出遅れ。キックバックを受けてハミをとらなかったんですよね」と語るように敗因は明確。ここまで3戦して、底を見せていない点は魅力です。ただし、決して死角がないわけではありません。

「ゲートで潜ろうとしますからね。ゲート練習で縛ったりはしていますが、普段も気の強い馬で、洗い場で立ち上がったり、馬運車から降りたら、運転手のオッチャンに飛びかかったり…油断ができません(苦笑)」

先程も触れた通り、ゲートの課題はつきまとう上、気性面の激しさも。それも納得、風貌は鋭い目つきに、ゴワついたタテガミ。いかにも荒々しさを漂わせます。推測ですが、父ルーラーシップの産駒は気性の難しさを抱えているイメージ。そこが影響しているのかもしれません。

ダンツキャッスル

しかし、「それも勝負根性に繋がっているのかもしれませんね。走ることには前向きですから」と木埜山さんは言います。一気の相手強化、ワンターンの競馬、砂をかぶった際の不安…他にもクリアすべきポイントはあるのですが、ここまでのパフォーマンスと向こうっ気の強さなら、ヒケはとらないのではないでしょうか。

●キャッスルの素顔&担当者は元トラックマン

競馬では勝負根性の強さや普段は激しい気性をみせるダンツキャッスルですが、「かわいいところもあるんです」と評します。

以前、とある日に馬房を覗くと、不安そうな眼をしていたダンツキャッスル。普段ならよく食べるし、よく水も飲む。それがカイ食いは悪く、異変を感じたところ、折れた歯が口の中で内側を向くように傾き、舌に当たっていたそうです(写真のコレがその歯です)。

ダンツキャッスル

すぐに獣医さんの処置も受け、事なきをえたそうですが、こうしたエピソードもどんどん紹介してくれる木埜山さん。聞けば、大手自動車メーカーに務めるも、競馬が好きでこの道を意識。縁があって競馬新聞社「一馬(現・優馬)」でトラックマンとして数年ほど勤務。その後、千葉県での牧場勤務を経て、当時の年齢制限ギリギリで競馬学校厩務員課程に合格されたという異色のキャリアの方です。

僕も話を伺わせていただいて、惜しげもなく色々語ってくれる方だな、と感じていたところ、メディアを経験されていたと聞いて合点がいきました。そんな木埜山厩務員ですが、千葉県の出身ながら、東京・中山での勝利を経験したことがなく、担当馬での重賞は未勝利とのこと。「いつか重賞を勝つのが夢です」という仕上げ人。タイトルを意識しているというダンツキャッスルの今後の歩みを見守っていきたいです。

ダンツキャッスル

特別に立ち写真を撮影させてくれました

土曜東京競馬で木埜山厩務員のもう一頭の担当馬・メイクアップが競走を中止。検査の結果、予後不良と診断されたそうです。予定通りなら、ダンツキャッスルと一緒に馬運車に乗って、東京にやってきた厩舎の先輩でもあります。ご冥福をお祈りします。

ダンツキャッスル

ダンツキャッスル

●北海道から離れる・向かうヤングジョッキーたち

ここからは夏競馬に臨む若手ジョッキーに夏へ向けての意気込みを聞いたんです。

まずは日曜の函館スプリントS(G3)アスターペガサス(牡3、栗東・中竹厩舎)に騎乗する小崎綾也騎手

「アスターペガサスは函館で2戦2勝ですし、なんと言っても年長馬より斤量が5~6kg差がありますからね。そこは有利じゃないかと思います」と一発を期待。

ただし、この話を伺ったのは週中の栗東トレーニングセンター。というのも、今年は北海道遠征を行わず、栗東を拠点に夏競馬は騎乗していく予定。「関係者と相談して、今年は行かないことにしました。夏といえば、2歳戦や重賞などの騎乗機会が巡ってきやすいと思っています。チャンスを掴みたいです」と意気込まれていました。

ちなみに、これまで北海道での騎乗が中心だったため、真夏の本州での騎乗経験が極めて浅い小崎騎手。猛暑の中での騎乗で体調を崩さぬよう、頑張ってほしいところです!

また、初めて函館を拠点に騎乗するのが富田暁騎手。今年は昨年より勝ち星のペースが落ちており、本人も歯がゆい思いもあり、思い切って環境を変えることになったようです。

「初めての函館ですが、ここで自分をどんどんアピールしていきたいですし、浮上のキッカケとしたいです。先生(木原一良調教師)にも『頑張ってこい』と後押ししていただきましたし、函館はまた中央場所とは違った雰囲気ですからね。馬も落ち着いていますし、競馬と調教に集中しやすい環境だと思います」と1週前の阪神で語ってくれていました。早速、初日の9Rで勝ち星を挙げていられて何よりです!

ただ、一つ気になるのが富田暁騎手のイケメン度合いを引き立てる、その髪型。今はツーブロックのようなヘアースタイルですが、行きつけのサロンから離れる北海道シリーズ。イケメンの髪型は今後どうされるのでしょうか。(笑)。