●状態は前走以上のシゲルピンクダイヤ 課題は輸送と馬体重

今週はオークス週&日本ダービー1週前。久々に水曜朝の栗東トレセンにいってまいりました。今回は、ダービーについてはインタビューのコーナーでこってりと展開していく予定。ここではオークス(G1)出走馬を中心にレポートしたいと思います。

まず、前走・桜花賞時も当欄で採り上げさせていただいたシゲルピンクダイヤ(牝3、栗東・渡辺厩舎)。7番人気の低評価でありながら2着に好走と能力を示してくれました。しかも、18頭立ての16番枠。ゲートではもともと駐立がいい方ではなく、スタートで後手を踏む展開に。結果、高速決着ではありますが、序盤はそこまで流れず、前が残れる展開の中、差し込んできた脚は秀逸でした。

「もともとイレ込みやすいところがあって、出遅れる形に。直線では内を突く形になりましたが、レースのプランは事前に話していたわけではありません。和田のファインプレーですよね」

シゲルピンクダイヤ

気性的にも馬房では少し距離をとって拝見しました

管理する渡辺薫彦調教師が振り返ってくれました。ご存知の通り、元ジョッキーの渡辺薫彦調教師と和田竜二騎手は、年齢も騎手としてのデビューも2年違いという間柄。現役時代にライバル馬の鞍上同士でもありましたが、「和田とは(騎手時代に)切磋琢磨した仲。競馬の考え方も合うんですよね」とのこと。立場が変わった今も良好な関係が築かれていることが窺えます。

しかし、騎手・厩舎のコンタクトが充分でも、先程のコメントにもあったように心配する点があることも事実です。それはテンション。前回の記事でも記させてもらった通り、レースにいってしまえば折り合いの不安があるわけではないものの、厩の仕草をみても気性の激しいタイプ。これまで関西圏での競馬ばかりだったこともあり、課題に挙がるのも必然です。

「初めての長距離輸送の競馬がどう出るか…。馬場に出てからイレ込むので、今回はメンコを二重にしたり、待機所でスタッフにつかせたりするなど、工夫をしてみようと思います」と対策を講じるようです。

「理想は馬込みで内からズドンという競馬」とVロードをイメージするトレーナー。なお、未勝利勝ち後に発症した繋靭帯炎の影響はもはや感じないそう。状態面は、自身が日頃から調教をつけており、いい感触を得ているだけでなく、獣医さんのお墨付きを受けたそうです。

他に課題を挙げるとすれば、馬体重でしょうか。その点は、担当の上浜智幸調教助手も「今(5月15日)が460kg。マイナス2~4kgにとどまってくれれば」と見通しを語ってくれました。

キャリアが浅い分、乗り越えるべき課題もありますが、桜花賞でみせた末脚は能力の証。今回も一発を期待したいです!

●デキ、距離 前進する要素が揃うエールヴォア

一方、前日最終オッズでは9番人気に留まっているエールヴォア(牝3、栗東・橋口慎厩舎)も見させていただきました。前走の桜花賞では、内枠を引いたことで結果的に後手を踏む形。3歳牝馬としては超がつく大型。しかも、大トビで長くジワジワ脚を使いたいエールヴォアにとっては、不向きな競馬となってしまいました。それでも、上がり2位の32.9秒で差してきたように可能性を感じた方も多いのではないでしょうか。

エールヴォア

エールヴォア

ちょんまげがトレードマークのエールヴォア 験担ぎで続けているようですよ

「短距離を走るような小脚も使える馬と比べると、分が悪かったですね…。でも、前回を観ると、瞬発力も少しずつ付いてきましたね。でも、本来は自分から動いていくような形がベストですから」

教えてくれたのは担当の五十嵐公司調教助手。一見、イカツイ風貌の方かと思いきや(すみません!)、むしろ取材もウェルカムなオープンな方。オットリ系のエールヴォアとハキハキ系の五十嵐助手。ナイスカップルなのかもしれません。

余談を書き過ぎました(笑)。ただ、桜花賞だけでは、今回の推し材料には欠けますね。状態面を伺うと「もともとオークスが向いていると思っていましたし、先週の感触が良かったので、今週は調整程度に留められました」と語ってくれました。それは耳寄りな情報ですね。

また、今回は桜花賞組だけでなく、2走前のフラワーCで敗れたコントラチェックとの再戦にもなります。「フラワーCの当時も早めに帰厩させて、しっかり乗り込んだつもりでしたが、使いつつのところもあるのでしょうね。調教だけでは出来きっていなかったようです。3戦でオークスに向かえたらというイメージでやってきましたし、目標としていたレースなので」とのこと。

休み明けを使いつつ出来上がってきた今回。条件も追い風だけに、人気以上のパフォーマンスがあっても不思議ではありません。

●5年目のヤングジョッキーが先輩から受けたアドバイスとは?

それと、もう一人、話を聞かせてもらったのは新潟メイン・韋駄天ステークスライオンボス(牡4、美浦・和田郎厩舎)に騎乗する鮫島克駿騎手。前走の邁進特別では、初の千直戦に挑んだパートナーを導き54.1秒の好時計勝ち。2戦連続二桁大敗からの一変には驚かされました。

「返し馬の雰囲気がよかったんですよね。でも、控えた時がサッパリのようですし、余程千直の相性があったのだと思います。中1週、昇級は気になりますが、前回より内枠に入らなければ…」と控えめながらも見通しを語ってくれました。

千直戦といえば、スタートが鍵。その秘訣も明かしてくれました。

「自分でゲートを出せなかった馬がいて、ユーイチさん(福永祐一騎手)が乗ったらポンっと出るようになって驚かされました。それで、どうやったら上手く出せるのか、アドバイスをしていただいたのですが、細かく、丁寧に教えていただきました。その甲斐もあって、この新潟でもゲートを意識して実践するようにしたら、効果が出るようになったんです」

克駿騎手はもともと千直戦との相性の良さを感じとっているようですが、先輩騎手の助言で更に腕を上げたのなら、今後もますます楽しみ。ちなみに、次週はダービーデーの東京競馬場で騎乗するそう(目黒記念のケイティクレバー)。「ダービーデーの雰囲気を味わいたいです」と心待ちにしている様子。5年目の若手ジョッキーの奮闘に今後も注目・応援をしていきたいものです!