過去10年攻略データ

1965年にハンデキャップの重賞として創設され、第1回は砂1800mで行われた。その後、1981年に現在の芝1200mとなり、高松宮記念が1200mのG1となるまでは中京名物の電撃6ハロン戦として親しまれた。1990年にG2に格上げされながら、2006年にG3に格下げとなるなど、高松宮記念とは対照的な歴史を刻んでいるが、2012年よりサマースプリントシリーズの対象レースとなり、2018年の勝ち馬アレスバローズは続く北九州記念も連勝してチャンピオンとなっている。

好走ローテは様々!

[前走レース]好走ローテは様々で、高松宮記念からひと息入れた馬が2勝、京都開催の安土城S組が2勝で勝率、連対率はほぼ互角。3頭と該当馬は少ないが、阪神牝馬Sからこちらへ矛先を向けた馬が1勝、2着1回。前走が準オープンからの昇級戦、格上挑戦も好走馬が出ていて、前走の格はあまり気にしなくてもいいだろう。


年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-2-0-13前走1着3-3-1-14
4歳1-1-2-16前走2着1-0-0-4
5歳5-4-4-36前走3着0-1-3-13
6歳4-2-3-37前走4着0-1-3-6
7歳0-1-0-15前走5着3-0-0-12
8歳以上0-0-1-17前走6~9着1-2-2-35
前走10着~2-3-1-49

過去10年注目データ

[年齢]過去10年、5歳馬が5勝。6歳馬が4勝、歴戦の古馬がそのキャリアを存分に生かしている。まず5歳馬は要チェック。3歳馬は2度の2着があるが未勝利。6歳馬も頑張っているレースだが、7歳以上になるとアベレージは急落。割引と考えたい。

[前走着順]過去10年、前走から連勝を果たした馬は3頭。それよりも、前走5着以下だった馬が6頭勝ち上がっていて、2着は5頭が前走で掲示板を外していた馬が一気に着順を上げている。多くは重賞実績を持っていた馬で、人気を落としている実績馬は要注意。

[枠順]枠番別では6枠が3勝、3枠、4枠、8枠がそれぞれ2勝と偏りがある。連対がないのは1枠で、2枠も2着と3着が1度ずつと苦戦している。内枠はややマイナス。
馬番別では「11」が3勝、「6」が2勝。馬券絡みがないのは「2」と「18」の2つ。連対がないのは「1」「2」「4」「5」「9」「13」「18」。

[脚質]過去10年、4角先頭の馬は(1.2.2.5)と5頭が馬券圏内に粘り込みを見せている。一方で4角10番手以下の追い込みも度々決まっていて、好走馬の脚質は非常にバラエティに富んでいる。逃げ馬の粘り込みに警戒しながら、柔軟に構えたい。

1番人気は大苦戦…

過去10年、1番人気は(2.1.1.6)と大苦戦。2番人気と4番人気が3勝で、勝ち馬は9頭が4番人気以内だが、3連単が5番人気までの組み合わせで決まったのはわずか2度で、ハンデ戦らしくヒモ荒れの傾向が強く出ている。1番人気から堅く攻めるより、人気薄から手広く勝ってみるのも面白いかもしれない。

プラスαデータ

人馬ともに『西』が圧倒!

出走機会が圧倒的に少ないこともあるが、過去10年、関西馬8勝に対して、関東馬は2勝。関東馬の馬券絡みはその2勝だけと、西優勢のレース。ジョッキーはさらにその傾向が強く、過去10年、連対したジョッキーは全て栗東所属のジョッキー。唯一の馬券絡みは12年に3着だったダッシャーゴーゴーの横山典騎手だが、1番人気に支持されてのもの。上位人気に支持された美浦のジョッキーもいるが、連対すら果たせておらず、西の厚い壁に阻まれている。

[キャリア]5歳馬、6歳馬の活躍が目立つレースだが、キャリアを見ると勝ち馬はいずれも30戦以下で、6頭が20戦以下。叩き上げのタイプより、遅れてきた素質馬が花を開かせるパターンが多い。ただし、3着馬は幅広いキャリアから出ていて、3連単や3連複のヒモは手広く考えたい。

[乗り替わり]乗り替わりの機会が多いレースで、勝ち馬は乗り替わったコンビが6頭とリードするが、2着はイーブン、3着は前走と同じコンビが7回とリードし、勝率、連対率、複勝率いずれも前走と同じコンビがリード。乗り替わりはややマイナスとみたい。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、中京の芝1200mで最も多くの勝鞍を挙げているのは福永騎手の10勝。唯一の2ケタ勝利で単複ともに回収率が100%を超えていて、非常に心強いジョッキーだ。以下、藤岡康騎手7勝、幸、川田、武豊騎手が6勝、松若騎手5勝と続く。C.ルメール騎手は騎乗機会が少ないとはいえ、(2.3.5.8)と取りこぼしが多い。

[馬体重]勝ち馬の最軽量は16年レッドファルクスの466キロ、最重量は09年プレミアムボックスの534キロ。500キロ以上の大型馬が5勝していて、450キロ以下の馬で馬券絡みを果たしたのは12年2着のスプリングサンダー、15年2着のダンスディレクターの2頭だけ。迷ったら馬格のある馬を選ぶのもひとつの手だ。

[種牡馬]過去10年でディープインパクト産駒が3勝。サクラバクシンオー、アドマイヤコジーン産駒が2勝。数字が示す通り、ディープインパクト産駒は出走機会3連勝中で、好相性であるのは間違いないのだが、2~3着は1頭もおらず、いわゆる『ピンパー』の成績になっている。リピーターが多いレースで、過去に好走した馬は注意を払いたい。

[ハンデ]過去10年、トップハンデの馬は3勝。2014年ベルカントが1番人気5着、同年ルフォンターナ2番人気8着と敗れているが、上位人気に支持された馬はトップハンデを課されても好走している。無理に軽量馬を狙いに行くのは得策ではない。

データの決断

遅れてきた素質馬が花を咲かせる。そんなレース傾向にピッタリ当てはまるのが準オープンを勝ってここへ挑む5歳馬レッドアンシェル。形の上では昇級戦となるが、重賞やオープン特別で何度も好走している実力馬で、データ面から大きなマイナスは見られない。ここを勝って、スプリント路線の主役候補へ名乗りを上げたい。