過去10年攻略データ

1952年に皐月賞の前哨戦「中山4歳ステークス」として創設。1954年より施行時期が6月下旬に移り、「日本短波賞中山4歳ステークス」「日本短波賞」「ラジオたんぱ賞」とレース名が変更されて、2006年から現在の名称となり、別定戦からハンデ戦へと変更になっている。3歳限定の重賞では唯一のハンデ戦で、ハンデ戦らしく伏兵馬の激走も多くあって、5番人気以内のみの決着は過去10年でわずか1回。2ケタ人気も4頭が馬券に絡むなど、配当妙味たっぷりのレースでもある伝統の3歳重賞をデータで紐解きたい。
2011年は中山競馬場で施行

オープンで揉まれてきた馬が強い!

[前走レース]過去10年で2勝を挙げているのが、プリンシパルS、青葉賞の両ダービートライアル出走組。プリンシパルS組は2~3着もそれぞれ2回あって、相性の良さが光る。その2レースに連対率でヒケを取らないのが白百合Sで1勝、2着3回。また、NHKマイルC組も勝ち馬は出ていないが、2着1回、3着3回と多く馬券に絡んでいるのは見逃せないポイント。着順にかかわらずオープンで揉まれてきた馬は注意が必要だ。
なお、ダービーに出走してここへ臨んだ馬は、1番人気だった10年トゥザグローリー(5着)を含む4頭全てが着外。京都新聞杯組も6頭全てが着外に沈んでいる。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
1番人気2-3-1-4前走1着6-4-2-46
2番人気4-1-1-4前走2着0-2-0-5
3番人気1-1-0-8前走3着1-1-1-4
4番人気0-1-0-9前走4着1-0-1-8
5番人気2-0-2-6前走5着0-0-0-5
6~9番人気1-2-4-33前走6~9着2-2-3-23
10番人気~0-2-2-56前走10着~0-1-3-29

過去10年注目データ

[前走着順]過去10年、前走から連勝した馬は6頭。2着4回、3着も2回あって、勝ってここへ挑む勢いは重要。更に5番人気以内に支持されれば信頼度がグッと高くなる。
6着以下から巻き返して来た馬の多くは前走がG1、あるいはG1のトライアルレースでレベルの高い一戦。そうしたところで大きな着順となった馬は人気の盲点となって好配当を提供している。

[枠順]枠番別では全ての枠が馬券に絡んでいて、2枠が2勝、2着3回、3着4回と好成績。6枠と8枠も2勝をマーク。未勝利は4枠のみで、2着が1回。7枠は1勝しているが、連対はその1回のみで苦戦している。
馬番別では「11」が2勝、「6」が1勝、2着2回、3着1回。「4」は未勝利だが、2着3回と好走馬を多く送り出している。馬券絡みがないのは「13」のみで、馬番はほぼフラットと見ていい。

[脚質]過去10年、4角先頭で押し切った馬はいないのだが、小回りの福島らしく、2着1回、3着3回と4頭が粘り込みを見せ、5番手以内の好位で競馬を進めたの馬が6勝。先行勢が必ず1頭は馬券に絡んでいて、波乱含みの一戦だが、先行馬総崩れのパターンはない。
4角10番手以下から馬券に絡んだ6頭は重賞・オープンで4着以内、もしくは新馬・500万、未勝利・500万を連勝している実績があった。

2ケタ人気の大駆けも要警戒

過去10年、1番人気は(2.3.1.4)と半数が馬券絡みを果たしているが、信頼できる数字とはいえない。2番人気が4勝で、人気別では最も多く勝っている。勝ち馬は7頭が3番人気以内だが、3連単が5番人気までの組み合わせで決まったのはわずか1度しかなく、ハンデ戦らしくヒモ荒れの傾向が強く出ている。2ケタ人気の馬でも2、3着がそれぞれ2回あって、常に大駆けを用心しておきたい。

プラスαデータ

関東勢が地元の意地!

出走頭数が多いことももちろんあるのだが、さすがに東のローカル・福島で行われる一戦とあって、関東馬が7勝、2着8回、3着7回と圧倒。関西馬はやや苦戦している。
ジョッキーも同様の傾向で、数字は圧倒的に美浦所属のジョッキーなのだが、気を付けたいのは栗東所属のジョッキーは騎乗機会が少なく、アベレージで見るとほぼ互角。わざわざ福島まで乗りに来る栗東のジョッキーには注意を払いたい。

[キャリア]春のクラシックも終わり、それなりにキャリアを積んできた馬が多い一方、遅れてきた素質馬の活躍も目立つレース。過去10年、6頭がキャリア5戦以下で、キャリア2戦の馬も(2.0.1.2)と、その素質の高さをこの一戦で見せ付けている。
勝ち切るという面ではフレッシュさが必要だが、2着馬は9頭がキャリア6戦以上。3着馬は9頭が6戦以上で、ヒモに関してはキャリアをさほど気にする必要はないだろう。

[乗り替わり]ジョッキーの乗り替わりに関しては勝利数は前走と同じコンビが6勝とリードしているが、2着は乗り替わりのコンビが7回、G1シリーズも終わり、夏のローカル戦に入ったこともあるのか、乗り替わりで挑むコンビが多く、アベレージで見ると前走と同じコンビの方が優勢となっている。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、福島の芝1800mで最も多くの勝鞍を挙げているのは戸崎騎手の12勝。続いて柴田大騎手が10勝を挙げ、2ケタ勝利はこの2人。柴田大騎手の単勝回収率は210%を誇る。以下、吉田隼騎手9勝、北村宏、蛯名騎手7勝、内田博、田辺、川又騎手6勝、石橋脩、勝浦、石川裕騎手の5勝と続く。この中で川又騎手は16回と少ない騎乗機会で6勝。単勝回収率は488%のハイアベレージを叩き出している。

[馬体重]勝ち馬は幅広いレンジから出ていて、最軽量は11年フレールジャックの436キロ、最重量は12年ファイナルフォームの528キロ。比較的小柄な馬も度々好走していて、馬格はあまり気にする必要はない。

[種牡馬]過去10年でディープインパクト産駒が4勝。出走馬がいた年で馬券圏内に絡まなかったのは17年のみ。昨年は人気を下回ってしまったが、のちの菊花賞馬フィエールマンが2着と連対を果たしており、このレースとの抜群の好相性はまず頭に置いておかなければならないだろう。好走種牡馬はバラエティに富んでいて、複数の馬券絡みを果たしている種牡馬は、前記のディープインパクト以外ではマンハッタンカフェ、ステイゴールド、キングカメハメハ、バゴのわずか4頭。一方で、ダイワメジャー産駒はディープインパクトと同じ13頭が出走して(0.1.0.12)と不振。唯一の2着も1番人気で、人気を下回るケースが多い。

[ハンデ]過去10年、トップハンデの勝利は昨年56キロのメイショウテッコンと2015年56.5キロのアンビシャスの2頭。2~3着は1頭もおらず、トップハンデは苦戦傾向。軽量馬の好走が多い一戦であるが、掴みどころがあまりなく、強いていえば、先行した馬が軽量を利して粘り込んでいるくらい。ここ2年は53キロの逃げ馬が馬券圏内に粘っており、人気薄の軽量先行馬はひとまず注意を払いたい。

[距離実績]過去10年で3着以内に入った30頭のうちマイル以上の距離で勝鞍がなかった馬はわずか2頭。10年3着のレトと13年2着のカシノピカチュウだが、レトはマイル重賞で2度の3着、カシノピカチュウは1400mのファルコンSで2着、マイルのニュージーランドTで5着の重賞実績があった。ごまかしが利く小回りといえども、マイル以上での好走実績は必要不可欠となる。

データの決断

波乱含みのハンデ重賞。データから狙ってみたいのは、デビューから一貫して武豊騎手が手綱をとり続けているゴータイミング。間隔が少し開いているのは気になるも、前走を勝ってここへ挑むのに加え、何といっても父・ディープインパクトの血統背景が心強い。比較的小柄な馬が活躍しているレースというのも追い風となる。