過去10年攻略データ

1965年に芝2400mのハンデ戦として創設。1968年から現在と同じ芝2000mとなり、2006年よりサマー2000シリーズの第2戦として夏競馬前半を盛り上げる伝統の一戦となっている。
過去の好走馬を見るとエリモハリアーの3連覇を筆頭に連覇を果たした馬、複数回馬券に絡んだ馬が多いリピーターレースで、2011年以降は毎年8番人気以下の伏兵が馬券に絡み、近4年は2ケタ人気が絡んでいる波乱含みの一戦。サマー2000シリーズの行方も左右する一戦をデータ面から占いたい。
※2009年は札幌競馬場で施行

ステップは大きく分けて2つ!

[前走レース]過去10年で3勝を挙げているのが、目黒記念から転戦してきた組。勝った3頭は4番人気以内で、2頭は目黒記念で連対。残る1頭は目黒記念で2番人気に支持されていた。
出走頭数が圧倒的に多い巴賞組が1勝、2着4回。中1週になるのだが、現地で1戦を消化しているのは大きなアドバンテージとなっている。また、ベテランが幅を利かせている一戦らしく、条件クラスからの好走はほとんどおらず、巴賞、もしくは直近(5~6月)の重賞をステップにした馬が数多く上位争いに食い込んでいる。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-0-1-2前走1着2-0-1-16
4歳1-3-0-10前走2着1-0-1-6
5歳3-0-5-30前走3着3-2-1-9
6歳2-1-3-42前走4着1-0-0-10
7歳3-3-0-25前走5着2-1-1-7
8歳以上1-3-1-20前走6~9着1-5-2-29
前走10着~0-2-4-51

過去10年注目データ

[年齢]勝ち馬は4歳から8歳まで幅広い世代から出ているが、注目したいのは7歳馬で、5歳馬と並ぶ3勝をマーク。昨年はワン・ツー・フィニッシュを決めた。勝率、連対率は5歳馬を凌ぎ、8歳以上も5度の馬券絡みがあって、度々好配当を演出している。穴のキモはベテラン世代だ。

[前走着順]前走から連勝した馬は2頭と多くないが、過去10年で実に9頭が前走で掲示板を確保。勝ち馬に関しては、前走である程度の格好は付けておきたい。一転して2~3着馬は掲示板圏外からの反撃が多く、2着馬は7頭、3着馬も6頭が前走で掲示板を外した馬で、2ケタ着順の馬も6頭が複勝圏内に飛び込んでいる。もちろんこれらは実力、実績以上に人気を落としていることが多く、警戒が必要だ。

[枠順]枠番別では2枠と3枠が3勝。2枠は2着も3回あって好相性を示してして、同じ3勝の3枠は2~3着馬が1頭もいない。3着はほぼ満遍なく出ていて、やや抜けた2枠以外の複勝率は大きな差がない。
馬番別では「6」が3勝、「3」が2勝。1度も馬券絡みがないのは「7」と「11」で、セブン・イレブンがアンラッキーナンバーになっている。

[脚質]ローカルの小回りコースらしく、4角先頭からの逃げ切りは2頭。2着はないが3着が4頭。それをマークした好位付けの馬も5勝、2着7回の好成績。圧倒的に先行有利のレースだ。
反対に後方一気はほとんど決まらず、4角10番手以下のポジションにいた馬の馬券絡みは11年3着のアクシオン1頭のみ。力があっても厳しい結果で、4コーナーのポジション取りが大きなカギを握る。

1番人気は大苦戦!

ハンデ戦ということもあるが、1番人気が非常に苦戦しているレースで、最高着順は10年ジャミールの2着で、馬券絡みはこの1つのみ。13~14年は2年連続10着。勝ち馬は06年のエリモハリアーまで遡る。ただし、過去10年で勝ち馬全てが2~5番人気で、アタマに極端な人気薄を狙うのは得策ではない。

一方、2~3着は人気薄が大暴れ。2着は前記ジャミール以外は7番人気以下で、15~17年は3年連続2ケタ人気が2着に激走していた。穴党にとってはたまらないレースだ。

プラスαデータ

風向きは東に…!?

過去10年、関西馬が6勝、関東馬が4勝。2着は関西馬が7回とリードし、3着は関東馬が6回とリードしている。近年は関東馬の活躍も多く、風向きが少し変わってきた。
ジョッキーも美浦所属が盛り返しているのだが、旨味があるのは栗東所属のジョッキーで、2ケタ人気の馬券絡みは17年2着の吉田隼騎手を除いて、いずれも栗東所属。岩田康、吉田隼、池添、三浦騎手の4人が複数回馬券に絡んでいる。

[キャリア]勝ち馬の最少キャリアは13年トウケイヘイローの15戦。最多キャリアは11年キングトップガンの35戦。高齢馬が活躍していることから、キャリアを積んでいる馬の好走が多く、豊富な経験はプラスと捉えたい。勝ち馬のうち、17年ルミナスウォリアー、12年トランスワープ以外はオープン特別勝ち、もしくは重賞連対の経験を持っていて、括りは広くなってしまうが両馬ともオープン特別の連対実績はあった。

[乗り替わり]乗り替わりについては、前走と同じコンビが6勝、乗り替わりのコンビが4勝。2~3着は全く同数で、出走機会も1鞍違うだけでアベレージもほぼ互角。乗り替わりは全く気にしなくていい。

[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた函館芝2000mで最も勝鞍が多いのは岩田康騎手の13勝。この函館では人気サイドの騎乗機会も多く、回収率はプラスとはなっていないが、勝率、連対率、複勝率のアベレージも高く、信頼できるジョッキーといえるだろう。2位は少し離れて7勝の吉田隼騎手。以下、池添、藤岡佑騎手6勝、C.ルメール騎手が5勝、丹内騎手が4勝、藤岡康、北村友、柴山、菱田騎手が3勝。C.ルメール騎手のアベレージが高いのは珍しくないが、藤岡佑騎手の高い勝率も要注目。その意外性は侮れない。

[馬体重]勝ち馬の最高体重は12年トランスワープの528キロ。最少体重は15年ダービーフィズの448キロ。タフな洋芝で行われることもあり、イメージ的には馬格のあるタイプが有利かと思いきや、そう目立った数字は出ておらず、あまり神経質になることはない。なお、過去10年で440キロ未満の馬は出走していない。

[種牡馬]過去10年で複数の勝鞍がある種牡馬は1頭もおらず、勝ち馬の父は10頭。複数回馬券絡みがある種牡馬はマヤノトップガン、ステイゴールド、マンハッタンカフェ、シンボリクリスエス、キングカメハメハ、ダンスインザダークと軽快さよりパワー、スタミナが勝ったタイプ。
現在の競馬から切っても切り離せないディープインパクト産駒は16年2着のケイティープライドが初の馬券絡み。17年に1番人気6着だった前年の2歳王者サトノアレスを除くと5番人気以内に推された馬もおらず、その実績からすると寂しい成績となっている。

[ハンデ]トップハンデの馬は過去10年で1勝、2着2回。1番人気に支持された3頭はいずれも複勝圏外に消えている。地力が認められたからこそのトップハンデだが、人気になると信頼度に疑問符が付き、むしろ、トップハンデを嫌われて人気を落としている馬に旨味がある。

データの決断

早いもので函館開催も終盤戦。伝統のハンデ重賞・函館記念だが、狙ってみたいのは、ひと息入れてここに照準を定めてきた関東馬・レッドローゼス。意外にも重賞初挑戦となるのだが、このレースと相性のいい5歳馬で、函館も初めてだが、札幌で好走歴があり、コース適性は高そう。パワーが勝った血統背景もこのレースに向いており、タイトル奪取の絶好機到来。