過去10年攻略データ

1953年に中京開設記念として創設。翌年から中京記念と名称が変更され、1958年に「中京競馬場開設5周年記念」の名称で施行した以外は中京記念で施行されている。施行時期や距離、コースが何度か変わっているが、負担重量は1955年からハンデキャップ。2012年より施行時期が現在の7月となり、距離も1600mに変更。同年に新設された「サマーマイルシリーズ」の開幕戦にもなっている。ここでは距離がマイルに変更された2012年以降のデータから勝ち馬を導き出したい。

前走条件クラスは苦戦

[前走レース]京王杯SC、パラダイスS、米子S組がそれぞれ2勝しているが、京王杯SCはわずか5回の出走機会で(2.0.1.2)とかなりの好相性。サマーシリーズではあるが、前走条件クラスからの参戦は苦戦していて、オープンでのキャリアがある程度必要といえる。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-0-0-4前走1着3-1-4-8
4歳0-0-2-7前走2着0-1-0-6
5歳4-5-2-38前走3着0-0-0-7
6歳3-1-3-23前走4着1-0-1-11
7歳0-1-0-13前走5着1-1-0-9
8歳以上0-0-0-6前走6~9着1-3-2-24
前走10着~1-1-0-26

過去10年注目データ

[年齢]出走頭数が多い5~6歳馬がやはり成績優秀で5歳馬が4勝、6歳馬が3勝。5歳馬は2着も5回と、活躍が多い。連対こそないが、降級直後で賞金面で不利だった4歳馬も9頭が出走して3着2回と健闘。とはいえ、中心はやはり5~6歳馬と見るのが妥当だろう。

[前走着順]前走から連勝を果たした馬が3頭いる一方、5着以下から巻き返している馬も多く、2ケタ着順の馬も2頭が連対を果たしている。
前走で掲示板を外した馬の巻き返しを見ると、8頭のうち15年2着のアルマディヴァン以外の7頭は重賞で3着以上の実績を持っていた。重賞好走の実績を持つ馬は前走崩れていても軽視は禁物。

[枠順]枠番別では8枠が3勝と目立つ数字。連対がないのは5枠だが、3着は2回あって、8枠を除くと複勝率はフラットに出ている。
馬番別で見ても馬券絡みゼロは「11」のみ。勝ち馬は外めだが、馬券圏内という括りで見るとほぼフラットと見ていい。

[脚質]長い直線を生かして4角10番手以下からの差しがバシバシ決まっているのは大きな特徴。先行してそのまま押し切ったのは馬もいるが、4角先頭の馬が馬券圏内に粘り込んだのはゼロ。軸候補には直線でまとめて面倒を見るだけの決め手を持つ馬をピックアップしておきたい。

上位人気が怪しい!?

7年のサンプルしかないとはいえ、1番人気は昨年のグレーターロンドンが初勝利。1~4番人気の連対がわずか2回と上位人気が苦戦していて、5番人気が(3.1.1.2)と大活躍。過去7年のうち4年が20万円を超える高配当で穴党垂涎のレースとなっている。
これまでの傾向として、実績馬が人気を落として馬券になっており、ハンデ戦ながら軽量馬の活躍は多くない。人気落ちの実力馬を丁寧に拾っていくのが好配当的中のポイントといえるかもしれない。

プラスαデータ

東の人馬が奮闘!

過去7年、関西馬が5勝、2着5回、3着7回と馬券圏内を席巻しているのだが、関東馬はわずか18頭の出走しかなく、その中で2勝、2着2回は上々の数字か。
ジョッキーの方はさらに東が奮闘していて、馬と同じ18回の騎乗機会で3勝。直近の2年は津村騎手、田辺騎手と美浦所属のジョッキーが連勝している。

[キャリア]5~6歳が優勢とあって、好走馬のキャリアも多くなっていて勝ち馬の最少キャリアは18年グレーターロンドンの14戦。最多キャリアは14年サダムパテックの25戦。ただし、ある程度のキャリアは必要だが、31戦を超えるとアベレージがグンと下がる。

[乗り替わり]荒れ模様のレースを解くカギとして「前走と同じコンビ」が使えるか。過去7年のうち5勝が前走と同じコンビで、その人気が過去から数えて5、5、7、5、1番人気と人気薄も勝ち上がっている。乗り替わりの人気馬は少し疑ってかかった方がいいかもしれない。

[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた中京芝1600mの最多勝ジョッキーは福永騎手で、頭ひとつ抜け出した23勝。続いてM.デムーロ騎手の14勝。さらに離れて北村友騎手10勝、川田騎手9勝、和田竜、松若騎手が7勝。そして美浦の津村騎手が6勝の好成績で、勝率、連対率はM.デムーロ騎手を上回り、単複ともに高い回収率をマークしている。C.ルメール騎手は5勝。連対率、複勝率は高いのだが、勝鞍より2着が先行していて、取りこぼしも目立つ。

[馬体重]勝ち馬の最軽量は18年グレーターロンドンの468キロ、最重量は14年サダムパテックの514キロ。昨年はマイルへ変更後、最軽量の馬が勝利したが、500キロ以上の馬が3勝。大型馬がかなり優勢の数字で、460キロ未満の馬券絡みはゼロ。最後の坂を克服するパワーが必要とされる。

[種牡馬]フラガラッハの連覇があるデュランダルとディープインパクト産駒が2勝。勝鞍はないが、キングカメハメハ産駒はミッキードリームの2回を含む3度の2着。この他で複数の馬券絡みがある種牡馬はステイゴールドとハーツクライ。マイル戦でありながら、短距離色の強い種牡馬はやや苦戦している。

[ハンデ]トップハンデの馬は14年サダムパテックの1勝。トップハンデの馬自体は苦戦傾向なのだが、57キロを背負った馬が4勝していて、実力馬が結果を残していることを表している。迷ったら軽ハンデの馬よりも実績を重視した方が面白いかもしれない。

データの決断

イキのいい3歳、4歳馬の参戦で楽しみな一戦となった今年の中京記念だが、データから狙ってみたいのは6歳牝馬のミエノサクシード。馬体重が460キロを割り込むと大きな減点となってしまうが、前走の体重をキープできていれば問題なし。データ面からマイナスらしいマイナスはなく、前走と同じ鞍上、父・ステイゴールドは心強いところ。人気面からも面白そうな1頭といえるだろう。