過去10年攻略データ

1953年に4歳(現3歳)牝馬による重賞競走として創設。当初は東京と中山で施行場が何度か入れ替わり、1980年からは馬場改修工事があった1988年(新潟)を除いて中山競馬場で、秋華賞が新設されるまではエリザベス女王杯、新設後は秋華賞のトライアルとして定着していた。2000年の牝馬競走体系の整備により、施行時期が8月中旬へ、施行場が札幌競馬場へ移り、条件も3歳限定から3歳以上の牝馬限定重賞として生まれ変わった。また、15年からは札幌開催の開幕を彩り、秋華賞、天皇賞(秋)、エリザベス女王杯を睨んだ牝馬たちが鎬を削る戦いとなっている。ここではデータ面から勝ち馬をチョイスしたい。

好走ローテは様々だが…

[前走レース]好走馬のローテーションは、春のG1あり、準オープンから勢いを付けてきた馬ありとバラエティに富んでいるが、やはり古馬牝馬にとって春の最大目標となっているヴィクトリアマイルを走った馬が多く好走。その経験をこの一戦でも生かしている。
また、詰めて使ってきている馬よりも間隔を開けている馬の方が多く好走しており、半年以内であれば、ある程度ゆったりとしたローテーションを組んでいる馬を狙いたい。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳4-0-1-11前走1着3-1-1-20
4歳2-3-4-25前走2着0-1-3-3
5歳2-7-5-38前走3着1-0-1-6
6歳2-0-0-19前走4着1-1-0-2
7歳0-0-0-2前走5着1-0-0-5
8歳以上0-0-0-0前走6~9着3-3-3-25
前走10着~1-4-2-33

過去10年注目データ

[年齢]勝ち馬は3歳から6歳の4世代から出ているが、中でも3歳馬は16頭の出走で4勝と有利な斤量差を存分に生かしている。勝った4頭の顔触れを見ると、3頭が既に重賞勝ちの実績があり、残る1頭(11年アヴェンチュラ)も重賞2着、さらに前走で牡馬相手に準オープンを勝っていた。相応の地力があれば3歳馬は積極的に狙っていきたい。4~6歳馬がそれぞれ2勝ずつ。6歳馬は2勝しているが、馬券絡みはその2回だけで、連対率、複勝率は5歳馬と比べてグンと下がる。

[前走着順]前走から連勝を果たした馬は3頭。それよりも見逃せないのが、前走で掲示板を外した馬が4勝、2着7回、3着5回と多く好走していること。もっとも、G1のヴィクトリアマイルで着順を落とし、ここで巻き返すというパターンで、意外な人気の盲点ともなっている。前走の格は要チェックだ。

[枠順]枠番別では、過去10年で2枠が3勝、5枠と7枠が2勝ずつとやや偏りがあって、2枠は(3.2.1.4)のハイアベレージ。フルゲートが14頭で、馬番「2」が非常に強い。
馬番別で馬券絡みがないのは「7」と「13」の2つ。「6」は勝ち馬こそ出ていないが2着馬と3着馬がそれぞれ2頭出ている。

[脚質]過去10年、4角先頭で押し切った馬は2勝。小回りコースの開幕週で先行有利の数字が残っている。4角10番手以下から差し切った馬はおらず、馬券絡みはわずか3頭。差し一辺倒の馬は割り引いて考えたい。

1~2番人気が強いレースだが…

過去10年、1番人気の馬は(4.3.1.2)で、信頼度はマズマズといったところ。2番人気の馬も3勝と1~2番人気に支持された馬が7勝を挙げている。ただし、人気上位の馬だけで決まっているわけではなく、5番人気までの馬で1~3着を独占したのは過去10年で昨年のみ。人気薄が上位に絡んで好配当を演出していて、2ケタ人気の激走も4回ある。過度に絞り込むのは危険といえるだろう。

プラスαデータ

関東馬の健闘が光る!

過去10年で関西馬が6勝、関東馬が4勝。2着の回数も同じなのだが、関西馬の方が出走頭数が多く、アベレージは勝率、連対率が全くのイーブン。複勝率は関東馬の方が上回っている。
ジョッキーの方は栗東所属が8勝、美浦所属が2勝と勝利数では栗東所属が圧倒。乗り替わりの5勝を全て栗東所属のジョッキーで、これは頭に入れておきたい数字。なお、2着と3着の回数は美浦所属の方がリードしている。

[キャリア]3歳馬が4勝を挙げていることもあって、勝ち馬の8頭がキャリア20戦以下と少ないのだが、2~3着は比較的キャリアを積んだ馬が多く、しかも好配当を運んでくる穴党には見逃せない存在となっている。前走で好走しながら人気薄となっている馬は要注意。

[乗り替わり]着度数だけを見ると1、2着がそれぞれ5回で、前走と同じコンビと乗り替わりのコンビも変わらないのだが、前走と同じコンビが45回に対して乗り替わりは80回と乗り替わったコンビの方が多く出走していて、アベレージには大きな差がある。乗り替わりの多い時期だが、前走と同じコンビで挑む人馬はそれなりの手応えがあると見たい。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、札幌芝2000mで最も多くの勝鞍を挙げているのはC.ルメール騎手の16勝で頭ひとつリード。50回の騎乗で(16.12.5.17)と圧巻の数字で、単複ともに回収率もプラス。信頼度抜群の成績を残している。続く9勝のJ.モレイラ騎手もハイアベレージ。以下、福永騎手が7勝、四位騎手が5勝、三浦、菱田騎手が4勝、池添、M.デムーロ、蛯名、柴山、松岡騎手が3勝で続く。

[馬体重]勝ち馬の最少体重は16年マコトブリジャールの400キロ。最高体重は17年アエロリットの496キロ。520キロを超える馬も2度の2着があって、好走馬は幅広いレンジから出ている。馬格はあまり気にしなくていいだろう。

[種牡馬]過去10年で複数の勝ち馬を送り出している種牡馬はジャングルポケットと12、13年に連覇を果たしたアイムユアーズの父で、13年には出走馬2頭でワン・ツー・フィニッシュを決めたファルブラヴの2頭。複数回馬券に絡んでいる種牡馬はディープインパクト、フジキセキ、ゼンノロブロイ、キングカメハメハ、タニノギムレット、マンハッタンカフェで、洋芝の札幌で行われるレースらしく、パワータイプの種牡馬が活躍している。

データの決断

データから真っ先に取り上げたいのはメンバー唯一の3歳馬メイショウショウブ。一気の距離延長となったオークスは大敗を喫したが、マイルのG2戦で2度の2着があり、初距離とはいえ、小回りの1800mに替わるのは大きなプラス材料。先行力があり、ここでアッと言わせる可能性は十分ある!