過去10年攻略データ

2001年に新潟競馬場のコース改修とともに、日本で唯一、芝直線1000メートルのコースを使用される重賞として創設。2006年からはサマースプリントシリーズにも指定され、夏の新潟開幕週に移設。夏の風物詩として競馬ファンに親しまれている。また、過去18回のうち牝馬が12勝。牝馬が連対できなかったのは2002年と2012年の2回で、その年も3着はともに牝馬。『夏は牝馬』との格言もあるが、牝馬が非常に強いレースとしても知られる。今年はどの馬が究極のスピード勝負を制するのか? ここではデータ面から勝ち馬をチョイスしたい。

CBC賞組が強い!

[前走レース]過去10年、CBC賞から転戦してきた馬が5勝。函館スプリントS組が2勝。勝率、連対率はCBC賞が大きく上回るが、複勝率は互角。同じ舞台で行われる韋駄天S組も上々の成績。他では、勝ち馬こそいないが、バーデンバーデンC組が2着4回というのが目立つ。ただし、ここをステップにした馬が32頭おり、アベレージは高くない。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-2-1-10前走1着1-1-5-14
4歳3-1-1-7前走2着1-3-1-8
5歳4-6-4-33前走3着2-2-0-9
6歳1-1-3-35前走4着3-0-1-9
7歳2-0-1-30前走5着0-2-0-7
8歳以上0-0-0-14前走6~9着1-2-1-38
前走10着~1-0-2-44

過去10年注目データ

[年齢]勝ち馬は4歳から7歳の4世代。勝利数では5歳馬の4勝に及ばないが、4歳馬は12頭の出走で(3.1.1.7)と高いアベレージを誇る。7歳馬も2勝を挙げていて侮れない存在。勝ち馬こそいないが3歳馬も度々馬券に絡んでいて、集計対象前には05年にテイエムチュラサン、06年にサチノスイーティーが連勝を果たしている。

[前走着順]前走から連勝を果たしたのは11年のエーシンヴァーゴウのみ。前走3~4着に敗れている馬の反撃が多く見られる。格よりも適性が重要視されるレースで、このコースを得意とする馬が前走で違う条件を大敗し、ここで巻き返すというパターンが多い。
前走で掲示板を外した馬の反撃もあるにはあるが、アベレージは掲示板を確保していた馬よりも数段下がる。

[枠順]言わずと知れた外枠有利のコースで、枠番別で見ると8枠が5勝、2着3回と圧倒的な数字を残している。どうしても外枠に目が行きがちだが、まだ馬場が荒れていない開幕週とあってか、2枠の成績もいい。ただし、2勝はどちらも1番人気だった。
馬番別では「13」「15」が2勝。「12」より外枠の複勝率が高く出ている。なお、馬券絡みがないのは「7」「8」の2つ。「15」は外枠ながら長く鬼門となっていたが、直近の2年で連勝を果たしている。

[脚質]開幕週に行われる究極のスピードレースで、後方一気はほとんど決まらない。豊富なスピードを武器に前々でレースを進めることができる馬が好成績を残していて、他場の1200mで甘くなっていた馬が粘り込むシーンも多く見られる。

1番人気は6年連続連対!

過去10年で1番人気の馬は6勝。夏の重賞としては高い勝率を誇っていて、13年から4連勝、2着を挟んで昨年はダイメイプリンセスが人気に応え、6年連続連対を果たしている。フレッシュな馬が好走するレースだが、3歳で1番人気となった2頭はともに着外に敗れている。
一方で6番人気以下の伏兵も多く馬券に絡んでいて、3着以内に入ったのべ9頭はオープン、もしくは新潟の直線1000mで3着以上の実績を持っていた。

プラスαデータ

勝ちに来た『西』に要注意!

過去10年で関西馬が8勝と勝ち馬は圧倒的に西優勢。2着は関東馬が6回と西を上回り、連対率、複勝率には大きな差がない。夏の関東ローカル重賞ではよく見られる傾向だが、サマーシリーズのタイトルがかかるレースにおける関西馬の強さは必ず頭の隅に入れておかなければならない。
ジョッキーも同様の傾向が出ていて、栗東所属のジョッキーが7勝。驚くことに2着は昨年を除く9年で美浦所属のジョッキーが占め、3着も美浦所属のジョッキーが8回と多いのだが、騎乗機会は栗東所属のジョッキーが圧倒的に少なく、アベレージは西が大きくリード。勝ちに来た関西馬、栗東所属のジョッキーは要注意。

[キャリア]好走馬のキャリアは比較的少なめで、勝ち馬の8頭がキャリア20戦以下。21戦を超えるとアベレージがガクンと下がり、30戦を超えるとかなりの割引が必要。勝ち馬こそ出ていないが、10戦以下の馬も3回馬券圏内に突入しており、迷ったらフレッシュな馬を選択したい。

[乗り替わり]過去10年、前走と同じコンビと乗り替わりのコンビが5勝ずつ、2着は同じコンビが、3着は乗り替わりのコンビが6対4でリードし、数字の上ではほぼ互角。ただし、馬券になった延べ15頭のうち、テン乗りはわずかに4頭。連覇を果たしたベルカント、カノヤザクラがともに前年と同じジョッキーでありながら乗り替わりであった。数字の上では乗り替わりの馬が活躍しているが、実際は、その馬の特性を知っているジョッキーがキッチリと結果を出しているといえる。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、新潟の芝直線コースで最も多くの勝鞍を挙げているのは津村騎手の7勝。続いて西田、石橋脩騎手の6勝。以下、木幡巧、田中勝、M.デムーロ騎手が5勝、4勝は一気に数が増え、鮫島駿、石川裕、藤田菜、丸田、戸崎、勝浦、北村友、柴田善、菱田、秋山騎手の10名。中でもよく知られるのは「千直男」の西田騎手で、勝鞍は2017年9月から離れているが、度々伏兵馬を圏内に導き、110回の騎乗で単勝回収率159%はさすがの数字だ。

[馬体重]軽い新潟の直線コース、スピード優先で牝馬も強いことから軽量馬が活躍しているイメージも浮かぶのだが、意外にも460キロを切る馬の馬券絡みは、昨年2着のラブカンプー1頭のみ。勝ち馬の最低体重は11年エーシンヴァーゴウの464キロ。最高体重は12年パドトロワの532キロ。460キロを切る馬はやや割引が必要だが、馬格は過度に気にしなくていいだろう。

[種牡馬]過去10年で3勝を挙げているのがサクラバクシンオー。ベルカントの15、16年連覇と09年カノヤザクラだが、カノヤザクラは集計外の前年と連覇を果たしていて、適性が非常に高かった。複数回馬券に絡んでいる種牡馬はリピーターが多いレースらしく、ファルブラヴ、クロフネ、アドマイヤムーン、ヨハネスブルグ、アフリートと多彩な顔ぶれが並ぶ。
過去3年の新潟芝1000mトータルの成績を見るとマツリダゴッホ、ダイワメジャー、ショウナンカンプ、スウェプトオーヴァーボードらの名前が浮上するのだが、今後要注目の存在がロードカナロアとルーラーシップ。特にロードカナロアは2度以上出走している馬が3頭いて全て複数回馬券に絡む好相性を示している。

データの決断

年齢とキャリア数が少し引っ掛かるが、リピーターが多いレースとあって、注目したいのは昨年の覇者ダイメイプリンセス。新潟の直線コースは3戦無敗で、夏場も滅法得意。至ってストレートなセオリーだが、夏に強い牝馬が得意のコースで復活を遂げる!