過去10年攻略データ

1965年に創設された小倉競馬場で行われる重賞で最も古い歴史を持つ伝統の一戦。1995年から1999年まで別定で行われたほかはハンデ競走として定着しており、小倉競馬場の改修工事のため京都競馬場の1800mで行われた1998年以外全て2000mで行われている。また、2006年からはサマー2000シリーズの第3戦に指定され、2006年スウィフトカレント、2011年イタリアンレッド、2017年タツゴウゲキがシリーズチャンピオンとなっている。データから浮かび上がってくるのは果たしてどの馬か?

ひと息入った馬に注目!

[前走レース]数では出走回数も他を圧倒している七夕賞組で1~3着馬をそれぞれ3頭ずつ輩出しているが、出走回数が多いためアベレージは決していいとはいえない。アベレージが高いのは新潟大賞典、鳴尾記念からひと息入れてここへ臨む馬。また、春のG1からひと息入れてここへ臨む馬もレベルの高い競馬を経験したキャリアを生かして好走に結びつけている。また、準オープンをステップにした馬も度々馬券に絡んでおり、夏競馬も中盤を迎え、好走馬のローテーションはバラエティに富んでいる。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-2-0-0前走1着1-2-4-18
4歳3-3-0-16前走2着2-1-0-9
5歳4-3-6-34前走3着1-2-0-6
6歳0-1-3-33前走4着1-0-1-7
7歳2-1-1-20前走5着0-0-1-9
8歳以上1-0-0-15前走6~9着3-3-3-34
前走10着~2-2-1-35

過去10年注目データ

[年齢]7歳馬が2勝、8歳馬も勝鞍があるのだが、出走頭数も多い6歳馬がなぜか不振で、過去10年の最高着順は10年バトルバニヤンの2着。昨年もストーンウェアの5着が最高で、連対圏確保もままならない状況となっている。
中心は4勝を挙げている5歳と3勝を挙げている4歳の2世代。出走頭数が少ない4歳が勝率、連対率でリードしているが、3着が6回ある5歳世代は複勝率ではわずかに上回っている。また、2回しか出走がない3歳馬はいずれも2着と健闘している。

[前走着順]前走を勝ってここに臨んできた馬が25頭。そして連勝を果たした馬は11年のイタリアンレッドのみと連勝は大きな壁となっている。ただし、2着2頭、3着4頭ずつと複勝圏内に絡んだ馬は多い。
注目は6着以下に敗れていた馬の巻き返しが多いことで、前走10着以下の馬も2勝。G1に出走して崩れた馬の巻き返しには特に注意を払いたい。

[枠順]枠番別では8枠が4勝、3枠が3勝。5枠は2着4回。一方で1枠は連対ゼロと大きな偏りがあり、4枠と7枠もひと息。
馬番別で馬券絡みゼロは「12」「16」の2つ。18頭フルゲートになった年は3度しかないのだが、そこで「18」「17」が勝利しており、外枠の健闘が目立つ。

[脚質]過去10年、4角先頭でそのまま押し切ったのは2頭。どちらも武豊騎手が騎乗していたが、昨年のトリオンフ、13年のメイショウナルトともに前半から逃げていたものではなく、好位から早めに動いてのもの。小回りコースらしく、後方一気はなかなか決まらず、ある程度前のポジションにいないと苦しい結果が出ている。

1番人気は大苦戦…

夏の重賞は1番人気苦戦のレースが多々あるが、このレースも過去10年で勝ち馬はわずか1頭。昨年のトリオンフが05年メイショウカイドウ以来の貴重な勝利を挙げた。複勝率は5割あるが、言い換えれば半分の年で馬券圏外に去っているともいえる。
過去10年では3番人気が3勝と気を吐いているが、注目したいのは6番人気以下の伏兵。5番人気以下のみの3頭で決まったのは13年と昨年の2回だけ。ハンデ戦らしく、人気薄も積極的に狙っていけるレースだ。

プラスαデータ

『東』のジョッキーがいれば…

トレセンからの距離が遠い関東馬は出走自体が非常に少なく、過去10年でわずか10頭。それでいて勝ち馬こそ出ていないが、2頭が馬券に絡んでおり、わざわざここへ遠征してくる関東馬は脈ありと見ていいかもしれない。
ジョッキーの方も栗東所属のジョッキーが圧倒しているのだが、美浦所属のジョッキーが11回の騎乗で3度の馬券絡み。東の人馬にも一応の注意を払いたい。

[キャリア]勝ち馬の最少キャリアは14年サトノノブレスの13戦。最多キャリアは16年クランモンタナの40戦。2~3着馬も幅広いキャリアから出ている。ただし、アベレージを見てみると、若い世代が高いアベレージを残しているのと同様に、キャリア20戦以下の馬のアベレージが高くなっている。更に詳しく見てみると、連対という面では21~30戦の馬よりも31戦以上の豊富なキャリアを持っている方がアベレージが高く出ている。

[乗り替わり]夏のローカル開催らしく、乗り替わりが非常に多くなっていて、乗り替わりのコンビが1着と2着を8回ずつ。直近6年は乗り替わりのコンビが連勝中で、しかもテン乗りのコンビが5連勝中。3着は5回ずつとイーブンだが、乗り替わりのコンビを積極的に狙えるレースといっていいだろう。

[当該コースの騎手成績]2014年以降の小倉芝2000mで最も多くの勝鞍を挙げているのは北村友騎手で16勝。川田騎手で14勝、浜中騎手が13勝と続いて、この3人が2ケタの勝鞍を挙げている。以下、藤岡佑騎手が9勝、松山、和田竜、D.バルジュー、丸山騎手が8勝、藤岡康、幸、鮫島駿騎手が6勝と続く。この中で川田騎手は勝率、連対率、複勝率、回収率いずれも文句なしの成績を残している。ただし、ここ3年は人気馬の騎乗が多く、馬券的な旨味は薄らいでいる。

[馬体重]勝ち馬で最も馬体重が軽かったのは12年エクスペディションの450キロ。重かったのは昨年の勝ち馬トリオンフの532キロ。好走馬は幅広いレンジで出ており、馬体重はあまり気にしなくていい。

[種牡馬]過去10年で複数の勝ち馬を出しているのはディープインパクト1頭。ただし、ディープインパクト産駒の好走馬を見ると、ディープらしい切れ、瞬発力勝負と得意とするタイプというより、一枚落ちる渋太いタイプが好走している。しかも12年2着トーセンラ-以外の1番人気馬は馬券に絡んでおらず、16年クランモンタナは11番人気での勝利、17年3着のフェルメッツァは6番人気と人気薄が発憤している。
好走馬の種牡馬を見ると、ステイゴールド、ダンスインザダーク、ハーツクライ、マーベラスサンデー、ネオユニヴァース、ゼンノロブロイといったサンデー系のスタミナが勝ったタイプが多い。近年注目はハービンジャーで15年から3年連続2着。ベルーフは2年連続2着のあと4着と抜群の好相性を示している。

[ハンデ]昨年はトップハンデの馬がワン・ツー・フィニッシュ。暑い時期のハンデ戦だが、57.5キロ以上を背負った馬も3着3回と健闘。実力に見合った結果を残している。
軽ハンデの勝利では13年にメイショウナルトが53キロで勝利。1年以上のブランクを乗り越え、500万クラスから再スタートし、前走が準オープン2着で格上挑戦だったのだが、2歳時にオープンで好走の実績があり、のちの活躍から見ても今振り返れば恵まれた斤量だった。

データの決断

サマー2000シリーズのチャンピオンを占う上で重要な位置付けとなる一戦。データから浮かび上がってくるのは、目黒記念2着からこのレースに挑むアイスバブル。データ面で年齢、キャリア、血統など多くのプラスポイントを持ち、このレースで抜群の相性を誇る池江泰寿調教師の管理馬。乗り替わりも気にならないとなれば、狙わない手はない。