過去10年攻略データ

1966年に小倉競馬場芝2000mのハンデキャップ重賞として創設。1969年に1800mへ距離が短縮され、2006年からは「サマースプリントシリーズ」の開催に伴い、芝1200mに短縮。スプリンターズSを目指す馬のステップレースとしても位置付けされている。近年は牝馬の活躍が目立っているレースで、2008年の勝ち馬スリープレスナイトは同年のスプリンターズSを勝利。このレースの勝ち馬からは2014年リトルゲルダ、2015年ベルカント、2018年アレスバローズがサマースプリントシリーズチャンピオンとなっている。

中心はアイビスSD組!?

[前走レース]過去10年、同じサマースプリントシリーズのアイビスSDから参戦した馬が3勝、2着3回、3着4回と多数馬券に絡んでいる。その他では福島のバーデンバーデンC組が2勝。条件クラスからの参戦も多く上位に食い込んでいる。同じサマースプリントシリーズの函館スプリントS組は間隔が開いているとはいえ、超長距離輸送を余儀なくされることもあるのか、8頭が出走して1頭も馬券に絡んでいない。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-2-2-16前走1着4-6-4-18
4歳3-4-3-18前走2着0-2-1-11
5歳3-4-2-38前走3着1-0-0-7
6歳3-0-2-40前走4着2-0-1-11
7歳1-0-1-17前走5着0-0-0-8
8歳以上0-0-0-7前走6~9着2-2-1-37
前走10着~1-0-3-43

過去10年注目データ

[年齢]勝ち馬は4歳から7歳の4世代で、4~6歳が3勝ずつ。4歳馬は28頭の出走で(3.4.3.18)と高いアベレージを誇る。6歳馬は3勝を挙げているが、2着はなく、3着が2回。出走頭数が多いこともあり、アベレージはグッと下がる。7歳以上の馬券絡みは16年1着のバクシンテイオーと10年3着のサンダルフォンの2頭。3歳馬は2~3着が2回ずつあり、人気薄も絡む一方で人気を裏切るケースもあり、過度の信頼は置けない。

[前走着順]前走からの勢いはかなり重要で、連勝を果たした馬が4頭、2着確保も6頭と『格より調子』といわれる夏場の重賞らしい成績を残している。しかし、前走の着順が悪い馬が巻き返していないかといえば、そうでもなく、前走で掲示板を外した馬が3勝。やや掴みどころがないのだが、馬券圏内に絡んだ馬の前走を見ると、それなりに人気となっていた馬が多く、前走で上位人気に支持されていた馬は要注意。

[枠順]枠番別では2枠、5枠、8枠が2勝。未勝利は7枠1つだが、2着2回、3着も1回あって、馬券絡みという意味では大きなマイナスとはなっていない。
馬番別では唯一複数回勝ち馬が出ている「9」が3勝。馬券絡みのない馬番は「2」「10」「17」の3つ。好走馬はある程度フラットに出ている。

[脚質]過去10年で4角先頭の馬が馬券に絡んだのはゼロ。小回りの小倉コースで行われる一戦だが、逃げ馬にとっては非常に厳しい結果が出ている。先行勢が小回りを意識して早めに動くことも影響するのか、差し馬の台頭が目立つレースで、4角10番手以下の後方から差し切った馬が4頭。いずれも5番人気以下の伏兵で腹をくくった差し馬には注意を払いたい。

人気を背負った牡馬は危険!?

過去10年で1番人気は未勝利。2ケタ人気の勝利はないものの、6~9番人気が7勝と、穴党垂涎のレース。傾向として牡馬の上位人気はやや疑ってかかった方がいい。

プラスαデータ

人馬とも『西』が圧倒的に優勢!

美浦トレセンから遠いこともあり、関東馬の馬券絡みは16年の勝ち馬バクシンテイオーのみ。ジョッキーの方も14年にリトルゲルダで勝った丸田騎手と11年にエーシンヴァーゴウで3着に入った田辺騎手の2回。同じ小倉競馬場の重賞・小倉記念同様、人馬ともに西が圧倒的優勢となっている。

[キャリア]好走馬のキャリアは比較的多めで、勝ち馬の7頭がキャリア21戦以上。31戦を超えるとアベレージは下がるが、夏場のハンデ戦らしく、条件クラスで力を蓄えながら、ここで好走というパターンが多い。勝ち馬こそ出ていないが、10戦以下の馬も5回馬券圏内に突入しており、キャリアはあまり気にしなくてもいいだろう。

[乗り替わり]乗り替わりのコンビが109回、前走と同じコンビが57回。乗り替わりがほぼ2倍となっていることもあり、7勝と乗り替わりのコンビがリード。ただし、騎乗機会も多いため、アベレージはほぼ互角。連対率、複勝率はわずかに前走と同じコンビの方が高く出ている。また、乗り替わりのジョッキーも以前騎乗経験があった馬も多くいて、乗り替わりは気にする必要はないだろう。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、小倉芝1200mで最も多くの勝鞍を挙げているのは、松山騎手の29勝。続いて幸騎手が26勝、北村友騎手が22勝、和田竜騎手が21勝、藤岡康騎手が20勝と上位5人が20勝超え。以下、武豊騎手18勝、浜中騎手17勝、松若騎手15勝、川田騎手と続く。この中で北村友騎手は単複ともに回収率が100%を超えている。

[馬体重]勝ち馬の最低体重は12年スギノエンデバーの444キロ。最高体重は09年サンダルフォンの542キロ。勝ち馬は460~500キロと平均的な馬格の馬が多いが、大型馬も小柄な馬も馬券には絡んでいて、大きなプラスマイナスとはなっていない。馬格は全く気にしなくていいだろう。

[種牡馬]過去10年でサクラバクシンオー産駒が4勝。そのうち3勝が8番人気で、昨年はグレイトチャーターが14番人気で少差の4着という恐るべき好相性を誇るのだが、そのグレイトチャーターの7歳が最後の世代で、1つの時代が終わろうとしている。複数回馬券に絡んでいる種牡馬はキングヘイロー、ディープインパクト、オレハマッテルゼ、ショウナンカンプ、スウェプトオーヴァーボードの5頭。今後は昨年初めて産駒が出走したロードカナロア産駒がどのような成績を残してくるのか興味深いところだ。

[牝馬]過去10年で牝馬は(5.6.6.58)と上位の着別度数は牡馬を上回っていて、昨年も2、3着が牝馬。連対がなかったのは3着が最高だった2012年のみで、それでも馬券圏内は確保している。

データの決断

ひとクセもふたクセもあるメンバー構成。データからのイチオシは重賞初挑戦となるはずのエイシンデネブだったが、残念ながら除外対象。代わって白羽の矢を立てたいのが、前走のバーデンバーデンCで久々の勝利を挙げたカラクレナイ。連対馬の多い5歳で、さらに牝馬、キャリアや脚質も過去の好走馬にマッチする。これで馬体重が500キロを切ってくれば非常に面白い1頭だ。