過去10年攻略データ

1996年に芝1000mで行われる3歳以上のオープン特別として創設。その後、競走条件や負担重量、距離変更などを経て、2006年にG3に格付けされ、現在はサマースプリントシリーズの第5戦に指定されている。同シリーズのタイトルを狙う馬にとっては重要な位置付けとなっていて、このレースの勝ち馬からは2010年にワンカラット、2012年にパドトロワがシリーズチャンピオンに輝いている。また、1着馬にはスプリンターズSの優先出走権も与えられる。
※2013年は函館競馬場で施行

中心はサマーSS参戦組

[前走レース]前週の札幌記念同様、スプリンターズSを睨んだ馬の出走も見られるのだが、好結果を残しているのはサマースプリントシリーズ転戦組。函館スプリントS組が4勝、アイビスSD組が2勝と勝ち馬の半数以上はこの2レースから出ている。その他では夏の北海道シリーズを戦ってきた馬、サンプルは少ないが、CBC賞からの転戦もアベレージは高い。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳1-2-1-18前走1着4-3-4-20
4歳3-3-4-16前走2着2-2-0-16
5歳5-1-4-30前走3着1-1-1-6
6歳0-3-0-28前走4着0-0-0-8
7歳0-1-1-19前走5着0-2-0-6
8歳以上1-0-0-12前走6~9着3-1-2-29
前走10着~0-1-3-38

過去10年注目データ

[年齢]勝ち馬が最も多く出ている世代は5歳で5勝。4歳が3勝と、この2世代で8勝と他の世代を圧倒。3歳馬は22頭と決して多くない出走機会で1勝、2着2回、3着1回と4度の馬券絡みがあって健闘しているといえるだろう。6歳以上は苦戦傾向だが、17年は9歳のエポワスが勝利。集計外だが、2008年は8歳のタニノマティーニが勝っていて、超高齢馬も侮れない。不振が目立つのは6歳で、2着が3回あるものの、馬券絡みは31頭の出走でこの3回だけと非常に苦戦している。

[前走着順]前走から連勝を果たした馬は4頭。前走を勝って挑んだ馬は2着3回、3着も4回あって、前走を勝って挑む馬の勢いは要注意。一方で前走6着以下から巻き返して勝った馬も3頭いて、2着2回、3着5回と反撃が度々見られる。のべ9頭はいずれもオープン勝ち、もしくは重賞2着以上の実績を持ち、多くは札幌、函館での好走実績も持っていた。

[枠順]枠番別では6枠が3勝、4枠が2勝。3枠を除く全ての枠から勝ち馬が出ていて、3枠も2度の3着がある。、連対率ベースで見ると1枠と2枠がやや低め。3枠より外はほぼフラットな数字が出ている。馬番別でも馬券絡みがない枠は1つもなく、枠順は気にしなくていいだろう。

[脚質]過去10年、4角先頭の馬が(3.1.2.4)と、小回りの短距離レースとあって、基本的には先行有利のレースだが、前がオーバーペースになると差し馬も台頭。2015年は後方から脚を伸ばした馬が数多く上位に食い込み、17年は4角8番手のエポワスが差し切った。ちなみに4角先頭で馬券に絡んだ馬は全て5番人気以内だった。

キモは人気を落とした実績馬

過去10年、1番人気で勝ったのは、18年ナックビーナスと11年カレンチャンの2頭。2着4回、3着2回と複勝率は80%にのぼるが、アタマで勝負というには心許ない数字。最も多く勝っているのは2番人気の3勝。なお、6番人気以下で馬券に絡んだ馬は、前走着順6着以下から巻き返してきた馬同様、重賞実績、北海道実績を持っていた。穴を狙うなら近走に惑わされず、実績を見直したい。

プラスαデータ

西の人馬を要チェック!

基本的にトレセンからの輸送がないレースだが、過去10年、関西馬が6勝、2着は関西馬が9頭と『西高東低』の構図となっている。このレースもサマーシリーズのタイトルがかかるレースにおける関西馬の強さは頭の隅に入れておかなければならない。
ジョッキーも栗東所属が6勝。アベレージも美浦所属のジョッキーを上回る。

[キャリア]勝ち馬の最少キャリアは16年ブランボヌールの7戦。最多キャリアは17年エポワスの29戦。好走馬のキャリアは幅広いのだが、31戦を超えるとアベレージが大きくダウン。注目はキャリア10戦以下の馬で、過去10年で3勝。18回と少ない出走機会で(3.2.1.12)と好成績を残している。

[乗り替わり]過去10年トータルで見ると同じコンビが7勝。アベレージは大きくリードしているが、16年は乗り替わりのコンビがワン・ツー・スリー。17年18年と2年連続で1着、3着に乗り替わりのコンビが入るなど、近年は乗り替わりのコンビが活躍。乗り替わりは過度に気にする必要はないだろう。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、札幌芝1200mの最多勝ジョッキーは11勝の福永騎手。続いてC.ルメール騎手の10勝、J.モレイラ騎手が9勝。J.モレイラ騎手は騎乗回数が少ないこともあるが、非常に高いアベレージを残している。以下、7勝の藤岡康騎手、6勝の吉田隼、四位騎手、5勝の三浦、横山典騎手、4勝の池添、勝浦、丹内、松田騎手と続く。

[馬体重]勝ち馬の最少馬体重は16年ブランボヌールの438キロ。最高馬体重は12年パドトロワの526キロ。洋芝で力の要る札幌コースというのがあるのか、連対馬は比較的大きな馬が多い。3着馬は幅広いレンジから出ていて、複系の馬券なら馬体重はあまり気にしなくていい。

[種牡馬]過去10年で複数の勝ち馬を出した種牡馬はファルヴラブのみという意外な1頭。のべ6頭で2勝と相性は良さそうだが、勝ったフォーエバーマークは2回、エポワスは3回挑戦していて、2勝以外の4回は掲示板圏外。何とも微妙な数字となっている。複数回の馬券絡みがある種牡馬はダイワメジャー、ディープインパクト、チーフベアハート、クロフネ、スウェプトオーヴァーボード、フジキセキ。
芝のスプリント重賞でありながら、好走馬を出している種牡馬の顔触れを見ると、スタミナが勝ったタイプやダート適性の高い種牡馬が多い。

データの決断

強力な4歳勢の走りも楽しみなのだが、データからプッシュしたいのは3歳のアスターペガサス。好走が多い函館スプリントSからの参戦で、柔軟な脚質に加え、馬格の良さも兼ね備える。まだサマースプリントシリーズチャンピオンが狙える位置におり、勝負気配も強そうだ。