過去10年攻略データ

1981年に創設。1982年と1998年を除いて小倉芝1200mで一貫して行われ、夏の小倉開催を締めくくる重賞として定着している。時期的なこともあって、勝ち馬の名前を見ても早熟の馬が多くなっているが、2016年の勝ち馬レーヌミノルは翌年の桜花賞を勝利。2歳戦のスタートが早まって、今後の動向も注目される一戦だ。また、そのレーヌミノルに騎乗していた浜中騎手はこのレースで4勝と好相性を示している。

前走OP特別組にも注目!

[前走レース]夏の2歳重賞らしく、過去10年のうち、5頭が牝馬限定戦を含む新馬戦からの連勝。同じく未勝利戦からの連勝が3頭と初勝利の勢いで連勝を果たした馬が多い一方で、フェニックス賞、中京2歳Sといったオープン特別から駒を進めた馬も馬券に絡み、小倉のオープンであるフェニックス賞組は5頭が馬券絡みを果たしている。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
1番人気3-3-0-4前走1着9-9-9-94
2番人気4-1-1-4前走2着1-0-0-7
3番人気2-0-1-7前走3着0-1-1-4
4番人気0-0-2-8前走4着0-0-0-4
5番人気0-2-0-8前走5着0-0-0-6
6~9番人気0-2-5-33前走6~9着0-0-0-8
10番人気~1-2-1-60前走10着~0-0-0-1

過去10年注目データ

[前走着順]勝ち馬は9頭が前走からの連勝で、残る1頭もフェニックス賞2着馬。前走で4着以下に敗れた馬の巻き返しは皆無で、基本は勝ってここへ挑む馬を選びたい。

[枠順]枠番別では3枠と4枠が3勝、7枠が2勝。7枠は2着も4回あって、連対率、複勝率は最も高い。一方、1枠と5枠は連対がなく、6枠も2着が1度あるのみで、枠番別のアベレージには大きなバラツキがある。
馬番別では「3」「8」が2勝。1度も馬券絡みがないは「15」「18」の2つで、18頭フルゲートはわずか2回。こちらは比較的フラットな数字となっている。

[脚質]小倉開催の掉尾を飾るレースだが、好走馬の脚質はバラエティに富んでいて、逃げ残りあり、差し込みありと様々。4角先頭で馬券圏内に残った馬は4頭いるが、勝ったのは1番人気、2頭の2着馬はともに2番人気と上位人気に支持される素質、能力を秘めていないと粘り込みは難しい。伏兵も度々絡んでいるレースだが、多くは中団以降に構えて差してきた馬。難しいのはそうした馬も前走は先行策で好走しており、脚質選択は柔軟に構えたい。

ヒモは手広く!

過去10年、勝ち馬の9頭が3番人気以内で、1番人気は(3.3.0.4)とマズマズの信頼度。2~3着は6番人気以下の伏兵が2着に4頭、3着には6頭絡んでいて、昨年は13番人気のアズマヘリテージが2着に入って大波乱となった。5番人気以内だけの組み合わせで決まったのは過去10年で2回。アタマは比較的堅めだが、ヒモは手広く流したほうが得策かもしれない。

プラスαデータ

関西の人馬が中心!

美浦トレセンから遠い関東馬の参戦は非常に少なく、過去10年でわずか9頭。16年に4頭が参戦して、ダイイチターミナルが2着、カシノマストが3着と健闘したが、多くが大敗している。
ジョッキーの方も美浦所属ジョッキーの参戦が少なく、馬券絡みはダイイチターミナルに騎乗していた嘉藤騎手のみ。関西の人馬中心のレースだ。

[キャリア]ほとんどが新馬勝ち、もしくは2戦目に未勝利を卒業しての参戦。この2戦から参戦した馬のアベレージはほとんど変わらない。ここまでに3戦以上を消化している馬は割引だ。

[乗り替わり]過去10年、前走と同じコンビが6勝、乗り替わりのコンビが4勝。2着は乗り替わりのコンビが8回、3着は前走と同じコンビが7回とリード。連対率は乗り替わりのコンビが大きくリードするが、勝率、複勝率は前走と同じコンビがわずかにリード。乗り替わりは過度に気にする必要はないだろう。

[当該コースの騎手成績]2014年以降、小倉芝1200mの2歳戦で最も多くの勝鞍を挙げているのは、松山騎手の16勝。続いて和田竜、幸騎手の12勝、北村友騎手の10勝で、ここまでが2ケタ勝利。以下、武豊騎手8勝、高倉、松若、川田騎手が5勝、浜中、小牧太、国分優騎手が4勝、荻野極騎手が3勝と続く。この中で北村友騎手は50鞍に騎乗して勝率20%。単複ともに回収率が100%を超える好成績を残している。

[馬体重]勝ち馬の最少体重は14年オーミアリスの440キロ、最高体重は15年シュウジの482キロ。勝ち馬馬は440~480キロあたりに集中しているのだが、2~3着馬は幅広いレンジとなっている。馬格はさほど気にしなくていいだろう。

[種牡馬]過去10年、複数の勝ち馬を送り出している種牡馬は2勝を挙げているダイワメジャーで、6頭が出走して(2.0.2.2)と4度の馬券絡み。他に複数の馬券絡みがあるのはキンシャサノキセキ、ロードカナロア、サクラバクシンオーで、ロードカナロアは昨年初めて産駒が出走して3番人気のファンタジストが勝って、9番人気のミヤジシルフィードが3着。今後の活躍が期待される種牡馬だ。

データの決断

このレースと相性のいいダイワメジャー産駒ヒメサマも気になるのだが、キャリア3戦以上が苦戦しているのがネック。ここは新馬→フェニックス賞を連勝しているマイネルグリットに注目したい。前走は距離短縮も難なく克服。自在性があり、札幌2歳Sと比べて乗り替わりも気にならない。祖母コスモヴァレンチがこのレースを勝っているのも心強い。