毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【紫苑S】レースレベルが急上昇のトライアル!
2019/9/2(月)
「紫苑」は日本・朝鮮・中国・シベリアなどに分布するキク科の多年草で花言葉は「思い出」「追憶」。秋華賞トライアルとして2000年に創設されたオープン特別が前身で、2016年に重賞へ格上げ。秋華賞への出走権が2着以内から3着以内へと拡大された。長く秋華賞の好走馬が出ないレースだったが、2014年にショウナンパンドラが本番を勝利。重賞格上げ初年度の2016年にはヴィブロス、パールコードがワン・ツー・フィニッシュを決め、2017年はディアドラが秋華賞も連勝するなど傾向が大きく変わってきている。
主力はオークス組だが…
[前走レース]出走頭数が多いため、アベレージは低く出ているが、まず主力となるのはオークスから夏を越しての秋初戦組。そして見逃せないのは北海道で古馬相手の2勝クラスを経験してきた組。3頭いずれも馬券絡みを果たしている。
過去10年注目データ
[前走着順]勝ち馬は3頭いずれも前走3着以内。前走で馬券圏内を外して巻き返してきた馬が3頭いるが、いずれも前走がオークスで、それまでに重賞、オープンで連対経験があった実力馬。そうした馬はオークスの着順が大きくてもチェックしておきたい。
[枠順]枠番別では8枠が2勝、7枠が1勝。勝ち馬は外枠から誕生している。まだまだサンプルが少なく、傾向を判断するのは難しいが、外目の枠がやや優勢と出ている。
[脚質]まだまだサンプルが少ないため、どう変化していくか注目されるが、過去3年の傾向からは先行馬がやや優勢。4角10番手以下から差してきた馬も3頭いるが、いずれも人気サイドで、妙味は薄い。
1番人気はオール連対!
過去3年、1番人気は(2.1.0.0)で連対を外していない。重賞に格上げされ、メンバーレベルもOP特別時代とは格段に上昇。秋華賞までしっかりと間隔が取れるのは魅力で、今後も重要度が増してきそうだ。
優先出走権を獲りに来た西の人馬に注目
過去3年、関東馬が1~3着2回ずつ、関西馬が1回ずつ。関西馬は翌週に地元・阪神でのローズSを控え、出走頭数はほぼ1/3なのだが、しっかりと馬券圏内に食い込んでいて、勝率、連対率、複勝率いずれも関東馬をリードしている。
ジョッキーの方は栗東所属がわずか9回の騎乗機会で(2.2.0.5)とアベレージで圧倒。秋競馬開幕を中山で迎える栗東所属のジョッキーは勝負気配も強い。
[キャリア]クラシック路線の王道を歩んだ馬、夏の上がり馬、様々な臨戦過程で出走してくるが、馬券圏内に入った9頭のうち8頭がキャリア10戦以下。唯一それ以上のキャリアで馬券圏内に入ったのは17年の勝ち馬ディアドラで、キャリア12戦を消化。海外でも活躍するタフさをこの時点で垣間見せていた。ちなみに勝ち馬の残り2頭はキャリア4戦だった。
[乗り替わり]乗り替わりに関しては秋華賞を見据えた乗り替わりも多く発生しているが、アベレージはほぼ互角。あまり気にしなくていいだろう。
[当該コースの騎手成績]2014年以降、中山芝2000mで最も多くの勝鞍を挙げているのは、戸崎騎手の26勝。続いてC.ルメール騎手が22勝、田辺騎手が20勝で、この3人が20勝超えをマークしている。以下、蛯名、内田博騎手が17勝、大きく離れて柴山、吉田豊が11勝、石橋脩騎手が10勝と続く。この中でC.ルメール騎手と柴山騎手が単勝回収率100%超え。ここには名前がないが、川田騎手が23回の騎乗で(6.6.2.9)と多く馬券に絡み、単複ともに回収率が100%を超えている。
[馬体重]勝ち馬の最少体重は16年ビッシュの420キロ。最高体重は17年ディアドラの478キロ。牝馬限定の一戦とあってか、比較的小柄な馬が活躍している。また、夏を休養に充てた馬も多いことで連対馬はいずれも前走と同じ体重か増えて出走。17年3着のポールヴァンドルだけが馬体減で出走しているが、この馬は532キロでデビューし、未勝利勝ちが544キロ。のちに574キロで出走した超大型馬だった。
[種牡馬]重賞に格上げされてわずか3年でハービンジャー産駒が2勝。ディープインパクトも1勝、2着2回と高い適性を見せている。馬券絡みを果たした種牡馬の顔ぶれを見ると、スタミナタイプが多い。
秋華賞へ向けて重要度が増した一戦。相性抜群のディープインパクト産駒が4頭、ハービンジャー産駒が3頭登録してきたが、ここではハービンジャー産駒のエアジーンをプッシュしたい。フローラS以来の一戦だが、キャリア5戦目で挑むのは昨年の覇者ノームコアと同じ。おばのヴィブロスが羽ばたいた舞台で権利を掴み取る!