日本競馬史上初の3冠馬となったセントライトの功績を称えて1947年に創設。1980年に現在の中山芝2200mに定着し、1995年より菊花賞トライアルに指定された。近3年は皐月賞上位馬が勝ち馬に名を連ねているが、上がり馬も度々好走を見せているレースで、菊花賞を目指して熱い戦いが繰り広げられている。時に2ケタ人気の激走もある波乱含みの一戦をデータで紐解きたい。
2014年は新潟競馬場で施行

前走2勝クラスを要チェック！

［前走レース］近年は関東馬が神戸新聞杯へ西下というパターンも見られるが、過去10年、春に日本ダービーを戦い、ここを秋初戦に定めた馬が7勝、2着4回、3着4回と圧倒。東の菊花賞トライアルとして文句なしの存在感を誇っている。ラジオNIKKEI賞からひと息入れた組も悪くないが、目立つのは前走が1000万条件の馬。ヒモには押さえておきたい。

過去10年注目データ

［前走着順］前走から連勝した馬は、500万の平場を勝って臨んだ13年ユールシンギングのみ。52頭が連勝に挑んで(1.4.3.44)と連勝は高い壁になっている。とはいえ、勝ち馬は7頭が前走4着以内で、残る3頭は前走2ケタ着順からの巻き返しだったが、いずれもダービーに参戦した重賞ウイナー。また前走2ケタ着順から馬券圏内に入った馬は全て重賞2着以上の実績を持っていた。

［枠順］枠番別では少し偏りがあって、3枠が3勝、6枠と7枠が2勝。7枠は3着が4回あり、8枠は1勝ながら2着が3回ある。連対率で見ると2枠、5枠の数字がやや低い。
馬番別で見ると過去10年で馬券絡みがない馬番は「1」「6」「18」の3つで、18頭立てになったのはわずか2回。「1」「2」はともに未勝利だが、「1」が1度も馬券絡みがないのに対して、「2」は2着2回、3着4回、複勝率60％で全馬番で最も高いアベレージを残している。

［脚質］過去10年、4角先頭でそのまま押し切ったのは12年フェノーメノと15年のキタサンブラック。ともにクラシックで上位に入った実績があった。直線の短い中山ということもあり、基本的には前めに付けて渋太く流れ込むのが好走パターン。4角10番手以下から差し切ったのは10年クォークスターのみで、直線一気はほとんど決まらない。

穴党注目は…

1番人気は(3.2.1.4)とマズマズの信頼度。3番人気以内は複勝率50％に達する。穴党注目は6番人気以下の馬で、全ての馬に当てはまるわけではないが、多くが重賞実績、もしくは長距離実績のある種牡馬を父に持っていた。

軸は地の利がある関東馬！

菊花賞本番が京都で行われることもあって、関西の有力馬の多くは神戸新聞杯を選択。関東馬が過去10年で9勝を挙げている。ちなみに関西馬唯一の勝利は歴史的名馬となったキタサンブラック。中心は地の利がある関東馬を選んだ方が賢明。
ジョッキーの方も美浦所属が優勢。C.ルメール騎手が2年連続2着に入るなど健闘も見られるが、勝ったのは10年クォークスターの藤岡佑騎手1人。連対率、複勝率は互角だが、美浦所属のジョッキーがしっかりと砦を守っている。

［キャリア］キャリア6戦の馬が4勝、5戦と7戦の馬がそれぞれ3勝で、勝ち馬は5～7戦のキャリアに絞られている。勝ち馬こそいないが、8戦の馬も2着が2回、3着が3回あって侮れない存在となっている。それ以上はアベレージがダウン。

［乗り替わり］乗り替わりが多く発生しているレースだが、前走と同じコンビの人馬が着度数、アベレージとも上回っている。クラシック路線において重要な位置付けとされるレースだけに、乗り替わりは歓迎とはいえない。

［当該コースの騎手成績］2014年以降に行われた中山芝2200mで最も多く勝っているのは田辺騎手で8勝。そのうち6勝が3歳戦によるもので、昨年の勝利ジョッキーでもある。続いて石橋脩騎手が7勝、以下、戸崎、内田博騎手が6勝、C.ルメール騎手が5勝、北村宏、蛯名騎手が4勝、柴田大、三浦、吉田豊、武豊騎手が3勝と続く。

［馬体重］過去10年の勝ち馬のうち5頭が500キロ以上の大型馬。タフなコースで行われることもあってか、馬格に恵まれた馬が勝ち名乗りを上げている。ただし、2～3着となると数が少なくなり、460～498キロの馬が多くを占める。大型馬には一目置く必要はあるが、過度に気にしなくてもいいだろう。

［種牡馬］過去10年で複数の勝利を挙げている種牡馬はステイゴールドで3勝。ディープインパクト産駒は16年にワン・ツー・スリーを決めているが、1番人気で掲示板を外した馬が2頭いて、上位に食い込んだ馬も人気サイドと評価は微妙。その他で複数の馬券絡みがあるのはスクリーンヒーロー、フジキセキ、キングカメハメハ、ハーツクライ。入着馬の父を見るとタフなコースとあってか、スタミナタイプが多い。