過去10年攻略データ

出走馬に広く門戸を開けたレースとして1955年に中山芝2000mのハンデキャップ競走でスタート。負担重量は1981年から1985年までと1995年以降が別定、1986年から1994年は馬齢で行われ、距離は1984年より芝2200mで定着している。1986年から1994年までは「地方競馬招待競走」として行われ、外国産馬は1978年から、外国馬は1995年からそれぞれ出走可能で、2014年からは1着馬に天皇賞(秋)の優先出走権が付与されている。
※2014年は新潟競馬場で施行

前走の格は非常に重要!

[前走レース]秋のG1を睨んだ一戦とあって、前走の格はかなり重要。3着が2回ある札幌日経オープン以外は全て重賞レースで、更にG1から休養に入り、ここを秋初戦と定めてきた馬の好走が非常に多い。特に直近のG1宝塚記念組は(3.4.2.5)と半数以上が馬券に絡んでいる。また、10年には前年の天皇賞(秋)以来のぶっつけだったシンゲンが勝利を挙げている。

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳0-0-0-1前走1着1-2-2-17
4歳3-4-3-15前走2着0-0-2-14
5歳3-3-4-37前走3着2-0-0-4
6歳3-3-1-22前走4着1-1-2-6
7歳1-0-2-19前走5着1-2-4-8
8歳以上0-0-0-16前走6~9着2-3-0-27
前走10着~3-2-0-34

過去10年注目データ

[年齢]過去10年、4~6歳馬がそれぞれ3勝、7歳馬1勝と勝ち馬が出ているのは4世代。3勝している3世代で最もアベレージが高いのは4歳馬。5歳馬は出走回数も多く、アベレージは4歳と6歳がリードしている。7歳以上は馬券絡みがグッと減り、8歳以上は過去10年1度も馬券絡みがない。

[前走着順]過去10年で前走から連勝を果たしたのは11年アーネストリーただ1頭。前走3着馬が2勝しているが、2着馬は連対ゼロで、好走の勢いは不要。半数の5頭が前走6着以下からの巻き返しだが、4頭は重賞ウイナー。2着5頭も全て重賞ウイナーで、相応の地力を持つ馬は前走着順は気にしなくていい。

[枠順]枠番別で連対のない枠はゼロで、複勝率が高いのは2枠、3枠、5枠。苦戦を強いられているのが4枠と8枠で、特に8枠で馬券に絡んだのは09年の勝ち馬マツリダゴッホのみと大苦戦している。
馬番別で馬券絡みがないのは「10」「14」と「16」~「18」の4つ。9頭立てだった年もあり、過度に馬番は気にしなくていいだろう。

[脚質]過去10年で逃げ切りこそ09年マツリダゴッホ1頭だが、勝ち馬7頭が4角5番手以内の先行馬。4角10番手以下の馬は1頭も馬券に絡んでおらず、追い込み馬は不利。少なくとも4コーナーまでに中団のポジションには取り付いていたい。

好配のキモは中山巧者

過去10年、1番人気に支持された馬は(3.4.1.2)と複勝率80%。勝ち切るという面では少し心許ないが、ほとんどの馬が上位に顔をのぞかせている。勝ち馬は7頭が3番人気以内で、アタマは比較的堅め。穴で多いのが中山巧者でコース実績は注視したい。2ケタ人気は非常に厳しく、14年3着のクリールカイザー1頭。その時点で中山コース4勝を持っていた。

プラスαデータ

『西』のジョッキーは色気あり

出走頭数で勝る関東馬が過去10年で8勝とリードするが、2着は関西馬が8回と奮闘。連対率は関西馬が上回る。複勝率で見ると東西ほぼ互角。関西馬の食い込みは頭に入れておきたい。
ジョッキーで見ると栗東所属のジョッキーは(4.8.3.13)と少ない騎乗機会で上位を賑わせていて、昨年は1~3着がいずれも栗東所属のジョッキーだった。ここへ騎乗する栗東所属のジョッキーは大いに色気ありと見ていい。

[キャリア]勝ち馬10頭のうち8頭がキャリア20戦以下。勝ち切るという意味ではフレッシュな方がいいのだが、2~3着となると21戦以上の豊富なキャリアを持つ馬が台頭してくる。ただし、31戦を超えると成績が急降下。馬券に絡んだのは10年3着のトウショウシロッコのみとなる。

[乗り替わり]乗り替わりで挑むコンビが多いレースだが、結果は芳しくなく、前走と同じコンビの人馬が8勝、2着8回、3着7回と圧倒。乗り替わりのケースも以前に騎乗経験があったコンビ復活が見られ、全くのテン乗りは割引が必要だ。

[当該コースの騎手成績]2014年以降に行われた中山芝2200mで最も多く勝っているのはセントライト記念の項を参照に。ここではJRAの芝2200mで行われた重賞競走で好成績を挙げているジョッキーをピックアップ。最多勝は6勝のM.デムーロ騎手で16回の騎乗で(6-1.3-6)の好成績。続いて蛯名騎手の5勝、3勝は川田、戸崎、横山典、田辺騎手の4人。

[馬体重]好走馬の馬体重を見ると、意外にも大型馬が苦戦していて、500キロ以上で勝ったのは11年アーネストリーの522キロ。大型馬がなかなか勝ち切れていない。勝ち馬の最少馬体重は15年ショウナンパンドラの440キロだが、連対馬では2年連続422キロで2着に入ったドリームジャーニー(ともに1番人気だったが…)がおり、馬格は問わない。

[種牡馬]過去10年で複数の勝ち馬を出している種牡馬はおらず、複数の馬券絡みがあるのはディープインパクト、ステイゴールド、マンハッタンカフェ、ジャングルポケット、ホワイトマズル、ハーツクライ。サンデーサイレンスの血を引く種牡馬が活躍している。全体の名前を見渡してもスタミナ色の濃い面々が顔を出している。

[牝馬]近年は牝馬が活躍していて、17年はルージュバック、15年はショウナンパンドラが勝ち、2着にヌーヴォレコルトが入って牝馬がワン・ツー・フィニッシュを決めた。連対を果たした4頭はいずれもG1で連対経験があり、3頭が重賞ウイナー。14年2着のラキシスはこの時点でエリザベス女王杯2着の経験があり、次走でエリザベス女王杯を勝った。G1実績があれば牡馬相手でも十分太刀打ち可能だ。

データの決断

5歳馬が中心となりそうな一戦。その世代のダービー馬レイデオロはもちろん注目なのだが、ここでは香港でG1タイトルを手にしたウインブライトを取り上げたい。この舞台とマッチするステイゴールド産駒で、何よりもこの馬自身が中山コースを滅法得意としている。ゴールデンコンビともいえる松岡騎手を背に中山重賞5勝目を狙う。