過去10年攻略データ

ホープフルSというレースそのものは中山の最終週に行われる2歳のオープン特別として存在していたが、重賞としての前身は1984年に創設された「ラジオたんぱ杯3歳牝馬S」。当初は阪神の1600mで行われていたが、1991年に牡馬・セン馬限定の「ラジオたんぱ杯3歳S」と改称され阪神の2000mに。更に2001年に馬齢表記が国際基準に変更されたことに伴い「ラジオたんぱ杯2歳S」に、更にラジオたんぱがラジオNIKKEIに変わって「ラジオNIKKEI杯2歳S」に変更された。そして、中距離路線の拡充に伴って中山競馬場へ移転、ホープフルSに改められ重賞に格上げ。今年から更にG1へと格上げされた。ここではオープン特別時代も含む中山のホープフルS過去10年を検証したい。

注目は新馬勝ち1戦。未勝利勝ち組も侮れない

[前走レース]キャリア1戦の馬が6勝しているので、必然的に前走新馬戦を勝った馬が6勝。2着はないが、3着馬も3頭いるのは見逃せない。続いて中山で行われている葉牡丹賞組が3勝。そして2着馬5頭が未勝利戦を勝ったばかりというのも要チェックだ。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
新馬6-0-3-1130.0%30.0%45.0%
葉牡丹賞3-1-1-1713.6%18.2%22.7%
萩S1-0-0-233.3%33.3%33.3%
未勝利0-5-1-260.0%15.6%18.8%
ベゴニア賞0-1-1-20.0%25.0%50.0%
黄菊賞0-1-1-10.0%33.3%66.7%
きんもくせい0-1-0-20.0%33.3%33.3%
新潟2歳S0-1-0-10.0%50.0%50.0%
東スポ杯2歳S0-0-2-100.0%0.0%16.7%
京王杯2歳S0-0-1-00.0%0.0%100.0%

前走着順別成績
前走着順 着別度数
前走1着8-8-5-49
前走2着1-1-1-10
前走3着1-0-3-6
前走4着0-0-0-3
前走5着0-0-1-6
前走6~9着0-1-0-21
前走10着~0-0-0-12

過去10年注目データ

[前走着順]前走勝った勢いは非常に重要で前走を勝って臨んだ馬が1着、2着に8頭、3着にも5頭と上位を賑わせている。前走4着以下から馬券になったのは12年2着のマイネルストラーノと11年3着のコスモアンドロメダの2頭しかいない。

[枠順]傾向としていえるのは、勝ち馬は内枠とやや外めの枠に多く出ていること。不利なのは8枠で過去10年で連対馬は1頭もいない。
馬番別では「2」が3勝、「11」が2勝、2着2回のラッキーナンバー。「7」も1勝、2着2回、3着1回と好走馬が多く出ている。一方で馬券絡みがないのは「3」「4」「12」「14」「17」。

[脚質]小回りの中山で行われる一戦とあって、直線一気を決めるのは困難で過去10年、4角10番手以下のポジションから差し切った馬はゼロ。勝ち馬の7頭、2着6頭が4角5番手以内の好位から馬券圏内に絡んでいる。4角6番手以下から追い込んで馬券に絡んだ馬の多くはある程度の人気を背負っていた馬で、いわゆる「とりこぼし」が多かった。

距離経験に注目

1番人気は(3-3-0-4)と決して悪い数字ではないが、前走好走馬が多く、人気が割れ加減なのか6番人気以下の伏兵も度々穴を開けている。特徴は掴みづらいのだが馬券に絡んだ9頭のうち8頭が前走1800m以上の距離を使っていて、6頭が勝ち上がってこのレースに臨んでいる。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気3-3-0-430.0%60.0%60.0%
2番人気2-1-4-320.0%30.0%70.0%
3番人気1-2-1-610.0%30.0%40.0%
4番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
5番人気1-0-1-810.0%10.0%20.0%
6~9番人気2-3-2-335.0%12.5%17.5%
10番人気~0-1-1-450.0%2.1%4.3%

プラスαデータ

関東馬が地元の意地を見せる

東西の比較では関東馬が6勝、2着7回、3着8回と好走馬を数多く輩出しているのだが、出走頭数が倍以上あって、アベレージでは関西馬がリード。とはいえ、重賞に格上げされてからも昨年、一昨年と関東馬がワンツー。14年も2、3着は関東馬が占めていて地元の意地を見せている。

[キャリア]過去10年、何と勝ち馬は全てキャリア3戦以内で、キャリア1戦の馬が6勝。G1に格上げされて、今後傾向が変わってくるかもしれないが、G2となった過去3年でもキャリア1戦のシャイニングレイ、ハートレーが勝ち、昨年はグローブシアターが3着とキャリアの浅い馬が好走している。

[乗り替わり]過去10年、乗り替わりの馬が6勝を挙げているが、2着は前走と同じコンビが6回。乗り替わりはあまり気にしなくていいだろう。
ジョッキー別ではC.ルメール騎手が8回の騎乗で(4-1-1-2)と抜群の好相性を誇り、その他にもR.ムーア、O.ペリエ、H.ボウマン、I.インディザバル騎手が勝ち名乗りを上げていて外国人ジョッキーが非常に強い。

[当該コースの騎手成績]2012年以降、中山2000mで最も多く勝鞍を挙げているのは、戸崎騎手の23勝。続いて蛯名、内田博騎手が21勝、田辺騎手が20勝と続く。やはり美浦所属のジョッキーが上位に名を連ねているのだが、特筆すべきはC.ルメール騎手で12勝を挙げて勝率30%。複勝率は5割を超え、このホープフルSも過去10年8回の騎乗で4勝している。

[馬体重]タフな中山2000mという条件で、勝ち馬は比較的大きな馬が多いのだが、460キロ以下の馬もたびたび馬券になっていて、あまり馬格は気にしなくていい。キャリア1戦の好走馬が多いためか、前走より馬体を絞ってきた馬が5勝を挙げている。

[種牡馬]種牡馬はかなり偏っていて、キングカメハメハ、シンボリクリスエス産駒が3勝、ディープインパクト産駒が2勝。勝ち馬こそいないが、ステイゴールド産駒が出走馬8頭で2着2回、3着1回の好成績を残している。これらの産駒には注意を払いたい。

データの決断

無敗馬も多くいてどの馬を取るか悩ましい一戦だが、キャリア1戦でも十分勝負になっている過去のデータがあり、ここはデビュー戦を控える競馬で勝っているステイゴールド産駒のステイフーリッシュ(牡2、栗東・矢作厩舎)をプッシュしたい。父の血ももちろん心強いのだが、おじ、おばにブラックホーク、ピンクカメオとG1を勝った兄妹がいるのもセールスポイント。ここで大仕事をやってのける可能性は十分あるとみる。

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