毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【東西金杯】データから浮かんだお年玉は!?
2017/12/28(木)
中山金杯
京都金杯
中山金杯は1952年に中山芝2600mのハンデ戦として創設。1961年に距離が2000mとなり、負担重量は別定で行われた1954年から1960年を除いてハンデキャップ競走として行われている。また、1996年より東西の金杯を区別するために現在の名称に変更。中山はそのままの距離となったが、京都は1600mに短縮され、東は中距離路線、西はマイル路線の起点となっている。新年最初の重賞をデータで占ってみたい。
関西の中距離重賞に注目
[前走レース]レース名、施行時期の変更で分かりにくくなっているが、相性のいいレースとして金鯱賞、鳴尾記念、チャレンジCといった12月上旬に行われている関西の中距離重賞が挙げられる。東では同時期に行われているディセンバーS組の相性がいい。
ハンデ戦で条件上がりの馬も活躍していそうなイメージがあるが、前走が条件戦で馬券絡みを果たしたのは12年の勝ち馬フェデラリストただ1頭。オープンで揉まれている馬がその地力を示している。
過去10年注目データ
[年齢]勝ち馬は4歳から7歳まで幅広く出て、6歳馬と7歳馬が3勝ずつを挙げてベテランの健闘が目立つ。アベレージで見ると連対率、複勝率は5歳馬が最も高くなっているが、飛び抜けて高いわけではなく、この4世代はほぼイーブンと見ていい。8歳以上は大きく割引。
[前走着順]前走から連勝を果たした馬は4頭で、勝ち馬の7頭が前走3着以内。勝ち切るには前走からの勢いも重要となっている。2~3着に目を移すと、2着馬の6頭が前走5着以下、3着も4頭が前走で掲示板を外した馬で、多くが中山の重賞で好走実績を持っていた。
[枠順]枠番別では外枠が不利で、7枠は勝ち馬1頭、8枠は2着馬1頭のみで、苦しい競馬を強いられている。過去10年、実に勝ち馬の8頭が4枠より内で、2枠は(3-4-1-10)の好成績を残している。
馬番別では2枠に入ることが多い、「3」「4」が2勝ずつ。馬券絡みがないのは「14」「16」の2つだが、「8」「9」も連対はゼロで苦戦している。
[脚質]勝ち馬こそいないが、4角先頭の馬が3頭馬券絡みを果たし、4角5番手以内の馬が7勝、2着5回。小回りの直線の短い中山ということで、先行勢が優勢となっている。ただし、ここ数年は中団から差してきた馬が1頭は馬券に絡んでいて、展開を読むのが重要となっている。差しも決まるが、4角10番手以下からの追い込みはなかなか決まらない。
人気どころもしっかり押さえて
勝ち馬は10頭全てが5番人気以内で、7頭が3番人気以内。ハンデ戦ではあるが、6番人気以下は2、3着がともに3頭ずつ。ここ5年は1番人気がいずれも馬券に絡んでいる。上位人気馬が総崩れというシーンはほとんどなく、人気どころをしっかり押さえた馬券作戦を組み立てたい。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-1-3-3 | 30.0% | 40.0% | 70.0% |
2番人気 | 2-2-0-6 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
3番人気 | 2-0-0-8 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
4番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-2-3-4 | 10.0% | 30.0% | 60.0% |
6~9番人気 | 0-2-1-37 | 0.0% | 5.0% | 7.5% |
10番人気~ | 0-1-2-62 | 0.0% | 1.5% | 4.6% |
西優勢も近年は地元が意地
過去10年関西馬が6勝と関東の重賞でありながら、勝ち馬の数は関西がリード。ただし、昨年は関東馬がワン・ツー・スリーを決め、09年以外は必ず関東馬が1頭は馬券に絡んで地元の意地を見せている。
ジョッキーは美浦所属が4勝、2着、3着がそれぞれ6回と多く馬券に絡んでいるが、騎乗数が圧倒的に多く、アベレージは良くない。イメージとしては栗東所属のジョッキーがキッチリと仕事して帰っている。また、外国人ジョッキーの活躍も光る。
[キャリア]7歳馬が頑張っていることもあり、キャリアが多めの馬も馬券圏内に飛び込んでいるが、それも30戦まで。31戦を超えると大きく数字がダウンする。アベレージが高いのは16~20戦の比較的フレッシュな馬。26頭が出走して複勝率は5割に上る。
[乗り替わり]世代トップクラスが揃う一戦で、お手馬がかち合って乗り替わりも多く発生しているが、過去10年では前走と同じコンビが7勝。ただし、2~3着は5回ずつで、乗り替わったジョッキーも多くが名手ばかり。乗り替わりはあまり気にする必要はないだろう。
[当該コースの騎手成績]2012年以降に行われた中山芝2000mの重賞・オープン特別で最も多くの勝鞍を挙げているジョッキーは蛯名騎手の5勝、続いて吉田豊騎手の4勝、川田、F.ベリー、C.ルメール騎手が3勝、2勝は5人いるが、福永、M.デムーロ騎手の連対率、複勝率が高い。
[馬体重]パワーが必要とされる冬の中山で、その格言通りに大型馬が活躍。勝ち馬の9頭が480キロ以上で、520キロを超える馬が4勝している。迷ったら馬格のある馬を選びたい。
[種牡馬]過去10年、このレースで2勝している種牡馬はアドマイヤベガ、ステイゴールド、キングカメハメハの3頭。近年はキングカメハメハ産駒の活躍が光る。ディープインパクト産駒は5頭が出走して、14年に1番人気3着のディサイファが最高の成績。このレースに関してはひと息の成績となっている。
基本的に中山コースはコース巧者が強いレース。ここは中山でスプリングSを勝つなど2勝、2着1回。皐月賞も8着ながら勝ち馬とコンマ5秒の健闘を見せた明け4歳のウインブライトを軸に指名したい。欲をいえばもっと馬格が欲しいところだが、クラシックや古馬の一線級と戦った経験を生かした前走は着差以上に強い内容で、それを補うだけの地力を持ち、父ステイゴールドの血も心強い。ここを更なる飛躍のステップにしたい。
中山金杯
京都金杯