過去10年攻略データ

1960年にニューヨークジョッキークラブから優勝杯の贈呈を受けて創設。第1回は新年初日の1月5日に芝2000mで開催されたが、翌年より当時は1月中旬に行われていた金杯(現在の中山金杯)と入れ替わる形で1月中旬に移行。距離や施行場を何度か変遷された後、1985年より現在の条件で定着している。過去の勝ち馬には中・長距離で名を馳せた名馬も多い伝統の一戦をデータから紐解きたい。

地力があれば久々でも

[前走レース]まず注目したいのは有馬記念を使い、新年初戦にこのレースを迎える馬。過去10年、16頭がこのローテーションで参戦して4勝、2着2回、3着1回と優秀な成績を残している。それに続くのが中山金杯、金鯱賞をステップとした組。勝ち馬は出ていないが、ディセンバーS組も(0.2.2.5)と多くの馬券絡みが出ていて、注目のローテーションといえるだろう。

前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
有馬記念4-2-1-925.0%37.5%43.8%
中山金杯2-2-1-256.7%13.3%16.7%
金鯱賞2-0-2-328.6%28.6%57.1%
ステイヤーズS1-0-0-910.0%10.0%10.0%
天皇賞(春)1-0-0-0100.0%100.0%100.0%
ディセンバーS0-2-2-50.0%22.2%44.4%
福島記念0-2-0-00.0%100.0%100.0%
中日新聞杯0-1-1-10.0%33.3%66.7%
天皇賞(秋)0-1-0-10.0%50.0%50.0%
ジャパンC0-0-1-20.0%0.0%33.3%
迎春S0-0-1-30.0%0.0%25.0%
クリスマスC0-0-1-00.0%0.0%100.0%

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
4歳0-2-2-12前走1着0-2-3-17
5歳4-0-3-22前走2着2-2-2-6
6歳3-1-3-30前走3着1-1-2-5
7歳3-3-1-23前走4着2-0-0-13
8歳0-4-1-11前走5着2-0-0-8
9歳以上0-0-0-14前走6~9着1-2-2-29
前走10着~2-3-1-34

過去10年注目データ

[年齢]意外にも過去10年で4歳馬は未勝利で、勝ち馬は5~7歳の3世代。複勝率のアベレージで最も高いのが何と2着が4回ある8歳馬で、ベテランの活躍が非常に目立つ。その大きな要因となっているのがリピーターの存在。複数回馬券に絡んだ馬はネヴァブション、エアシェイディ、トウショウシロッコと3頭いるが、いずれも7歳時に馬券絡みを果たし、ネヴァブション、エアシェイディは8歳時にも好走している。

[前走着順]過去10年で前走から連勝を果たした馬は何とゼロ。有馬記念からの巻き返し組のほか、中山金杯やローカル重賞を使って調子を上げてきた馬が多く好走している。有馬記念組は2ケタ着順からの巻き返しも多く、グランプリを経験した馬は注意を払いたい。

[枠順]枠番別では3枠が4勝、6枠が3勝とやや極端。中枠が優勢で、1枠と2枠、7枠と8枠はアベレージが落ちる。
馬番別で見ると馬券絡みがない馬番は「15」「17」の2つ。「3」の4勝はひと際目立つ数字だが、関西馬3勝のうち、2勝はこの「3」だった。

[脚質]過去10年、4角先頭から押し切った馬は1頭しかいないが、8頭が4角5番手以内。2~3着も多く、器用さが試される舞台といえる。4角10番手以下の馬は1頭も馬券になっておらず、追い込み一辺倒の馬は割引が必要。

2番人気の信頼度が高い

勝ち馬は6頭が3番人気以内で、9頭までが5番人気以内。2番人気の信頼度が高い。過去10年では昨年の7番人気タンタアレグリアが最も人気薄での勝利となっている。単系の馬券はある程度人気になっている馬から攻めたいが、ヒモはやや荒れ加減。ただし、2ケタ人気で馬券に絡んだのは14年2着のサクラアルディート1頭のみ。極端な人気薄を狙うのは危険だ。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気2-1-0-720.0%30.0%30.0%
2番人気3-2-2-330.0%50.0%70.0%
3番人気1-1-3-510.0%20.0%50.0%
4番人気2-0-1-720.0%20.0%30.0%
5番人気1-2-3-410.0%20.0%20.0%
6~9番人気0-2-1-372.5%12.5%22.5%
10番人気~0-1-2-620.0%1.9%1.9%

プラスαデータ

関東勢に地元の利

地元の利を生かして、過去10年では関東馬が7勝、2着8回、3着7回と圧倒している。ジョッキーの方も美浦所属のジョッキーが大きく優勢。引き続き西高東低の気圧配置が続いているが、このレースに関しては東が意地を見せている。

[キャリア]ベテランが活躍している事もあって、キャリア30戦以上の馬も度々馬券に絡んでいるが、アベレージが高いのはキャリア11~15戦を消化している馬。16~20戦、21~30戦とキャリアを増す毎にアベレージは下がっていくのだが、その下がり方は比較的緩やかで、高齢やキャリア過多はほとんど気にしなくてもいい。

[乗り替わり]乗り替わりに関しては、前走と同じコンビの人馬が過去10年で7回3着に入り、少し複勝率が高く出ているくらいで、勝率、連対率はほぼ互角。乗り替わりは気にしなくていいだろう。

[当該コースの騎手成績]2013年以降に行われた中山芝2200mで最も多くの勝鞍を挙げているジョッキーは田辺騎手の8勝。以下、戸崎騎手の7勝、北村宏、内田博、柴田大、蛯名騎手の5勝と続く。このうち北村宏騎手は5勝、2着10回と2着が大きく先行しているのだが、連対率41.7%、回収率は単複ともにプラスとなっていて、コース相性がいい。

[馬体重]パワーが必要とされる冬の中山。やはり馬格に恵まれた馬が活躍していて、勝ち馬の9頭が480キロ以上。480キロを切る馬は大きくアベレージが下がる。

[種牡馬]過去10年、ディープインパクト、マーベラスサンデー、ジャングルポケット産駒がそれぞれ2勝。ディープインパクト産駒でも切れるというより、長くいい脚を使えるタイプが好走している。意外なのはこの時期の中山芝を得意としているステイゴールド産駒が(0-1-1-12)と、出走頭数の割に凡走が多いこと。イメージで飛び付くのは危険だ。

データの決断

過去の歴史から度々巻き返しを見せている有馬記念組だが、今年は紅一点トーセンビクトリーただ1頭。気になるローテーションなのだが、牝馬苦戦の歴史からも過大評価は出来ない。高齢馬も減点の必要がないレースの性質から、今年は15年のグランプリホース・ゴールドアクター(牡7、美浦・中川厩舎)に注目したい。この馬自身、コース実績は申し分なく、ポン駆けも利くタイプ。昨年は春の天皇賞以来だったタンタアレグリアが勝っており、臨戦過程も問わない。得意の中山で実力馬が復活を遂げる。