毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【京都記念】レイデオロには分厚い壁が…
2018/2/4(日)
1942年にハンデの重賞として創設。当初は春と秋の2回行われていたことから、今年で111回目を迎える歴史あるレースで1984年に秋のレースが廃止されて年1回に。1994年より別定に変更され、実績馬の負担重量が軽減されたことで、ドバイ遠征や春の天皇賞を目指す馬が年明け初戦に選ぶケースが増えてきている。今年は昨年のダービー馬レイデオロ、皐月賞馬アルアイン、秋華賞馬ディアドラ、エリザベス女王杯を制したモズカッチャンら明け4歳の強豪が集結。非常に楽しみな一戦となった伝統の京都記念をデータで紐解きたい。
格がモノをいうレース
[前走レース]臨戦過程で一目置かなければならないのは暮れのG1を使ってひと息入れてきた馬。特に有馬記念組は(4.1.3.7)と複勝率が5割を超える好相性を示している。数は少ないが天皇賞(秋)、香港ヴァーズを使った馬は連対率100%。09年のアサクサキングスや16年のサトノクラウンは前走2ケタ着順から一変しており、前走G1組は要注意。
その他では東西の金杯を叩いて年明け2戦目の馬も高いアベレージを残している。なお、前走条件クラスから臨んだ馬は1頭も馬券になっておらず、オープン特別からの参戦も苦戦している。
過去10年注目データ
[年齢]過去10年、勝ち馬が出ているのは4~6歳の3世代で、中でも5歳馬5勝、4歳馬4勝と勝ち馬は2世代に集中している。2着は6歳馬が5回と最も多く、連対率は3世代ほぼ互角となっている。7歳以上は出走頭数も少なくなるが、大きく割引。馬券に絡んだのは08年3着のシルクフェイマスと昨年2着のスマートレイアーのわずか2頭。共通するのは重賞を3勝、G1での連対実績を持っていた。
[前走着順]G1を経て参戦してくる馬が多いこともあり、前走から連勝を果たした馬はさすがに多くなく、過去10年で2頭。前走で掲示板を外した馬が5勝しているように、チェックする際は着順よりもレースのグレードに注意を払いたい。
[枠順]枠番別では6枠、8枠がともに3勝。少頭数で行われることが多く、スタートしてスタンド前の長い直線を走るため、内を見ながら好位を取れる外めの枠の馬が多く活躍している。馬番別で馬券絡みがないのは「15」「16」の2つだが、16頭のフルゲートになった年はわずか2回。15頭立ても1回しかない。
[脚質]外回りで行われるレースだが、4角先頭の馬が(2.1.3.4)と6頭が複勝圏内に粘り込み、2~5番手の馬が(6.5.4.37)と先行勢が数多く馬券に絡んでいる。少頭数で流れが緩くなるケースが多く、また、G1クラスが多く出走することもあり、そう簡単に差しは決まらない。ある程度前のポジションを取れる馬を中心に据えたい。
波乱は少ないレースだが…
春のG1戦線を見据えた馬が多く出走することから、大きな波乱となることは少なく、過去10年で3連単10万円以上はゼロ。6番人気が3勝しているが、うち2頭は単勝オッズが10倍を切っていた。また、6番人気以下の馬が2頭以上3着以内を占めたことがなく、1番人気が圏外となっても5番人気以内の馬がそれをカバーするかのように上位入線を果たしている。今年あたりソロソロ波乱があるのか!?
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 3-2-1-4 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
2番人気 | 0-1-4-5 | 0.0% | 10.0% | 50.0% |
3番人気 | 3-3-1-3 | 30.0% | 60.0% | 70.0% |
4番人気 | 0-2-2-6 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 1-2-0-7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
6~9番人気 | 3-0-1-36 | 7.5% | 7.5% | 10.0% |
10番人気~ | 0-0-1-30 | 0.0% | 0.0% | 3.2% |
堀厩舎以外の関東馬は苦戦
サトノクラウンが昨年連覇を果たしたが、関東馬の勝利はその2勝のみ。連対馬も2頭で、ともに堀厩舎の管理馬。堀厩舎はのべ4頭全て連対を果たしている。G1を睨んだ一戦ではあるが、東の超A級が西下してくるケースは少なく、今年はダービー馬レイデオロが参戦してくるが、どういった結果となるか注目される。
ジョッキーを見ると美浦所属が3勝、短期免許の外国人騎手が1勝。横山典騎手は10年ブエナビスタ、14年デスペラードと関西馬で2勝している。
[キャリア]クラシックを戦ってきた4歳馬の活躍もあって、10戦以下の馬が4勝。20戦以下の馬の成績がいいが、30戦までならあまり気にすることはない。14年はキャリア30戦目のデスペラードが勝っている。
[乗り替わり]多くの馬が年明け初戦で、G1を狙う有力馬もここでスイッチというケースは多い。乗り替わりも一流ジョッキーがほとんどで、連対率はほぼ同率。勝率は乗り替わったコンビが少し高く出ているが、複勝率は前走と同じコンビの人馬が少し高くなっている。
[当該コースの騎手成績]2013年以降に行われた京都芝2200mで最も多い勝鞍を挙げているのは武豊騎手とC.ルメール騎手の7勝。残念ながらC.ルメール騎手は騎乗停止のため今年の参戦はない。以下、浜中、M.デムーロ騎手の6勝、岩田騎手の5勝、川田、福永、和田竜、藤岡佑騎手が4勝で続く。
[馬体重]勝ち馬の最低体重は08年アドマイヤオーラの456キロ。最高体重は11年トゥザグローリーの532キロで、2~3着馬を見ても幅広いレンジで好走馬が出ている。馬格は気にしなくていいだろう。
[種牡馬]過去10年で2勝している種牡馬は昨年、一昨年と連覇を果たしたサトノクラウンの父・Marjuと11年トゥザグローリー、15年ラブリーデイを送り出したキングカメハメハの2頭。連対率、複勝率でキングカメハメハの上をいくのが、ディープインパクトで、17回の出走で勝鞍は1つだが、2着4回、3着2回と複勝圏内を賑わせている。8回の出走で連対はないが3着3回のマンハッタンカフェも不気味な存在だ。
特別登録は10頭と寂しくなったが、その中身は非常に豪華。明け4歳のG1ホース4頭が名を連ねる中、データ面からプッシュしたいのは、エリザベス女王杯を勝ったモズカッチャン。間隔や着順よりも出走したレースの格が重要視される一戦で臨戦過程はマイナスにはならない。前々で競馬が出来る機動力も兼ね備え、大崩れが少ないタイプ。3キロの斤量差を生かして牡馬クラシックホースを撃破する。