毎週の注目重賞をテーマに競馬ラボ研究員がデータを精査。競馬ビギナーにも分かりやすく レースのポイントを教えます!あなたが選ぶ本命馬はこのデータをかいくぐれるか?
【フェブラリーS】ゴールドドリームの連覇はなるか?
2018/2/12(月)
1984年のグレード制導入とともに『フェブラリーハンデキャップ』の名で創設。昨年、ホープフルSがG1に格上げとなったが、このレースはG3のハンデ戦でスタートし、94年にG2へ昇格、負担重量が別定となり、97年にダートの重賞としては初めてのG1に昇格。ダート競馬の成熟とともにグレードアップして、今やJRAのG1開幕戦としてすっかり定着している。今年は昨年の覇者で、JRAG1・3連覇を狙うゴールドドリームに対して、充実一途のテイエムジンソクやケイティブレイブが待ったをかけるのか? それとも古豪の復活があるのか? 非常に興味深い一戦をデータで検証してみたい。
主要ローテは5つ
[前走レース]主要ローテーションは直前の交流G1川崎記念、勝てば優先出走権が得られる根岸Sと東海S、そして年末の大一番・東京大賞典。チャンピオンズC(旧JCダート)からの直行組も好成績を残していて、これ以外のローテーションは大きく割引。ちなみに平安S組は過去10年で11頭が参戦して1度も馬券絡みがない。
過去10年注目データ
[年齢]高齢馬も活躍するダート路線だが、その最高峰となると経験プラス若さ、成長力が重要なのか、勝ち馬の年齢は6歳まで。過去10年では4歳馬と5歳馬が4勝ずつ。この2世代がまずリードしている。6歳馬は2勝を挙げているがアベレージは若い2世代に劣り、2~3着は幅広い世代から出ているものの、年齢が上がるにつれて信頼度は下がる。
7歳以上で馬券圏内に入っているブルーコンコルド、エスポワールシチー、フリオーソ、ワンダーアキュート、カネヒキリ、ベストウォーリアはすべてG1ホース。若い勢力に割って入るには相当な底力が必要。また、牝馬は7頭がのべ9回挑戦しているが、掲示板にも届いていない。
[前走着順]前走から連勝を果たした馬は5頭。前走を勝ち、本番2着が4頭、3着も6頭いて、前走を勝った勢いは非常に重要。前走4着以下から巻き返して勝ったのは、大波乱を演出した14年のコパノリッキーと昨年のゴールドドリーム2頭。2着馬は8頭、3着馬は9頭が前走3着以内で、層の厚いダート路線で大敗から巻き返すのは至難の業だ。
[枠順]芝コースを長く走れる外枠が有利というのが定説で、それは間違いないのだが、見逃せないのは2枠の好相性。勝率は8枠、連対率は7枠と並んでトップタイ。3着は5枠が4回と最も多く、2枠、5枠、7枠、8枠に好走が集中している。
馬番別では「4」と「15」が2勝。馬券絡みがないのは最内の「1」と中枠の「8」。
[脚質]直線が長い東京コースということもあるだろうが、『ダート戦は先行有利』の定説はこのレースでも生きていて、最も安定した成績を残しているのは逃げ馬を好位でマークした馬。逃げ馬で勝ったのは11年のトランセンド1頭のみで、スピードだけで押し切るのは難しい。
4角10番手以下からの追い込みで馬券圏内に絡むケースも度々見られるのだが、その場合は乱ペースで紛れたものではなく、人気馬が前を捕らえられなかったケース。一気に差し切るのも難しい。
1番人気が消えると…
ここ2年は2番人気が連勝。3年前も人気上位1番人気の信頼度は高く、過去10年で4勝。2着1回、3着3回と複勝率は8割を誇る。比較的堅めの配当が多く、3連単で10万円以上の配当となったのは3回で2回は1番人気が複勝圏外となった12年と13年。そしてコパノリッキーが最低人気で勝った14年。特大配当を狙うなら思い切った手もありかもしれない。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 4-1-3-2 | 40.0% | 50.0% | 80.0% |
2番人気 | 2-1-2-5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
3番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
4番人気 | 0-1-1-8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0-3-0-7 | 0.0% | 30.0% | 30.0% |
6~9番人気 | 2-2-2-34 | 5.0% | 10.0% | 15.0% |
10番人気~ | 1-0-0-68 | 1.4% | 1.4% | 1.4% |
東の意地が見られるか!?
このレースは圧倒的に関西馬が強く、過去10年は全勝。関東馬の勝利は1998年のグルメフロンティアまで遡らなければならない。一昨年の2着馬で、根岸Sを勝って挑むノンコノユメには大きな期待がかかる。
ジョッキーの方も西優勢だが、内田博が3回、戸崎が2回馬券に絡んで意地を見せている。今年もこの両者は要注目だろう。
[キャリア]10戦以内のキャリアは全て4歳馬。チャンピオンズCから2カ月を経ているが、4歳でこの舞台に立てる賞金を獲得しているということは、それだけの実績、底力を持っているという証明でもある。31戦以上で馬券圏内に入ったのはブルーコンコルド、フリオーソ、エスポワールシチーの3頭。いずれも年齢別でも記したG1ホースで、トップレベルの底力がないと馬券圏内に入ってくるのは難しい。
[乗り替わり]近年は乗り替わりのコンビが馬券圏内に飛び込むのが目立っているが、全体の数字を見ると前走と同じコンビの馬が7勝、2~3着がそれぞれ8回と有利な数字が出ている。今年はG1を3勝しているサウンドトゥルーが乗り替わりで挑む予定だが結果は果たして!?
[当該コースの騎手成績]2013年以降、最も多くの勝鞍を挙げているのが戸崎騎手の54勝。2位の田辺騎手とは14勝差を付けて頭ひとつ抜け出している。この舞台で突出した数字を残しているのがC.ルメール騎手で、勝利数は3位の36勝で勝率29.3%。複勝率は54.5%を誇る。以下、内田博騎手が33勝、横山典、田中勝騎手が28勝、北村宏、大野騎手が25勝と続く。
[馬体重]勝ち馬の最軽量は10年エスポワールシチーの498キロで、520キロを超える大型馬が7勝。ダートの活躍馬は馬格のあるタイプが多いが、最高峰のG1でそれがデータでもハッキリと現れている。
480キロを切る馬で馬券圏内に入ったのは12年2着のシルクフォーチュンと08年3着のワイルドワンダー、そして16年2着のノンコノユメの3頭。人気の一角となりそうなテイエムジンソクは前走が自己最高タイの498キロ。プラス体重で出走してくれば栄冠が近づく!?
[種牡馬]このレースと抜群の相性を誇るのが、4勝を挙げているゴールドアリュールで、コパノリッキーが2勝。10年エスポワールシチーと昨年のゴールドドリームで計4勝を挙げ、2着も2回ある。テイエムジンソクの父クロフネ産駒は3度の出走で13、10、9着。着順を上げてきてはいるが、過去の実績は振るわないものとなっている。
[リピーター]リピーター色の強いレースで、過去10年で複数回馬券に絡んだ馬は連覇を果たしたコパノリッキーら6頭。史上2頭目の連覇を狙うゴールドドリームはもちろん、根岸Sで復活を遂げた一昨年2着のノンコノユメも注目の存在だが、活躍期間の長いダート路線とはいえ、3度馬券に絡んだ馬はいない。古豪ベストウォーリアにとっては嬉しくないデータだ。